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大塚裕史の刑法通信

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第96回

窃盗の後の暴行の3パターン!?

刑法各論

2023.12.18

窃盗目的で被害者宅に侵入し、窃盗を行った直後に被害者に対して暴行を加えたという事例が出題されると、受験生は真っ先に事後強盗罪の成立の可能性を考える。たしかに、窃盗の機会に、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行が、財物が取り返されることを防ぐ目的、逮捕を免れる目的、罪跡を隠滅する目的で行われたといえる場合には事後強盗罪が成立する。しかし、当該暴行が、窃取した財物以外の新たな財物を奪取する目的で行われた場合は、(1項)強盗罪が成立することに注意しなければならない。それでは、強盗目的で被害者宅に侵入しまず窃盗を行い財物を取得した直後に被害者に発見されたため、財物の占有を確保する目的で暴行を加えた場合はどうか。学説は窃盗が既遂になっている以上事後強盗罪が成立すると解しているが、判例は(1項)強盗が成立すると解している。窃盗罪は占有の移転をもって既遂となるが、犯人が被害者宅内で被害者と対峙しているので、犯人は占有を「取得」したとはいえその占有はまだ不安定の状態にある。そこで、財物の占有を安定的に「確保」するための暴行は、財物奪取の手段としての暴行と評価できるので(1項)強盗罪が成立するのである。このように窃盗後の暴行については3通りのパターンがあるから、暴行がどのような意図で行われたかをしっかり見極めなければならない。

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