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大塚裕史の刑法通信

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司法試験・予備試験受験生の多くが利用している『基本刑法』『応用刑法』の執筆者、大塚裕史先生が、刑法に関する様々な話題を試験に役立つかたちで定期的にお届けします!

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刑法コラム第151回

観念的競合と牽連犯?!

2026.10.2

罪数の数え方には決まりがある。まず、本来的一罪(法条競合や包括一罪)になるかどうかを真っ先に検討し、それが否定されたときに初めて観念的競合や牽連犯の成否を検討することになる。第1に、1個の行為が数個の罪名に触れるときを観念的競合という。例えば、1個の投石行為により建物の窓ガラスを割り、建物内の人を傷つけた場合、器物損壊罪(261条)と傷害罪(204条)が成立し観念的競合となる。観念的競合が科刑上一罪とされるのは、複数の法益侵害を惹起したとはいっても行為は1個しか存在せず、したがって犯罪実行の意思決定も1個しか存在しないので、複数の行為を行った場合よりも、行為者に対する非難、すなわち、責任が減少するからである。第2に、「犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れる」場合を牽連犯という。例えば、住居に侵入して殺人を行ったような場合、住居侵入罪が手段、殺人罪が結果の関係にあるので両罪は(牽連犯として)科刑の点では一罪として扱われる。牽連犯の場合に科刑上一罪として扱われるのは、行為は複数個存在しても、それが手段・結果の関係にある場合は、犯罪実行の意思決定は実質的には1個しか存在しないので、複数の意思決定に基づいて複数の行為を行った場合よりも、行為者に対する非難、すなわち、責任が減少するからである。


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