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因果関係がないのに結果が帰責されることがあるか!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第58回

因果関係がないのに結果が帰責されることがあるか!?

刑法総論

2023.2.13

因果関係は結果を客観的に帰責させるための要件である。したがって、因果関係が認められなければ結果について刑事責任を負わないのが原則である。ところが、因果関係が否定されても結果が帰責される場合がある。207条が適用される場合がその典型であるが、それ以外にも次のような場合がある。「Xが強盗目的でAに暴行を加え、その後、XとYが強盗目的で共同してAに暴行を加えたところ(財物を強取するに至らなかった)、Aは傷害を負ったがいずれの暴行が原因であるかはわからなかった」という場合、Xの暴行と傷害結果の因果関係は認められないので強盗未遂罪、XとYの共同暴行と傷害結果の間の因果関係も認められないので強盗未遂罪の共同正犯が成立する。ただ、Xは第1暴行と第2暴行の双方に関与しているので、Xには傷害結果を帰責できる。なぜなら、仮に第1暴行から傷害結果が発生したのであれば強盗致傷罪が成立し(①)、仮に第2暴行から傷害結果が発生したのであれば強盗致傷罪の共同正犯が成立する(②)ところ、いずれが原因であるかは分からなくても、①と②のいずれかであることは間違いないので、Xは強盗致傷罪ないしは強盗致傷罪の共同正犯の罪責を負うことになる。ただし、Xに傷害結果を帰責できるからといって、傷害結果との間の因果関係が肯定されるわけではないことに注意する必要がある。

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