LECの先生方を信じ、勝ち取った合格
J・Tさん
年齢 | 52歳 |
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受験回数 | 2回(別に試し受験を1回されています) |
職業 | 会社員 |
出身校 | 早稲田大学大学院理工学研究科情報科学専攻 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース インプット+アウトプット一括 Lゼミ |
選択科目 | 免除あり:技術士 |
弁理士を目指した理由・きっかけ
現在はソフトウェア開発業務に従事しております。もとの業務は研究で特許出願の機会は多くありました。しかし、業務が研究から開発に変更となり、開発の忙しさから、出願件数は減りつつありました。ただ、同じような状況にいながらも積極的に出願している同僚の方がおり、自分も開発だけでなく、開発した新たな技術を特許という形で保護していかなければならないという気持ちが高まりました。そこで、知財に関する自身の意識を高め、今まで以上に強い特許を出願していくために、知財の深い知識を習得したいと思いました。そのために、知財のエキスパートたる弁理士資格の取得が有効だと考えました。
また、知的財産技能検定は弁理士試験前に取得したのですが、取得後に弁理士を目指したというよりも、弁理士試験の受験するにあたり、自分が興味を持って取り組める分野なのかという確認のために活用しました。
LECを選んだ理由
他予備校の説明も受けましたが、LECでの受講を決めたのは、以下の理由でした。
- ①意思が弱いので強制的に学習する環境を作るために、通学講座があること
- ②紹介動画やお試し講座を受講し、頭に入りやすい、理解しやすい先生がいらっしゃったこと
- ③1年での短期合格を目標としていたため、短期合格実績が高いこと
- ④全くの初学者であるため、法律用語含めた法律の基礎から学べること
LECで受講した初学者向けコースとその担当講師について
1年合格ベーシックコース
①講座の説明でもあるように「LECの3回転学習方法」による繰り返し学習は非常に良かったです。法律知識ゼロ、論文経験ゼロの私にとっては、基礎知識を身につける入門講座から始まり、論文の書き方から教えていただける論文基礎力完成講座、短答試験に向けた条文の詳細を知る短答基礎力完成講座という講座構成は非常に学習効率の高いものだと感じました。
②テキストも、入門講座は重要な条文や趣旨が凝縮されているものであり、入門時だけでなく、口述試験の対策としても活用することができました。また、短答基礎力完成講座のテキストは短答対策としてはこれだけで十分と思えるものであり、法文集を見て不明な点や疑問があればこのテキストで確認していました。
③早期申し込みの特典であった先取りWeb受講は、入門講座を講座開講前に受講でき、一通りの内容を把握できたので、初学者でも講義についていけるかという不安を解消することができました。
納冨美和講師
①具体的な学習スケジュールを提示していただいたことが一番良かった点です。自分では短答・論文の学習時間のバランス、今の時期はどこの学習をするかの判断が難しく、学習スケジュールを立てるだけでも多くの時間を費やしてしまったと思います。また、理解に不安な箇所があると割り切りができずに戻って学習するという非効率な学習をしていたと思います。先生の立てた学習スケジュールを信じて進めることで迷うことなく、学習に集中することができました。
②講義、Nプロシート等で条文の重要度や重要な箇所を指示していただいたので、全ての条文を一律に覚えるということでなく、メリハリをつけた学習ができ、学習時間を短縮できたと思います。
③年末の道場のレベルチェックにおいて、結果が思わしくなかったので、先生に相談にのっていただきました。相談の結果、年明けからは短答中心の学習をするべきアドバイスをいただき、実践したところ、その年の短答試験にぎりぎりではありましたが合格することができました。多くの受験生を教える中での豊富な経験に基づいた適切なアドバイスをいただけたと思います。振り返ってみると、弁理士試験は1年で合格しなかったらやめるつもりでした。2年目の受験を考えたのは短答試験に合格していたということも大きな要素でしたので、ここでの相談が人生の分岐点だったのかもとも思えてきました。
合格ナビゲートゼミは、納冨先生が過去の傾向や受講者の状況を踏まえて講義内容をカスタマイズしてくださるのと、論文試験を見据えた講義をしてくださったので、短答に注力する時期であってもナビゲートゼミは受講することで、最低限の論文対策に触れる機会をもつことができました。
LECで受講した学習経験者向けコース・講座とその担当講師について
Lゼミ 馬場信幸講師
馬場先生のLゼミで良かった点は、①自主ゼミの推奨、②「これ問」、「論文過去ポン」といった独自テキスト、③論文処方箋、と有益なものばかりでした。
①馬場先生が受講生の状況に応じてグループを決めてくださり、短答免除メンバーはゼミ終了後に受講生で過去問に取り組む場である自主ゼミを推奨してくださいました。強制的に論文を書く機会を増やすことができること、他の受講生の方の論文の解答をみて良いポイントを学べること、模範解答との受講生の解答の差を知ることができること等、メリット以外感じられませんでした。また、1年目はコロナ禍ということもあり、通学ではありましたが受講生の方とお話する機会はほとんどありませんでした。自主ゼミを通じて気軽に相談できる受講生ができたことは非常に貴重なものでした。
②論文試験では新規の問題への対応も重要ですが、実際の試験である過去問の問われ方、解答のスタイル・テンプレートを身につけることはゼミを通じて重要だと感じました。そのため、そのようなノウハウが凝縮された「これ問」および「論文過去ポン」を論文試験までひたすら繰り返し、解き続けました。
③論文試験は相対評価であることから、皆が記載できる項目を確実に記載することが重要です。馬場先生の論文処方箋では論文で記載すべき項目を受講生の答案の統計からA項目、B項目といった形で重要度に分類して提示してくださいます。特に最重要であるA項目は次回以降は確実に記載できるよう復習することを心がけました。また、論文処方箋では受講生内の順位、偏差値、レベルが記載されるため、自分の客観的な状態が見える化され、緊張感をもって学習に取り組むことができました。
Lゼミを受講を決める際の決め手となった紹介動画もですが、馬場先生の話し方や雰囲気で、クラス全体が楽しく、前向きに講義に取り組めていたと思います。最近の合格の傾向から注意すべき点を検討していただいているように感じました。
今年度で言えば、受講時には字を丁寧に書くことを指導していただきました。私の場合、論文の書き始めはよいのですが、時間ギリギリになると明らかに読めない字となっておりました。論文の採点での指摘、参考となる動画の紹介、日々の字を書く場面でも丁寧に書くように意識する等のアドバイスで、丁寧な字を書くことへの意識は確実に高まりましたし、その結果、採点官の方の心象も良くなる答案になったのではないかと思います。
また、論文処方箋および口頭でのフィードバック、受講生の質問の共有、論文合格時の口述対策や口述自主ゼミの推奨など、受講生に対して細やかなフォローをしていただきました。
LECで受講した答練・摸試について
- [受講答練・摸試]論文公開模試 論文直前答練
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①論文直前答練は受講直後の生クラスでの解説があり、疑問があればその場で質問ができるのが良かった点です。初学者講座の紹介動画で納冨先生が解説するという話があったので、同じ先生に最後まで習いたいと考え納冨先生の初学者講座に決めたということもあります。
②初学者はアウトプットの機会が限られていますので、論文直前答練、論文公開模試で、論文の書く感覚を取り戻せたことは良かったというか、必須ではないかと思います。
③LECの論文直前答練、論文公開模試は受講者が多いため、信頼度の高い自分の成績がでることは良かったです。2年目においては、1年目の成績と比較して高くなっていましたので、学習したことが着実に力になっているという成長を客観的な結果として感じられ、自分への自信につながりました。
LECで受講したスポット講座について
- [受講講座]納冨美和の短答特訓ゼミ 高橋克宗の論文レベルアップゼミ
論文過去問分析講座 各種道場・その他:口述対策講座 - ①短答特訓ゼミ:問答形式の講義です。問答形式で、いざ自分が答えるとなると非常に緊張してしまいます。他の受講生の方も緊張されているのだとは思うのですが、皆さんがすごく優秀に見えてしまいます。この講義になんとかついていかねばと、予習や復習へのモチベーションあるいは強いプレッシャーがあり、良かったです。この講座で本番レベルの短答の力がついたと感じています。
- ②論文レベルアップゼミ:初学者と中上級者の中間的な論文ゼミであり、初学者の論文の実力を向上させるには必須ではないかと思います。ゼミの開講までは講義はインプット中心のため自分の実力はわからない状況ですが、このゼミでは特典分布が示され、高得点者の答案を共有してくださったので、自分の実力を知ることができました。ゼミに入るための選抜テストはこのテストを最後まで書ける人はいないだろうと勝手に思っていたのですが、高得点者の答案を見てこんなに書けるものなのかと衝撃をうけた記憶があります。高橋先生は初学者が合格するための書き方、割り切りの考え方、合格する難しさ等、いろいろご指導いただきました。残念ながら1年合格とはなりませんでしたが、このゼミを受講することで確実に論文の実力は上がったと思います。また、2年目になっても気にかけていただき、論文・口述試験の激励メールは非常に心強くなりました。
- ③口述対策講座:1stフェーズが非常に良かったです。論文試験直後から発表までの期間は長いのですが、結果が不安になって口述試験対策になかなか集中できないものです。1年目はまさにそれで口述の過去問を軽く見るという程度でした。1stフェーズを受講することで強制的に口述対策の学習の時間を作ることができました。また、口述の過去問だけだと抜けがありそうで不安でしたが、メリハリをつけながらも全体を一通り説明をしていただいたので、不安が解消されました。
- また、口述対策講座でも自主ゼミを推奨されており、インプットだけでなくアウトプットを早い段階からすることができました。義村先生は過去の多くの問題に基づいた条文の重要な箇所を説明いただけるのはもちろんのこと、考えすぎて空白の時間を作らないこと、条文を参照するタイミングなど具体的な口述の対策について教えていただきました。口述試験本番では教えていただいた対策を踏まえて最後まで諦めずに回答したことで、合格できたと考えています。
LECの教材や学習システムについて
様々な受講形態があり通信での合格者の方も多数でているかとは思いますが、私自身は通学での受講が最適と考えていたため、LECを選択しました。また、通学は質問があった場合にその場で疑問を解決できるメリットも大きいです。ただ、他の受講生の方もいるので、全ての質問を講義後にするのを遠慮してしまうこともありました。その場合は、質問制度を活用させていただくことで、疑問点を全て解消することができました。
短答式試験対策でやって良かったこと
短答含め全ての試験対策において先生方の指示を信じて取り組みました。全く専門外の初学者が自分の経験則を入れることは百害あって一利無しと完全に割り切りました。
短答の対策としては、弁理士試験は条文と試験ということで、過去問を解くよりも条文の読み込みに時間を費やしました。ここでも納冨先生の「過去問は学習をやったように感じるが、基本は条文の読み込み」という方針にそったものです。また、情報を一元化したほうがよいというお話もありましたので、先生の講義での指示のあった箇所、答練等での間違ったポイント等は四法対照に書き込み一元化しました。条文の記載が類似していたり、勘違いしやすいものはcfとしてその条文のページを記載するようにもしていました。
先生が条文の重要度を指示してくれますが、それでも覚える情報量は多いです。なんで覚えられないのだろうとへこむことは多々あったのですが、覚えられてといっても何も変わらないと気持ちを切り替え、繰り返し条文を読みました。
論文式試験対策でやって良かったこと
論文試験では点に結びつく記載を書くことが非常に重要です。高橋先生のゼミでは答案や講義での振り返りをノートに記載すること、馬場先生のゼミでは自分の答案を自身で採点すること、皆が記載している項目を落とさないことを指導してくださいました。こういったことを通じて、論文試験対策では自分の性格、特性、文章の書き方の問題を具体化することが重要だと感じました。そのためにゼミ復習時や過去問を解いた後には上記の内容を文書に書き出すようにし、メモを作成しました。答練時もですが、論文本試験時にもそのメモを見るようにしていました。ただ、自分の特性等に気づけたのは問題の数をこなした2年目の論文本試験に近い時期でした。1年目で強く意識していたらとは思います。
また、1年目で失敗した原因のもう一つは特許・実案の問題に対する時間配分です。1年目は特許の問題を最後まで解くことができませんでした。これは特許・実案の解答時間は意匠、商標に比べて短いのに、四法全て同じ解答の書き方をしていたことにあります。2年目は特許・特実は問題を最後まで解くことを意識し、短い解答例を真似る、多少の項目落ちは気にしない(完璧にこだわらない)、重要条文は条文を引かないで書くようにする等の対策をとりました。
Lゼミの箇所でも記載しておりますが、馬場先生の指導もあり、2年目は過去問およびこれ問をひたすらやり続けました。これ以外は初学者向け講座および過去問分析講座でいただいた判例リストを知識の補強ということで利用していました。
口述試験対策でやって良かったこと
前述しましたが口述試験講座を1stステップから受講したことは良かったです。強制的に口述対策の学習をできることはもちろん、短答免除者である私は論文対策を中心に学習をやっており、論文の頻出の条文に知識が偏りがちです。また、口述の過去問は10年分ですので抜けもあります。条文の全体を一通り確認する本講座は有効だと思いました。
また、自主ゼミをやることでアウトプットの練習ができるだけでなく、他の受講生の方から自分の理解の誤りに対するコメントをいただいたり、皆さんのレベルの高さを感じつつ、自分はもっと努力しないという気持ちが高まりました。
学習時間を捻出するために工夫したこと
私は自分が今後のキャリアプランとして弁理士試験を受けることを、家族、会社の関係者、友人に明言しました。情報をオープンにすることで、土日は学習に費やし、試験直前に休暇を取得をさせていただく、平日の通学時には残業をしない、友人からの誘いもない、という状況にすることができました。
また、会社がテレワーク制度を採用していましたので、通勤時間を減らし学習時間を確保するためにテレワーク制度を活用しました。
通学、または通信での受講を選択して良かった点や反省点
通学での受講を選択し、ほぼ欠席することなく受講しました。これが通学をした上での良かった点といえます。自分の性格を理解し、通学をすることで講義の時間および通学時間は最低限の学習時間として割りあてることができました。その他、他の箇所でも書きましたが、講義の質問をその場で回答いただけるところが良い点だと思います。反省点としてはせっかく通学の受講を選択したのだから他の受講生の方ともう少し自分からつながりをもつような動きをしたほうが良かったのかとは思います。
今、合格して思うこと
弁理士試験対策は今までこんなに学習したのかと思うぐらいやり、後悔はありませんでした。そのため、今年は合格しても不合格しても、弁理士試験は最後と決めていました。そういった中で、合格という最高の結果を得ることができて、とても嬉しく思います。今後は試験や修習で得られた知識を活用し、開発に近い立場で会社の知財部門や社外知財関係者の方々とも協力し、知財活動を強化できるような人材となり、貢献していきたいと考えています。
これから弁理士を目指す受験生の皆様は、自分を信じて、また先生方を信じて、学習を続ければ、必ず合格できるものと思います。モチベーションが下がるときもあるかと思いますが、なぜ弁理士を目指すのかに立ち返ったり、他の受講生のがんばりなどを見て、自分を鼓舞して、弁理士試験の合格を勝ち取ってください。