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欺罔行為だけが詐欺罪の実行行為ではない!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第36回

欺罔行為だけが詐欺罪の実行行為ではない!?

各論

2022.08.29

最高裁は、欺罔行為が終了した後に関与した受け子(現金等の受取役)について、だまされたふり作戦の開始いかんにかかわらず詐欺未遂罪の共同正犯が成立すると判示した(最決平29・12・11刑集71巻10号535頁)。承継的共同正犯を肯定した理論的根拠は明らかではないが、「本件詐欺を完遂する上で本件欺罔行為と一体のものとして予定されていた本件受領行為に関与し」たと説明している。
受領行為が「欺罔行為と一体のものとして予定されていた」という表現から、受領行為が(欺罔行為と共に)詐欺罪の実行行為であり、受け子はその受領行為に関与したことにより共同正犯が成立したものであると理解することができる。もちろん、判例が、受領行為を実行行為であると明言しているわけではない、しかし、交付行為があっても行為者が財産を受領しない限り財産が移転することはないのであるから、詐欺罪が成立するためには受領行為の存在は不可欠である。そして、受領行為は、行為者自身の行為であり、詐欺罪の結果を惹起する行為であるから実行行為であるといえる。このように考えると、欺罔行為だけでなく受領行為も詐欺罪の実行行為を構成することになる。

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