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予備試験の合格率と分析

予備試験の難易度と合格率、試験の傾向を分析しました

予備試験の試験制度・受験科目、法曹(弁護士・裁判官・検察官)になるまでの流れは理解できたところで、実際に予備試験を受験するにあたって気になるのは、試験の難易度や合格率ではないでしょうか。
年齢別、職種別、過去の司法試験の受験経験など、予備試験最終合格者のデータをもとに過去の予備試験の結果を振り返りました。

令和3年度 司法試験予備試験の結果

令和3年 司法試験予備試験データ
  短答式試験 論文式試験 口述試験
出願者 14,317人
受験者 11,717人 2,633人 476人
受験率 81.80% 96.60% 99.30%
合格点 各科目の合計得点162点以上(270点満点) 240点以上 119点以上
合格者数 2,723人 479人 467人
平均点 178.7点 197.54点

令和3年司法試験予備試験をふりかえって

短答式試験

  平成30年 平成31年
(令和元年)
令和2年 令和3年
出願者 13,746人 14,494人 15,318人 14,317人
欠席者 2,610人 2,714人 4,710人 2,600人
受験者 11,136人 11,780人 10,608人 11,717人
採点対象者 11,055人 11,682人 10,550人 11,655人
合格点
(各科目の合計得点)
160点以上 162点以上 156点以上 162点以上
合格者数 2,661人 2,696人 2,529人 2,723人
合格者の平均点 177.7点 177.0点 173.7点 178.7点
短答式試験合格率 23.9% 22.9% 23.9% 23.2%

予備試験短答式試験の結果から読み取れること

まず、合格点から見ていきますと、令和2年は「156点以上」であったのが、今年は「162点以上」と6点も上昇した形となりました。平成29年・平成30年はともに「160点以上」、令和元年は「162点以上」でしたので、一気に一昨年の水準に戻りました。もっとも、平成28年は「165点以上」、平成27年では「170点以上」が合格点とされており、それらと比較すれば、いまだ低水準といえます。
また、民法科目の平均点を見てみますと、令和2年は「12.7点」であったのが、今年は「17.3点」と4.6点も大幅に上昇しました。他方、憲法科目の平均点は、令和2年は「21.5点」であったのが、今年は「16.7点」となっており、約5点もの大幅な下げ幅を記録しています。また、行政法科目の平均点も、令和2年は「14.4点」であったのが、今年は「10.7点」となっており、もう少しで1桁となるところでした。
このように、今年は、民法科目は昨年ほど難しくはなかったといえますが、公法系がやや難しくなったと感じた受験生が多く見受けられました。
次に、合格率から見ていきますと、今年は23.3%となっており、これは例年どおりであるとの評価が妥当と思われます。司法試験短答式試験の今年の合格率が78.7%(採点対象者:合格者数=3,392:2,672)であったことと比べると、予備試験短答式試験は明らかに「落とすための試験」という意味合いが強い試験だといえます。
また、受験者数・採点対象者数は、平成27年から微増傾向にあり、合格者数も同様に微増傾向にありましたが、昨年の令和2年は一転して、いずれも減少する形となりました。しかし、今年はほとんど一昨年と同じ水準に戻りました。昨年に大幅に下落した「受験率」(令和2年は69.3%)も、今年の「受験率」は「81.8%」まで戻しました。来年以降も同様の「受験率」が維持されるかは、予想がたちにくいところといえますが、一応、来年以降も、2,500〜2,700人前後の合格者数となることが予想されます。

予備試験短答式試験に合格するためには

予備試験短答式試験の特徴として、合格者の平均点と採点対象者全体の平均点の乖離が大きいという点が挙げられます。
今年の司法試験短答式試験における合格点は99点以上であるのに対し、採点対象者全体の平均点は117.3点ですから、受験生全体の平均レベルの実力でも司法試験短答式試験を突破することは可能といえます。これに対し、今年の予備試験短答式試験における合格点は162点以上ですが、採点対象者全体の平均点は132.0点ですから、予備試験短答式試験を突破するためには、受験生全体の平均レベルの実力では不十分であり、合格率(令和3年:23.3%)からすれば、受験生4〜5人の中で一番良い成績を取れる程度の実力が求められているといえます。
予備試験短答式試験に合格するためには、一定の知識の量が必要なのは言うまでもありませんが、重要なのは「正確」な知識の量です。正しい理解を伴った知識でなければ、予備試験短答式試験を突破できるだけの正解を積み重ねることは難しいといえます。また、科目数が司法試験短答式試験よりも5科目多いこと、論文式試験ではおよそ問われることのないいわゆる「短答プロパー」の知識もより確実に合格するために一定程度求められることを踏まえると、勉強量を単純に増やすことだけでは不十分であり、自分に合った効率的な短答式試験対策を講じるべきだといえます。
具体的には、過去問を数回解いた後、苦手な分野や過去に出題されていない分野に焦点を絞って「正確」な知識を補充することが重要です。予備校の講座や書籍を活用する等して相互の知識を関連付けたり、体系的・網羅的に学習することができれば、予備試験短答式試験を突破することができるでしょう。

論文式試験

  平成30年 平成31年
(令和元年)
令和2年 令和3年
出願者 2,551人 2,580人 2,439人 2,633人
採点対象者 2,534人 2,566人 2,428人 2,619人
合格点 240点以上 230点以上 230点以上 240点以上
合格者数 459人 494人 464人 479人
論文式試験合格率 18.0% 19.2% 19.1% 18.2%
対短答式試験受験者合格率 4.1% 4.2% 4.3% 4.1%

データから見る司法試験予備試験論文式試験

まず、最も注目の集まる合格者数について見ます。平成29年は469人、平成30年は459人と推移し、令和元年は494人とやや増加しましたが、令和2年は464人と減少し、平成29年・30年とほぼ同じ水準に戻っていました。今年は479人となり、やや増加したものの、例年の水準とあまり変わらないといえます。
次に、合格率について見てみます。採点対象者数に占める合格者数の割合でみると、平成29年は約21.4%、平成30年は約18.1%、令和元年は約19.2%、令和2年は約19.1%と推移していましたが、今年は約18.2%となりました。これらの数字から、今後も、合格率はおよそ18〜22%の割合に収まることが予想されます。司法試験短答式試験よりも科目数が多い予備試験短答式試験を突破した優秀な受験生であっても、予備試験論文式試験を突破できるのは概ね5人中1人であり、改めて厳しい試験であることを物語っています。
合格点についても見ていきます。平成29年は245点以上、平成30年は240点以上、令和元年は230点以上と年々減少していましたが、令和2年は令和元年と同じ230点以上という結果となっていました。今年は、240点以上という結果となっており、平成30年と同じ点数となりました。

予備試験合格者数が500人を超えなかった理由について

これについては、①司法試験の受験資格を得るためのルートについては、あくまで法科大学院ルートがメインであって、予備試験ルートはバイパスにすぎないという位置付けを明確にすること、②法科大学院の入学者数が増える見込みの無い中で、予備試験合格者数を増加させてしまうと、法科大学院制度そのものが立ち行かなくなるため、法科大学院制度を守るためにも、予備試験合格者数を大幅に増加させるわけにはいかないこと、③司法試験の合格者数が約1,400〜1,500人で推移していることを踏まえると、予備試験の合格者数を大幅に増やすことはできないこと等が考えられます。

司法試験予備試験の論文式試験に合格するためには

論文式試験の合格率は、短答式試験を突破した受験生にとっては約18〜22%と決して高いものではなく、難関試験ですが、〔設問〕の題意を正しく把握できる学力を身に付け、判例や条文の知識・制度趣旨に基づいた論理的な論述をすることができれば、必ず合格することができます。これは、司法試験予備試験の論文式試験に限らず、口述試験や、司法試験の論文式試験でも同じことがいえます。
司法試験予備試験は、平成23年から始まり、令和3年まで11年分の過去問の蓄積があります。したがって、まずはこの11年分の過去問をしっかりと分析し、実際に解いてみるところから始めましょう。
また、具体的にどのような答案を作成すれば合格ラインに到達するのかという、いわば相場観を身に付けるためには、再現答案の分析が必要不可欠です。LECも予備試験受験生向けの再現答案集(『司法試験&予備試験論文過去問再現答案から出題趣旨を読み解く。』)を出版しておりますので、是非、これを活用して、合格答案の論述の流れを習得してください。
ゼロから始める方は、入門講座を活用して欲しいところです。また、予備試験論文式試験の答案練習会には是非とも参加し、答案を書いて、合格者に見てもらうことは必ず行うようにしましょう。本番さながらの実戦訓練を日頃から積み重ねることが試験対策上最も有意義であることは、誰もが認めるところです。
予備試験合格の事実が大手法律事務所、外資系法律事務所等の就職活動において極めて大きな威力を発揮することも併せて考えると、大学在学中の皆さんに限らず、法科大学院在学中の皆さんも、予備試験合格を目指し、これを突破して司法試験に最終合格することができれば、将来の選択肢も大いに増えるのではないかと思います。

口述試験

  平成30年 平成31年
(令和元年)
令和2年 令和3年
受験者数 459人 494人 462人 476人
合格点 119点以上 119点以上 119点以上 119点以上
合格者数 433人 476人 442人 467人
口述試験合格率 94.3% 96.4% 95.6% 98.1%
対短答式試験
受験者合格率
3.9% 4.0% 4.1% 4.0%

予備試験の口述試験に合格するためには

口述試験の受験者は、難関とされる予備試験短答式試験及び論文式試験の双方とも合格しています。そのため、口述試験の受験者のレベルは全体的に非常に高いといえますが、その中にあっても、口述試験に合格できない受験者は、約2〜5%程度存在します。
このことから、口述試験は、口述試験特有の対策を怠らなければほぼ確実に合格することができる試験である一方、口述試験特有の対策を講じることなく漫然と受験すれば不合格となるリスクが決して看過できない程度に存在する試験だと考えるべきです。
口述試験においても、出題された問題に対して解答するという形式に変わりはありません。しかし、口述試験の最も重要なポイントは、面接官(主査)と直接コミュニケーションを取りながら口頭で解答するという点です。短答式試験や論文式試験にはない独特の緊張感が受験者のメンタルに直接作用するため、うまくコミュニケーションを取ることができず、実力を発揮できないまま試験が終わってしまうという事態も起こり得ます(短答式試験や論文式試験であれば容易に解答できる内容であるにもかかわらず)。
そこで、口述試験を突破して最終合格を勝ち取るために最も効果的な対策は、実戦形式の対策、すなわち「口述模試」です。これを受けることで、実際の現場でも過度に緊張することなく、実力を発揮することが可能となるでしょう。

これから予備試験の最終合格を目指す方へ

最終合格者のうち、最も高い割合を占めているのは「大学在学中」の受験者です(最終合格者467人中、252人が「大学在学中」の受験者です)。このことからも分かるとおり、予備試験は、予備校の入門講座等を活用して効率的な勉強を行うことによって、大学在学中でも最終合格することが十分に可能な試験だということができます。また、司法試験の受験資格を一度喪失してしまったけれども、予備試験に最終合格して再度司法試験にチャレンジし、見事司法試験を突破される方も大勢いらっしゃいます。
予備試験に最終合格し、司法試験にも最終合格して法曹を目指すために最も重要なことの1つ、「できるだけ早い段階で効率的な学習を積み重ねること」です。

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