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延焼可能性と機能的一体性の関係は!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第71回

延焼可能性と機能的一体性の関係は!?

刑法各論

2023.06.05

建造物の一体性というのは非現住建造物と現住建造物が渡り廊下などで連結されている場合(構造上の一体性)において、非現住部分に放火した行為が現住建造物等放火罪(108条)と評価されるかの問題である。108条の成否の問題であるから、108条に固有の保護法益(建造物の内部に存在する人の生命・身体)を侵害する危険性が認められるかが問題となる。非現住部分への放火により、現住部分に存在している人の生命・身体に危険が及ぶのであれば108条の罪の成立を肯定してよい。延焼可能性とは、火が非現住部分から現住部分に延焼拡大していく可能性ということだから108条の罪の成立には不可欠な要素である。もし、延焼可能性が全くないのであれば一体性は否定される。問題は、延焼可能性がないとはいえないが低い場合である。このような場合に、延焼可能性の弱い部分を穴埋めする役割を果たすのが機能的一体性である。機能的一体性とは、2つの建物を1つの建物として利用しているということであり、それは現住部分に存在する人が、火が出ている非現住部分に接近することにより生命・身体に危険が及ぶことを意味する。このように、機能的一体性は、火が現住建造物に接近する可能性(延焼可能性)が低いときに、人が(非現住建造物にある)火に接近する可能性で穴埋めするという機能を果たしているのである。

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