更新日:2024年6月24日
- このページのまとめ
- 静岡県庁では、「静岡県で働く。チームで働く」を合言葉に県内や組織内での連携に力を入れており、官民問わず様々な専門分野が融合・連携して県民の豊かで安心な暮らしを支える業務を担っています。
- 静岡県庁の一般行政職職員の平均給料月額は331,181円で、これに各種手当を含めた平均給与月額は432,250円になっています。また、年収に関しては令和3年度普通会計決算のデータでは、期末・勤勉手当等含めた一人当たり年間給与は6,835,000円です。
- 静岡県庁の採用試験は、出題範囲が広く計画的な対策が必要です。公務員試験の情報収集とスケジュール管理が成功の鍵となります。また、他の自治体や国家公務員試験と併願することも考慮し、幅広い選択肢を検討しましょう。
- 監修者:吉田 幸司 LEC専任講師
- 大学卒業後、民間企業の勤務経験を経て講師業一本に絞る。多くの受験生が苦手意識を持ちやすい、数的処理や経済原論をはじめとした複数の科目を担当。「苦手を得意に、得意をさらに得意にする」
吉田 幸司 LEC専任講師
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静岡県庁で働くって?
静岡県はこんな自治体
静岡県は、日本のほぼ中央に位置します。気候は温暖で快晴日数も多く、2年連続「移住希望地ランキング 1位」に選ばれるなど住みやすい地域としてとても人気があります。静岡といえば富士山が真っ先に思い浮かぶことでしょう。あの壮大な佇まいを遠くから眺めるもよし、登って自然を直接味わうのもよしですね。首都圏に近い熱海や伊豆も有名です。温泉にゆっくり使って日々の疲れをリフレッシュして活力を養うのもよしです。後、なんといっても静岡は食べ物が美味しいです。お茶、ウナギ、黒はんぺんなどの名物は訪れた際には必ず食べたいですね。駿河湾もあるので、桜えび、生しらすなど産地直送新鮮な魚介類がふんだんに味わえます。このように静岡県は豊かな自然に恵まれており、何度も訪れたくなるような魅力溢れるまちであるといえるでしょう。
静岡県庁の仕事内容・魅力
静岡県庁での業務は多岐に渡ります。道路や河川、空港などの大規模な公共工事や高校、大学や児童相談所の設置、雇用、産業振興など、市町村の枠組みを超えて取り組む必要がある広域的、大規模な業務に携わることができます。
政策の企画や立案、条例の制定や改定など、都道府県の中心として、国や市町村と連絡・調整をとりながら、県民の安心安全、豊かな暮らしに貢献していく素晴らしい仕事です。中でも静岡県では『静岡県で働く。チームで働く』を合言葉に、組織内での連携に力を入れていらっしゃいます。薬剤師と行政職が互いの知識や経験を持ち寄り、静岡県の 食品産業、ヘルスケア産業、化成品等の振興を図る『フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクト』を行ったり、心理職と行政職がタッグを組み、様々なバックグランドを生かしながら、適切かつ迅速な児童相談援助業務を行っています。このように静岡県庁は、様々な専門分野を融合させ、県民の豊かで安心な暮らしを支えることのできる魅力的な職場であるといえるでしょう。
静岡県庁のキャリア
静岡県庁では、「静岡未来クリエイター大募集」と銘打ち、薬剤師と行政職、心理職と行政職など様々な職種同士でチームを組みながら静岡県の成長に挑戦していくことができる職員の育成に力を入れています。時代の変化や県政の課題に、的確に対応できる知識や能力を習得出来るよう、自主性を重んじた各種研修が充実しています。
派遣研修では大学院、自治大学校や中央省庁、民間企業などへの派遣による高度な能力養成を行い、県庁では経験できない業務に従事することで、能力の開発を図ります。最初の配属の後は、多様な職務を経験するため、概ね3〜4年のサイクルで人事異動があります。業務の適性や希望を基に、総合的な判断の下、職員の能力が最大限に活かせるような配属がなされます。また、私生活も充実させつつキャリアも積んでいけるよう、ワークライフバランスを重要視されています。男性の育児参加や産休・育休の取得を推進しており、それに向けた職員同士の協力体制も整っています。職員一人一人の理想のキャリア実現に向けて、万全のバックアップ体制が静岡県庁にはあるといえるでしょう。
静岡県庁の給料・年収
令和4年4月1日におけるデータによると、静岡県庁の一般行政職大学卒の初任給は192,266円となっています。また、一般行政職職員の平均給料月額は331,181円で、これに各種手当を含めた平均給与月額は432,250円になっています。また、年収に関しては令和3年度普通会計決算のデータでは、期末・勤勉手当等含めた一人当たり年間給与は6,835,000円です。
国家公務員の給料月額を100としたときの地方公務員の給料月額を表したものに、ラスパイレス指数というものがありますが、それによると令和4年4月1日のデータで静岡県庁は102.2という数値で、国家公務員と同水準の高い水準になっていることがわかります。
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静岡県庁の採用試験について
静岡県庁採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
大学卒業程度を想定した上級試験では行政T、Uの他に、小中学校事務、警察行政、土木、農業、林業、農業土木、薬剤師、保健師、建築、心理、児童福祉、水産、電気、電気(研究)、機械、機械(研究)、工業化学、金属材料、工業デザイン、文化財などの区分があります。
その他に免許資格職試験、初級試験、経験者試験の採用試験があります。
受験資格・年齢制限について
上級試験、行政Iの受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- ・日本国籍を有する人
- ・平成6年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人
- ・平成15年4月2日以降に生まれた人で、大学を卒業した人もしくは令和7年3月31日までに卒業見込みの人、または静岡県人事委員会がこれらと同等の資格があると認める人
静岡県庁採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
試験職種 | 採用予定者数 | 申込者数 | 1次試験 受験者数 |
1次試験 合格者数 |
最終合格者数 | 最終合格倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
行政I | 65人 | 374人 | 285人 | 197人 | 94人 | 3.0倍 |
行政I区分ではおよそ2〜3倍の倍率となっており、都道府県庁の中では比較的標準的な倍率であると言えるでしょう。
静岡県庁採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | 第1次試験 | 教養試験 | 120分 |
|
40点 |
---|---|---|---|---|
専門試験 | 120分 |
|
40点 | |
第2次試験 | 論文試験 | 90分 | 記述式による筆記試験(※論文試験は第1次試験日に実施しますが、採点は第2次試験で行います) | 40点 |
人物試験 | − | 適性検査 | − | |
− | 面接試験2回 1回目:個別面接及び集団討論による口述試験 2回目:個別面接による口述試験 |
480点 |
行政I区分では教養知識分野が25問中15問選択解答、専門試験が55問中40問選択須解答になっていることが特徴です。また2次口述試験では集団討論及び個別面接2回が行われます。
静岡県庁の採用試験の日程について
第1次試験 | 6月16日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 6月26日(水) |
第2次試験 | 7月9日(火)〜8月8日(木)のいずれか1日 |
最終合格発表日 | 8月下旬 |
日程的には、いわゆる地方上級の日程(令和6年度は6月16日の実施)に含まれるため、県庁や政令都市の試験、および同一日程で実施されるA日程の市役所試験は併願することができません。
静岡県庁採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
一般的に専門科目が課される公務員試験において、筆記試験で問題数が多い重要科目は教養科目で文章理解と数的処理、専門科目で憲法、民法、行政法、経済原論と言われています。重要科目を中心に学習を進め、自分の得意分野に合わせて科目の学習にメリハリをつける戦略を取ることにより、得点力の向上が見込めます。
また、近年の公務員試験において、教養科目の知識分野(人文科学、自然科学、社会科学)や専門科目の準主要科目と言われる学系科目(政治学、行政学、財政学、経営学等)の得点力の重要性が高まっています。静岡県庁もこの例に漏れません。主要な科目の早めのマスターを心掛けて、準じて重要な科目にいかに時間を割けるかがカギです。
しかし、筆記択一試験対策にだけ特化する形ではいけません。静岡県庁は最終合格者の決定は1次試験と2次試験の結果を総合して決定されますが、面接試験が全配点600点の8割の480点を占めています。筆記択一試験対策に偏るのではなく、論文対策や面接対策をバランスよく行っていく必要があります。
試験勉強時間の目安
一般的な公務員試験で教養試験のみを対策する場合には300〜500時間が必要と言われています。一方、国家公務員一般職試験などのいわゆる専門試験も課される試験を併願する場合には、概ね1,000〜1,200時間が必要とされています。つまり、静岡県庁の試験にあたっては、長期的な計画を立てつつ、効率的な学習が求められると言えるでしょう。学業や仕事をやりながら、筆記対策、論文対策、面接対策とやらなければいけない事が多岐に渡る中で、優先順位を見誤らない事が重要です。焦らずに、周りに頼りつつ、自分の事を客観的に分析しながら合格に向けて取り組んでいきましょう。
併願について
日程的には、いわゆる地方上級の日程に含まれるため、専門試験が課される静岡県庁の対策をすることによって、国家公務員総合職試験、国家公務員一般職試験、国税専門官、財務専門官、労働基準監督官、などの国家専門職試験や裁判所職員とも併願が可能になります。また、例年5月に行われる東京都庁や特別区、7月や9月の市役所とも日程が重複していないため受験が可能です(筆記択一試験が教養試験のみ出題の自治体も含む)。さらに、国立大学法人等も可能になるため、考えられる併願先の数も充実しているといえます。
よくある質問 ※2024年度の静岡県職員行政T(大学卒業程度)
- Q.静岡県の試験科目は?
- A.第1次試験は教養試験、専門試験が課されます。第2次試験は筆記試験で論文試験と適性検査、口述試験で人物についての個別面接2回及び集団討論が課されます。(※論文試験は第1次試験日に実施しますが、採点は第2次試験で行います)
- Q.静岡県の試験日程は?
- A.第1次試験と第2次試験の論文試験は6月中旬、第2次試験の口述試験は7月上旬から8月上旬の間で指定する日、最終合格日は8月下旬です。
- Q.静岡県の受験資格(年齢)は?
- A.日本国籍を有する人で、平成6年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人、あるいは平成15年4月2日以降に生まれた人で大学を卒業した人もしくは令和7年3月31日までに卒業見込みの人、または静岡県人事委員会がこれらと同等の資格があると認める人が受験できます。
まとめ
静岡県庁は、静岡県に定住しつつ、県民のために働くことができる、非常にやりがいのある仕事です。そして、育休や産休などの制度も充実しており、継続して働くことのできる職場であるといえます。静岡県庁では 福祉、医療、介護、子育て、教育など、県民一人ひとりの生活に直結する課題につき変化を的確に捉え、きめ細かなサービスを提供していくための人材育成に力を入れています。『富国有徳の美しい"ふじのくに"の人づくり・富づくり』の実現に向けて、全職員の皆さんは熱意をもって、全力で取り組んでいらっしゃいます。このようにやりがいを感じながら、幅広い業務に対応できるスキルを身に付けることが出来る静岡県庁のお仕事は将来の皆さんの職業の一つとしてオススメ出来るものとなっています。