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「罪数論」は暗記科目ではない!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第52回

「罪数論」は暗記科目ではない!?

学習法

2022.12.19

罪数論についてきちんとした対策をとっていない受験生が少なくない。多くの受験生は罪数に関する判例の知識を丸暗記することに終始している。しかし、罪数論は、単なる知識問題ではなく、犯罪とは何か、違法とは、責任とは何かといった犯罪論の基本的理解を問う問題であることに留意すべきである。罪数論の基本原則は「犯罪の数は法益侵害の数を基準として決まる」である。これは、刑法の目的が法益の保護にあり、犯罪とは法益侵害であるからである。罪数論で決定的に重要なのは「本来的一罪」になるか否かである。本来的一罪にならないことを確認しないうちにいきなり観念的競合や牽連犯に飛びついてはならない。本来的一罪の中で「法条競合」は、法益侵害の数が1個なので、たとえ2つの構成要件に該当するように見えても、1つの犯罪しか成立しない場合である。これに対し、法益侵害が2つあるから2つの犯罪が成立するようにみえても1つの犯罪に纏めてしまうのが「包括一罪」である。2つの犯罪を1つの犯罪に纏める基準は、犯罪とは違法で有責な行為をいうので、2つの犯罪の間に違法の観点からも責任の観点からも密接関連性が認められることである。具体的には、実質的に同一の法益侵害であり、意思が連続していることである。このような理屈が分かれば、包括一罪になるかならないかは考えればわかることであり、判例をひたすら暗記するようなものではない。

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