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危険の現実化説における間接型の判断方法!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第75回

危険の現実化説における間接型の判断方法!?

刑法総論

2023.07.03

危険の現実化説における間接型の判断の仕方が理解できていない受験生が少なくない。介在事情の結果への寄与度が大きい場合を間接型と呼ぶ。間接型の場合、結果に対して物理的な危険性が認められるのは介在事情であり、介在事情のもつ物理的な危険が結果に現実化したといえる。そうすると、実行行為のもつ危険は結果には現実化しなかったと考えるのが原則である。このような場合、実行行為の危険は単独では結果に現実化することはありえない。実行行為の危険が結果に現実化したといえるのは、実行行為の危険と介在事情の危険が両者相まって結果に現実化した、すなわち、共同して惹起したと評価できる場合に限られる。共同して結果を惹起したといえるためには、実行行為と介在事情との間の密接な関連性が必要である。例えば、実行行為が介在事情の危険を誘発したといえれば、実行行為も間接的ながら結果を惹起したと評価できる。しかし、それだけでは共同惹起といえない場合がある。実行行為の後に当該介在事情が存在することが稀であれば、結果の発生は偶然の出来事と評価される。そこで、偶然的結果を排除するという因果関係の判断目的に照らせば、介在事情の異常性が認められないことも必要となる。こうして、実行行為が介在事情を誘発し、かつ、その介在事情に異常性が認められないときは、危険の現実化が認められることになる。

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