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予備試験の合格率と分析

予備試験の難易度と合格率、試験の傾向を分析しました

予備試験の試験制度・受験科目、法曹(弁護士・裁判官・検察官)になるまでの流れは理解できたところで、実際に予備試験を受験するにあたって気になるのは、試験の難易度や合格率ではないでしょうか。
年齢別、職種別、過去の司法試験の受験経験など、予備試験最終合格者のデータをもとに過去の予備試験の結果を振り返りました。

平成31年(令和元年)度 司法試験予備試験の結果

平成31年(令和元年) 司法試験予備試験データ
短答式試験 論文式試験 口述試験
出願者 14,494人
受験者 11,780人 2,580人 494人
受験率 81.3% 95.7% 100.0%
合格点 各科目の合計得点162点以上(270点満点) 230点以上 119点以上
合格者数 2,696人 494人 476人
平均点 177.0点 191.58点

平成31年(令和元年)司法試験予備試験をふりかえって

短答式試験

  平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
(令和元年)
出願者 12,767人 13,178人 13,746人 14,494人
欠席者 2,325人 2,435人 2,610人 2,714人
受験者 10,442人 10,743人 11,136人 11,780人
採点対象者 10,379人 10,665人 11,055人 11,682人
合格点
(各科目の合計得点)
165点以上 160点以上 160点以上 162点以上
合格者数 2,426人 2,299人 2,661人 2,696人
合格者の平均点 181.5点 174.9点 177.7点 177.0点
短答式試験合格率 23.2% 21.4% 23.9% 22.9%

令和元年の司法試験短答式試験における合格点は108点以上であるのに対し、採点対象者全体の平均点は119.3点ですから、受験生全体の平均レベルの実力でも司法試験短答式試験を突破することは可能といえます。これに対し、令和元年の予備試験短答式試験における合格点は162点以上ですが、採点対象者全体の平均点は133.8点ですから、予備試験短答式試験を突破するためには、受験生全体の平均レベルの実力では不十分であり、合格率からすれば、受験生4〜5人の中で一番良い成績を取れる程度の実力が求められているといえます。
予備試験短答式試験に合格するためには、一定の知識の量が必要なのは言うまでもありませんが、重要なのは「正確」な知識の量です。正しい理解を伴った知識でなければ、予備試験短答式試験を突破できるだけの正解を積み重ねることは難しいといえます。また、科目数が司法試験短答式試験よりも5科目多いこと、論文式試験ではおよそ問われることのないいわゆる「短答プロパー」の知識もより確実に合格するために一定程度求められることを踏まえると、勉強量を単純に増やすことだけでは不十分であり、自分に合った効率的な短答式試験対策を講じるべきだといえます。

論文式試験

  平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
(令和元年)
出願者 2,327人 2,200人 2,551人 2,580人
採点対象者 2,312人 2,185人 2,534人 2,566人
合格点 245点以上 245点以上 240点以上 230点以上
合格者数 429人 469人 459人 494人
論文式試験合格率 18.4% 21.3% 18.0% 19.2%
対短答式試験受験者合格率 4.1% 4.4% 4.1% 4.2%

1 データから見る司法試験予備試験論文式試験

まず、最も注目の集まる合格者数ですが、平成29年は469人、平成30年は459人とやや減少していましたが、本年は494人となり、予備試験が実施されてから最も多い人数となりました。
次に、合格率について見てみます。採点対象者数に占める合格者数の割合でみると、平成29年は約21,4%、平成30年は約18.1%でしたが、本年は約19.2%(となり、ここ3年間の間では、中間的な倍率となりました。2年前よりは低い数字ですが、昨年よりは高い数字であり、短答式試験を突破した受験生のうち、概ね5人に1人が論文式試験に合格するといえます。相変わらず、予備試験が厳しい試験であることを物語っています。
合格最低点については、平成29年が245点以上、平成30年が240点以上、本年が230点以上となっています。仮に、合格最低点を昨年と同じ240点以上とすると、合格者が349人とかなり少なくなってしまうため、10点引き下げて230点以上としたものと思われますが、問題の難易度に劇的な変化が生じたわけではないように推察されます。

2 論文式試験に合格するために

論文式試験の合格率は、短答式試験を突破した受験生にとっては約19.2%と決して高いものではなく、難関試験ですが、問われていることに対して基本的なことを論述すれば、必ず合格することができます。これは、司法試験予備試験の論文式試験に限らず、口述試験や、司法試験の論文式試験でも同じことがいえます。
司法試験予備試験は、平成23年から始まり、令和元年まで9年分の過去問の蓄積があります。したがって、まずはこの9年分の過去問をしっかりと分析し、実際に解いてみるところから始めましょう。
合格ラインを知る上では、再現答案の分析が必要不可欠です。LECも予備試験受験生向けの再現答案集(「司法試験&予備試験論文過去問 再現答案から出題趣旨を読み解く。」)を出版していますので、是非、これを活用して、合格ライン及び合格者の答案の論述の流れを習得してください。
ゼロから始める方は、入門講座を活用して欲しいところです。また、予備試験論文式試験の答案練習会には是非とも参加し、答案を書いて、合格者に見てもらうことは必ず行ってください。試験の場で求められる実戦訓練を日頃からやることが試験対策として有意義であることは誰もが認めるところです。
予備試験合格の事実が大手法律事務所、外資系法律事務所等の就職活動において極めて大きな威力を発揮することも併せて考えると、大学在学中の皆さんに限らず、法科大学院在学中の皆さんも、予備試験合格を目指し、これを突破して司法試験に最終合格することができれば、将来の選択肢も大いに増えるのではないかと思います。

口述試験

  平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
(令和元年)
受験者数 429人 469人 459人 494人
合格点 119点以上 119点以上 119点以上 119点以上
合格者数 405人 444人 433人 476人
口述試験合格率 94.4% 94.7% 94.3% 96.4%
対短答式試験
受験者合格率
3.9% 4.1% 3.9% 4.0%

予備試験の口述試験の受験者は、難関とされる短答式試験及び論文式試験の双方とも合格しています。そのため、受験者の全体のレベルは非常に高いといえますが、その中にあっても、口述試験に合格できない受験者は、約3〜5%程度存在しています。このことから、口述試験は、口述試験特有の対策を怠らなければほぼ確実に合格することができる試験である一方、口述試験特有の対策を講じずに漫然と受験すれば、たとえ学力が十分であっても不合格となるリスクが相当程度存在する試験だといえます。
口述試験においても、出題された問題に対して解答するという形式に変わりはありません。最も重要なポイントは、面接官(主査)と直接コミュニケーションを取りながら口頭で解答するという点です。
口述試験では、短答式試験や論文式試験にはない独特の緊張感が受験者のメンタルに直接作用します。そのため、うまくコミュニケーションを取れず,実力を発揮できないまま試験が終わってしまうという事態が起こり得ます(書面上であれば容易に解答できる内容であるにもかかわらず)。そこで、口述試験を突破して最終合格を勝ち取るために最も効果的な対策は、実戦形式の対策,すなわち「口述模試」です。これを受けることで、実際の現場でも過度に緊張することなく、実力を発揮することが可能となるでしょう。

これから予備試験の最終合格を目指す方へ

大学在学中の最終合格者の割合が他の最終学歴別の最終合格者の中で最も高い割合を占めていることからもわかる通り、予備試験は、予備校の入門講座等を活用して効率的な勉強を行うことによって、大学在学中でも最終合格することが十分可能な試験です。また、司法試験の受験資格を一度喪失してしまったけれども、予備試験に合格して再度司法試験にチャレンジする方も大幅に増加しています。
予備試験に最終合格し、司法試験にも最終合格して法曹を目指すために最も重要なことの1つは、「できるだけ早く効率的な学習を積み重ねること」です。

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