更新日:2023年9月11日
公務員は大きくわけて国家公務員・地方公務員に分けられます。
それぞれに、どのような仕事・魅力・やりがいがあるのかをみていきましょう。

- 目次
- 公務員は、国家公務員と地方公務員に分類できる
- 国家公務員と地方公務員の仕事や魅力の違いは?
- 国家公務員の仕事や魅力
- 地方公務員の仕事や魅力
- 向いている人
- 国家公務員に向いている人
- 地方公務員に向いている人
- 国家公務員・地方公務員へのなり方の違い
- 採用試験概要について
- 国家公務員の試験概要
- 地方公務員の試験概要
- 試験のスケジュールについて
- 国家公務員の試験スケジュール
- 地方公務員の試験スケジュール
- 試験対策の勉強法・勉強スケジュールについて
- 先輩の声
- まとめ
公務員は、国家公務員と地方公務員に分類できる
国家公務員とは?
国家公務員は、国全体を視野に入れ国全体に関わる業務を行う公務員のことをいいます。主に中央省庁とその出先機関において業務を行ないます。
企画立案と業務執行が必要となるためスケールの大きい仕事が多くあります。代表的な業務としては、政策立案、法律や条令の整備、予算編成、国家・議会への対応、統計調査などがあげられます。
地方公務員とは?
地方公務員は、都道府県庁・市役所・区役所などで地域に密着した業務を行なう公務員のことをいいます。
職員の給与や予算、経理、庶務から用地交渉などの対外的な業務。その他にも防災対策、環境保全、福祉の充実、文化・スポーツ活動の推進など多岐にわたる多彩な業務を行ないます。
国家公務員と地方公務員の仕事や魅力の違いは?
国家公務員

仕事内容
- 国家総合職
- 一般にキャリアとよばれる中央省庁の幹部候補です。政策の企画・立案・調査、法律の制定や改廃など極めて高度な内容であり、まさに国家を背負ってたつ国家公務員として仕事をします。
- 国家一般職
- 総合職が主に中央省庁で政策の企画立案を担当するのに対し、一般職は合格した地方ブロックにある各省庁の地方支部局で政策の実施を担当します。
給与・労働時間
- 国家総合職
- 国家公務員総合職の待遇は行政機関の中の一般の公務員の中では一番高いものになります。民間企業と異なり公務員の賃金は俸給制度によって厳格に決まっています。
給与について、東京都特別区内に勤務する行政職員の初任給における場合で約224,000円程度となっています。(大卒程度試験の場合)その他にも扶養手当、住居手当、通勤手当、本府省業務調整手当、ボーナスなどが支給されます。勤務時間は原則として、1日7時間45分。土・日曜日及び祝日等の休日は休みです。 - 国家一般職
- 国家公務員一般職の職員の賃金等待遇は、俸給制度によって厳格に決まっています。たとえば、国家一般職と国家総合職の俸給は異なります。
給与について、東京都特別区内に勤務する行政職員の初任給における場合で約218,000円程度となっています。(大卒程度試験の場合)その他にも扶養手当、住居手当、通勤手当、本府省業務調整手当、ボーナスなどが支給されます。勤務時間は原則として、1日7時間45分で、土・日曜日及び祝日等の休日は休みです。
勤務先
霞ヶ関の中央省庁の本部と全国津々浦々に存在するこれら省庁の出先機関
魅力・やりがい
- スケールの大きい仕事
- 国家公務員は、世の中に広く影響を与えるスケールの大きな仕事に携ることができます。
また、よりよい社会の実現に貢献し、国民に奉仕できることが魅力です。 - ワークライフバランス
- 忙しいイメージのある国家公務員ですが休暇・休業が取得しやすい環境が整備されているため、自分の時間や家族との時間を確保しながら仕事がしやすくなっています。
- 充実の研修制度
- 各府省や人事院で様々な人材育成が行なわれています。留学や海外出張など様々なサポートも行なわれているようです。
地方公務員

仕事内容
- 都道府県職員
- 市役所よりも予算規模が大きいため、大規模な公共事業を実施します。都道府県庁は国・その他自治体・企業など団体を相手に仕事をすることが多くあります。
- 市町村・区職員
- 住民生活に密着した仕事が多くなります。
例えば、戸籍・住民票に関する業務、市町村道路・公園・緑地の保護や管理、一般廃棄物処理やリサイクル、火災予防、救急・救助活動などがあたります。
給与・労働時間
行政職員の初任給における給与について、例えば埼玉県庁とさいたま市を比べた場合、埼玉県庁は約207,000円程度、さいたま市は206、000円程度となります。その他にも扶養手当、住居手当、通勤手当、ボーナスなどが、それぞれの支給要件に応じて支給されます。
勤務時間については、埼玉県庁、さいたま市共に、原則として平日の8時30分〜17時15分までとなり、休暇についてもそれほど差はありません。
勤務先
原則採用された自治体の本庁や出先機関
魅力・やりがい
国家公務員に比べ地域に密着した仕事が多くなる地方公務員は、特に市町村・区職員は市民との距離が近く、自分の仕事がダイレクトに市民の笑顔・声で返ってくるのを実感できることが最大の魅力です。
また、専門性の高い国家公務員に比べ様々な分野の仕事を経験することができます。平均2〜3年で部署異動が行なわれるため多岐にわたる仕事で経験を積むことができます。
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向いている人
国家公務員に向いている人
国家公務員のうち総合職に向いている人は、世の中をこのように変えていきたい、といったことを考えている人です。そして、自分の能力を発揮するというよりは、民間の個人や企業、地方公務員、国家一般職の皆さんの能力を最大限発揮させることができる人です。
国家公務員を目指した理由

- 国家総合職合格者
- 国家公務員の業務について、先輩から話を伺う機会があり、それ以降、自身の手で国の根幹である政策の立案に携わり、多くの人を巻き込んで仕事が出来る国家公務員の職業に魅力を感じました。加えて民間企業で携わることが難しい、プロジェクトの大きさや、国を良くする公共性などの部分に惹かれました。

- 国家総合職合格者
- 社会の広範囲にわたる諸問題に、既に顕在化していると否とを問わず、幅広くアプローチすることができるのは、国家公務員ならではと考え目指しました。そして、どのようなバックグラウンドを持った人であっても「当たり前」が今日から明日へと自然に続いていける社会でありたいと考えたからです。

- 国家一般職合格者
- 首都圏と地方都市を取り巻く現状に大きな違いがあることを認識したことから、地方創生に携わりたいという思いがありました。公務員は、異動によって全く別のフィールドで活躍することができる点と日本各地において今後さらに過疎化と少子高齢化が進展するなかでも持続可能な行政サービスの提供をしていきたいという思いから公務員を志すようになりました。
地方公務員に向いている人
地方公務員のうち都道府県の仕事に向いている人は、国と基礎自治体、企業、民間団体など調整をしたり、基礎自治体の職員の皆さんが円滑に遂行できるよう気配りができる人です。これに対して、市区町村の仕事に向いている人は、直接住民の皆さんにサービスを提供しその反応に喜びを見出すことができる人です。
地方公務員を目指した理由

- 地方公務員合格者
- 公務員は一般企業と違い、その地域の住民または国民全体の利益を追求して働くので、そこにスケールの大きさと全体の利害調整の困難さを予想しやりがいのある仕事だろうと思いました。次に、地方公務員は全く経験のないような部署へと数年ごとに異動となるため様々な経験を積むことができます。この働き方は好奇心旺盛な自身の性格とマッチしていると感じました。

- 地方公務員合格者
- 私は、社会問題の解決に貢献できる仕事として思い浮かんだのが公務員でした。民間企業と異なり、多様な主体に向けて多角的な方面からアプローチすることができるという点に魅力を感じたのがきっかけです。また、人と接することが好きなため、地域の人々の身近な存在として直接声を聴くことのできる地方公務員を目指しました。
国家公務員・地方公務員へのなり方の違い
採用試験概要について
国家公務員
国家総合職
国家総合職試験は【院卒者試験】と【大卒程度試験】に分かれます。そして、それぞれ細かく区分が分けられ試験が実施されています。ご自身が受験できる試験であるか学習開始前に確認しましょう。
大卒程度試験
- 受験資格
- 21歳以上30歳未満の者
-
21歳未満の者で次に掲げる者
- (1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
- (2)人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者
- 試験区分
- 政治・国際、法律、経済、人間科学、工学など
※2023年より国家公務員試験制度が変更となります。 国家公務員採用試験制度見直しについて
※詳細は「国家公務員試験 採用情報NAVI」をご確認ください。
国家一般職
国家一般職の1次試験合格者は「基礎能力試験」「専門試験(多肢選択式)」の成績を総合して決定されます。
行政区分の「一般論文試験」や技術職の「専門試験(記述式)」の成績は、第1次試験合格者を対象に評定した上で、最終合格者決定に当たり、他の試験職種の成績と総合されます。
大卒程度試験
- 受験資格
- 21歳以上30歳未満の者
-
21歳未満の者で次に掲げる者
- (1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
- (2)人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者
- 試験区分
- 行政、電気・電子・情報、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学
※2023年より国家公務員試験制度が変更となります。 国家公務員採用試験制度見直しについて
※詳細は「国家公務員試験 採用情報NAVI」をご確認ください。
国家専門職
国税専門官・大卒程度試験
国税専門官第の1次試験合格者は、「基礎能力試験(多肢選択式)」と「専門試験(多肢選択式)」の成績を総合して決定します。「専門試験(記述式)」は、第1次試験合格者を対象に評定した上で、最終合格者決定に当たり、他の試験種目の成績と総合されます。
- 受験資格
- 21歳以上30歳未満の者
-
21歳未満の者で次に掲げる者
- (1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
- (2)人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者
※2023年より国家公務員試験制度が変更となります。 国家公務員採用試験制度見直しについて
※詳細は「国家公務員試験 採用情報NAVI」をご確認ください。
地方公務員
東京都Ⅰ類
<東京都Ⅰ類B(一般方式)試験>
東京都Ⅰ類B(一般方式)の1次試験合格者は、全ての科目の成績を合わせた総合成績により決定します。
一つでも一定基準に達しない科目がある場合は、他の科目の成績にかかわらず不合格となります。そのため、総合成績が上位であっても不合格となる場合があります。
- 受験資格
- 21歳以上29歳未満の者
-
21歳未満の者で次に掲げる者
- (1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
※詳細は「東京都職員採用ページ」をご確認ください。
埼玉県
<上級試験>
最終合格者は第1次試験、第2試験の結果を総合して決定されます。一定の基準に達しない試験科目がある場合は、他の成績に関わらず不合格となります。
- 受験資格
- 21歳以上30歳未満の者
-
21歳未満の者で次に掲げる者
- (1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
※詳細は「埼玉県職員採用ページ」をご確認ください。
大阪府
<行政(22-25)試験>
最終合格者については、第1次試験、第2次試験及び第3次試験の結果を総合的に判定し、決定されます。
※試験科目には合格基準を定めているものがあり、それらの試験科目で一定の基準に達しない場合は、他の試験科目の得点にかかわらず不合格となります。
- 受験資格
- 21歳以上26歳未満の者
-
21歳未満の者で次に掲げる者
- (1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
※詳細は「大阪府職員採用ページ」をご確認ください。
試験のスケジュールについて
国家公務員
国家総合職
院卒者試験・大卒程度試験(教養・法務区分以外)
試験日程(2023年度)
※2023年試験より国家総合職試験日程が前倒しされます。 国家公務員採用試験制度見直しについて
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 |
配点比率 |
---|---|---|---|
第1次試験 | 基礎能力試験 (多肢選択式) |
40題 3時間 |
2/15 |
専門試験 (多肢選択式) |
40題 3時間30分 |
3/15 | |
第2次試験 | 専門試験 (記述式) |
【政治・国際、法律、経済区分】 3題4時間 【その他区分】 2題 3時間30分 |
5/15 |
政策論文試験 | 1題 2時間 |
2/15 | |
人物試験 | ― | 3/15 |
- Point!!【英語試験】
- 外部英語試験(TOEFL(iBT)、TOEIC Listening & Reading Test(2016(平成28)年8月5日に名称が変更される前のTOEICテストを含み、公開テストに限る。)、IELTS、実用英語技能検定)を活用し、スコア等に応じて総得点に15点又は25点が加算されます。
大卒程度試験(教養区分)
試験日程(2023年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 |
配点比率 |
---|---|---|---|
第1次試験 | 総合論文試験 | 2題 4時間 |
8/28 |
基礎能力試験 (多肢選択式) |
Ⅰ部(知能分野) 24題2時間 Ⅱ部(知識分野) 30題1時間30分 |
Ⅰ部3/28 Ⅱ部2/28 |
|
第2次試験 | 企画提案試験 | Ⅰ部 政策概要説明紙(プレゼンテーションシート) 1題1時間30分 Ⅱ部 (プレゼン・質疑応答) おおむね1時間程度 |
5/28 |
政策課題討議試験 | おおむね1時間30分 | 4/28 | |
人物試験 | ― | 6/28 |
※詳細は「国家公務員試験 採用情報NAVI」をご確認ください。
国家一般職
大卒程度試験
試験日程(2023年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 |
配点比率 |
---|---|---|---|
第1次試験 | 基礎能力試験 (多肢選択式) |
40題 2時間20分 |
2/9 |
専門試験 (多肢選択式) |
40題 3時間 |
4/9 | |
一般論文試験 | 1題 1時間 |
1/9 | |
第2次試験 | 人物試験 | ― | 2/9 |
※2023年より国家公務員試験制度が変更となります。 国家公務員採用試験制度見直しについて
※詳細は「国家公務員試験 採用情報NAVI」をご確認ください。
国家専門職
国税専門官
<大卒程度試験>
試験日程(2023年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 |
配点比率 |
---|---|---|---|
第1次試験 | 基礎能力試験 (多肢選択式) |
40題 2時間20分 |
2/9 |
専門試験 (多肢選択式) |
40題 2時間20分 |
3/9 | |
専門試験 (記述式) |
1題 1時間20分 |
2/9 | |
第2次試験 | 人物試験 | ― | 2/9 |
身体検査 | ― | ― |
※2023年より国家公務員試験制度が変更となります。 国家公務員採用試験制度見直しについて
※詳細は「国家公務員試験 採用情報NAVI」をご確認ください。
地方公務員
東京都Ⅰ類
<東京都Ⅰ類B(一般方式・行政)試験>
試験日程(2023年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 |
---|---|---|
第1次試験 | 教養試験 | 知能分野24題必須解答 知識分野16題必須解答 2時間10分 |
論文 | 課題式 1題必須解答 1時間30分 |
|
専門試験 | 記述式 10題中3題選択解答 2時間 |
|
第2次試験 | 口述試験 | 人物についての個別面接 |
※詳細は「東京都職員採用ページ」をご確認ください。
埼玉県
<上級試験(一般行政)>
試験日程(2023年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 |
配点 |
---|---|---|---|
第1次試験 | 教養試験 | 知能分野22問必須解答 知識分野28問中18問選択解答 120分 |
100 |
専門試験 | 50問中40問選択解答 120分 |
100 | |
第2次試験 | 論文試験 | 900〜1,100字程度の記述式 75分 |
100 |
人物試験 | 個別面接2回 | 300 |
※詳細は「埼玉県職員採用ページ」をご確認ください。
大阪府
<行政(22-25)試験>
試験日程(2023年度)
試験 | 試験科目 | 時間 |
---|---|---|
第1次試験 | SPI3 | 約1時間10分 |
エントリーシート | 事前に記入し、第1次試験日に提出 | |
第2次試験 | 論文 | 1時間 |
個別面接 | − | |
第3次試験 | 個別面接 | 同日に2回実施 |
グループワーク | 5〜8人程度のグループで与えられた課題について作業 |
※詳細は「大阪府職員採用ページ」をご確認ください。
試験対策の勉強法・勉強スケジュールについて

国家公務員
国家総合職
国家総合職で上位合格の原動力になるのはなんといっても専門科目です。つまり、法律区分ならば法律科目、経済区分ならば経済科目です。それぞれ、択一式試験と記述式試験があり、まずは択一式試験の学習をするべきです。学習方法は、主に過去の本試験問題を繰り返し演習するのが効果的です。ただし、国家総合職試験では4年生の春に実施されるこれらの区分の他に、3年生の秋に実施される教養区分もあり、この試験では、択一式試験が教養科目のみであり、その中でも数的処理が合否を分けるので、この試験も視野に入れるのであれば、数的処理の学習を先行させるべきです。次いで、教養区分試験までは、専門科目の学習と並行して、社会科学・人文科学・自然科学の学習を細々と進めるべきです。国家総合職では、業務説明会参加による官庁訪問対策が同時に人事院面接対策にもなるので、まずは3年生ないし2年生のうちから各官庁主催の業務説明会に参加することが効果的です。人事院の2次試験で課される、専門記述試験と政策論文試験対策は択一式試験対策がひと通り終った後でよいでしょう。
国家一般職(行政区分)
国家一般職では、専門記述式試験がなく教養論文試験の比重もそれほど高くないので、択一式試験対策がなんといっても重要です。文系学部の学生は計算系の学習が苦手なので、逆に、計算が必要となる数的処理やミクロ・マクロ経済学を優先して学習すべきです。次いで、憲法・民法・行政法といった法律系科目の学習を進めます。学習方法としては公務員本試験過去問集の基本問題を反復して演習するのが効果的です。次いで、政治学・行政学・社会学・財政学などのいわゆる「学系」科目の学習に進みます。これらの科目は通常公務員試験では出題数が経済・法律科目よりも少ないのですが、国家一般職試験では、平等に各科目5問出題されるので手が抜けません。そして、最後に人文科学・自然科学を学習します。社会科学については、国家一般職の場合、専門科目とかなり重複しているので、真っ先にやるべき科目ではありません。専門科目の学習がひと通り終った後に、専門科目でカバーできていない「法学概論」などのみをやれば十分でしょう。人事院面接対策は筆記試験の学習がひと通り終った後、本試験の直前期に本格化させましょう。また、官庁訪問についても、一部の難関官庁をのぞけば一次試験終了後に各官庁主催の業務説明会に参加すればよいでしょう。
国家専門職
国税専門官
国税専門官の試験では、商法2問や会計学(簿記を含む)8問が必須問題となっていますが、多くの受験生は、併願先でも共通して出題される憲法や民法、経済学、財政学、政治学、経営学などに力を入れて勉強します。1次試験を突破するために6割を正答していくことを考えると、併願先でも出題される科目に力を入れた方が効率がよいからです。ただ、会計学は、完全に捨ててしまうのではなく、毎年出題されるような基本的なテーマに絞って学習するとよいでしょう。また、専門記述が出題されることも大きな特徴です。従来は、経済学が選択しやすい科目になっていましたが、ここ3年は憲法も選択しやすいレベルの問題です。会計学や社会学などを大学で専攻していた方は、こちらも基本レベルであるといえます。国税専門官の場合は、人事院面接の後に国税局の採用面談があり、合格者のすべてが黙っていても内定先が決まるわけではないので注意しましょう。筆記を含めた総合成績ではなく、人事院面接での評価の高い方から内定がでているようです。
地方公務員
地方上級とは、地方公務員の上級職を意味しますが、一般的には6月に一斉に行われる県庁や政令市などの試験を指します。自治体によって科目の選択方法や出題数などが異なりますが、専門科目では経済学の出題が多いことが特徴です。したがって、憲法や行政法などの法律系の科目はもちろん大事ですが、経済学をしっかり攻略しないと、合格は難しくなります。また、刑法や労働法、社会政策など、他の試験では出題されない科目が出題される自治体もありますので、ご自身が受験される自治体の昨年の募集要項で出題科目を確認しましょう。大学で刑法や労働法を勉強した方は、解く方向で準備するとよいですが、この両科目は捨ててしまう人も多いです。社会政策は比較的簡単なので、生活保護制度や年金制度、健康保険・介護保険制度などを勉強していきましょう。教養科目では社会事情の出題が多いことが特徴です。東京都や特別区などで出題される直近の時事(法改正など)も出題されますが、数年前の民族問題や、話題になった環境問題なども出題されるので、広く社会一般の動向にアンテナを張っていると得点力が上がります。面接はその自治体の将来像をしっかりイメージし、やりたい仕事をお話できるようにしましょう。
先輩の声

- 山下 玲奈さん
【大学名】神戸大学 在学中合格
【最終合格先】国家一般職、大阪市 - 効率的な学習で無理せずに
幅広い試験範囲なので、全部を覚えようとすることは不可能です。よく出るポイント、他の受験者より大きく点数が下がらないようにする勉強を心がけました。特に直前期は、先生のおっしゃる重要なポイントや必修の問題を確実に取れるように学習を進めました。そうすることで、勉強の負担が少なく済み、気分転換に充てる時間もでき、集中力を持続することが出来たのではないかと思います。私は、勉強が大きなストレスにならないよう、少しは自分に甘くなって、精神状態を良く保てたことが長い試験期間を乗り越えられた理由ではないかと思います。

- 長野 琴音さん
【大学名】北海道大学 在学中合格
【最終合格先】国家一般職、国税専門官、札幌市 - LECのおかげ
私が合格できたのは、LECの事務局の方、講師・担任の先生、合格アドバイザー、受講生など全ての方のお力添えのおかげだと思います。事務局の方は、いつも丁寧に接して下さり、大変親身にサポートしてくださいました。熟練の講師の先生方の授業は、大変分かりやすく、面白かったため、出題範囲の広い公務員試験の勉強も暗記だけではなく、理解して勉強できました。担任の先生には、いつも相談に乗っていただきました。受験の心配事は、ベテランの先生のお言葉で、スッキリと解決してもらいました。合格アドバイザーの方には、勉強の仕方や受験の時のことなど、先輩のリアルなお話を伺い、受験の見通しを立てることが出来ました。また、同じ志を持った受講生とお話しすることで、モチベーションを保つことが出来ました。LECで出会った全ての方のおかげで合格できました。
まとめ
国家公務員、地方公務員としてできる仕事は異なります。ご自身が公務員になった時にどういった仕事に携わっていきたいのか考えてみましょう。ぱっと浮かばない場合は興味のある省庁や自治体のホームページをみてみたり、開催されているイベントに参加してみることもオススメします。
また、志望先が決まっていないけれど、公務員試験対策を始めてよいのだろうか?と質問されることが多くありますが、明確になっていなくても始める事をオススメします。予備校では併願対策ができるカリキュラムを用意していることがほとんどですし、合格者の大多数も試験対策を始めている間に志望先を決めています。
