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「横領後の横領」では何を論ずればよいのか!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第62回

「横領後の横領」では何を論ずればよいのか!?

刑法各論

2023.3.13

「甲が自己の所有する土地をAに売却した後、登記が未だ甲に残っていることを奇貨としてBに対して抵当権を設定しその登記を完了し(第1行為)、さらに、この土地をCに売却して移転登記を完了させた(第2行為)」という事例では、第1行為に横領罪が成立するところ、(第2行為について)同一の土地に対する再度の横領罪が成立するか否かが問題となる。旧判例は第2行為を不可罰的事後行為としていたが、最高裁は、平成15年4月23日判決において、判例を変更して第2行為に横領罪が成立すると判示した。そこで、受験生の中には、「第2行為は不可罰的事後行為のようにみえるが、第2行為は横領罪の成立要件を充たす以上横領罪が成立する」といった答案を書く者が少なくない。しかし、これでは結論を述べただけで「横領後の横領」という論点を論じたことにはならない。事実関係は何も変わっていないのに、旧判例によれば第2行為に横領罪は成立せず、現判例によれば横領罪が成立するというのである。これは、事実に対する法的評価が変わったことを意味する。そうだとすると、横領罪の成立要件のうち、どの要件の解釈をどのように変えるべきなのか、その理由は何かを具体的に明らかにしなければならない。判例の結論を覚えるのではなく、なぜそのような判断に至ったのかを考えることが重要である。

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