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危険の現実化説をとると条件関係の判断は不要か!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第29回

危険の現実化説をとると条件関係の判断は不要か!?

総論

2022.07.04

危険の現実化説で答案を書く場合、条件関係を判断する必要はなく、いきなり危険の現実化の判断をすればよいと思っている受験生が少なくない。
しかし、危険の現実化説は、相当因果関係説と共に法的因果関係を判断する基準であり、法的因果関係を判断する前に事実的因果関係の存在を確認する必要がある。因果関係判断の目的は、偶然的結果を排除し適正な帰責判断を画定することにあり、目的達成のためには二段階審査を行う必要がある。そこで、危険の現実化の判断の前に、条件関係があることを確認しなければならないのである。
実行行為が「作為」の場合は、現実問題として条件関係が否定される結論は出てこないであろうが、だからといって条件関係の判断を省略してよいわけではない。
これに対し、実行行為が「不作為」の場合は条件関係の有無がむしろ中心論点となる。なぜなら、不作為犯の場合、作為義務を尽くしたならばほぼ確実に結果を回避できたといえなければ条件関係は認められないからである。このように実行行為が不作為の場合は、条件関係の判断において結果回避可能性の程度が問題となる。また、不作為犯だからといって二段階審査を省略してよいことにはならないから、条件関係の後に危険の現実化を判断しなければならない。

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