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大塚裕史の刑法通信 - 間接正犯における正犯意思!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第9回

間接正犯における正犯意思!?

総論

2022.02.07

間接正犯の問題を出題すると、答案において、「他人を道具として利用し自己の犯罪を実現する正犯意思があり、他人を一方的に利用して犯罪の実現過程を支配した場合には、実行行為性が肯定される」という論証例にしばしば遭遇する。しかし、間接正犯が成立するための要件としては、①他人を一方的に利用して犯罪の実現過程を支配したことと(支配性)、②他人を一方的に利用して犯罪の実現過程を支配することの認識・認容(故意)があればよく、それ以外に正犯意思を間接正犯の積極的な成立要件として要求する実益はない。たしかに、共同正犯の場合は正犯意思は極めて重要な要素であるが、単独正犯としての間接正犯の場合は、故意に実行行為を行いながら正犯意思がないという事態は通常存在しない。したがって、間接正犯の成立要件としては、①支配性と②故意だけを掲げればよく、正犯意思に言及する必要はない。正犯意思は、それが欠けるような稀有な事例に遭遇したときだけ、正犯意思がないので間接正犯は成立しないと説明すれば十分であって(ただし、そのような事例は司法試験では出題されないであろう)、通常の事例では、答案において言及する必要のない要件なのである。

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