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大塚裕史の刑法通信

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司法試験・予備試験受験生の多くが利用している『基本刑法』『応用刑法』の執筆者、大塚裕史先生が、刑法に関する様々な話題を試験に役立つかたちで定期的にお届けします!

司法試験課X(@LECshihoushiken)にて、毎週配信のお知らせをしています!

刑法コラム第150回

「包括一罪」とは何か?!

刑法学習法等

2026.9.7

受験生は罪数論というと観念的競合や牽連犯に飛びつく。しかし、観念的競合や牽連犯が問題となるのは包括一罪が成立しない場合である。したがって、包括一罪の成否を真っ先に検討し、それが否定された場合に初めて観念的競合・牽連犯の成否を検討することになる。包括一罪とは、複数の法益侵害結果を惹起したが、1つの構成要件によって包括的に評価されるために一罪となる場合をいう。包括一罪と同様(本来的)一罪とされるものに法条競合がある。両者の相違点は、法益侵害が1個しかないのが法条競合、法益侵害が数個あるのが包括一罪である。包括一罪となるのは複数の法益侵害結果を惹起したが1つの構成要件によって包括的に評価される場合である。法益侵害結果が複数存在しているのであるから本来であれば複数の犯罪が成立するところ、それをまとめて1つの犯罪と評価するのが包括一罪なのである。2つの犯罪を1つの犯罪にまとめて包括一罪とすることが可能となるは、犯罪とは違法で有責な行為であるから、2つの犯罪が同一の法益侵害に向けられ、かつ、1つの意思決定に基づいて実現された場合である。包括一罪に関する判例は少なくないが、その結論を暗記するのではなく、法益侵害の同一性と意思決定の一個性を基準に自ら考察し判例と同じ結論になるかを確認するとよい。


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