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保護責任者遺棄罪と単純遺棄罪の関係は!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第50回

保護責任者遺棄罪と単純遺棄罪の関係は!?

刑法各論

2022.12.5

遺棄罪の基本類型は単純遺棄罪で、保護責任者遺棄等罪はその加重類型であると思っている受験生が多い。しかし、実は、遺棄罪の基本類型は保護責任者遺棄等罪であり、単純遺棄罪はその補充類型にすぎない。遺棄罪の客体は老年者・幼年者・身体障害者・病者であって「扶助を要する者」である。要扶助者は、生命や身体に対する危険に自力では適切に対処することが困難であるため、刑法は、こうした者に対する保護を第一次的には保護責任者に任せ、その者が保護を怠ることによって危険を惹起する行為を処罰の対象としている。これが、218条であり、その法定刑は3月以上5年以下の懲役となっている。これに対し、217条は保護責任者以外の第三者が要扶助者を保護責任者から引き剥がす行為を処罰している。要扶助者の保護に対して第一次的責任を負うのは保護責任者であり、第三者の行為はいわば保護責任者の保護の前提を崩して間接的に妨害するものであるがゆえに処罰の対象となっているのであるから、217条の遺棄は自ら危険を積極的に創出・増加させる作為によるものに限定されるべきである。このように217条は218条を補完する規定にすぎないため、法定刑も1年以下の懲役とされている。「217条の遺棄は作為、218条の遺棄は作為及び不作為」という結論をただ暗記するだけでなく、なぜそのようになるのかの理由をしっかり理解しておくことが重要である。

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