LECの良さは講義の分かりやすさと教材の質の高さ
U・K さん
年齢 | 28歳 |
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大学 | 慶應義塾大学(法学部)卒業 |
法科大学院 | 東京大学法科大学院 既修 |
受験資格 | 予備試験合格 |
予備試験合格時 | 法科大学院既修2年 |
LEC受講歴 |
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※本体験記は、合格発表日を基準として年齢等を記載しています。
法曹を目指したきっかけ
何の目標もなく法学部に入学しましたが、大学受験という大きな目標を失ったために目的意識のない怠惰な生活を送っていました。そんな中で、なにか高い志を持つことによって自分の怠惰な生活、ひいては人生を変えたいと思うようになり、LECに受講相談に行ったことがきっかけでした。LECでは公認会計士と司法試験をお勧めされ、どちらにするか悩みましたが、せっかく法学部にいるのなら最難関の司法試験の合格を目指そうと思い、法曹を目指すようになりました。
LECを選んだ理由
最初にLECに受講相談に行った際、スタッフの方が非常に親身に接してくださり、信頼できる予備校であるという印象を受けました。また、各予備校の入門講義で使うテキストを比較してみたところ、その中でもLECのテキストが薄く、非常によくまとまっていたため、これなら初学者の自分でも無理なく勉強できそうだと思ったのでLECで学習することに決めました。
仕事や学業、家庭との両立のコツ(時間活用術)
私は大学の途中から司法試験の勉強を始めました。もちろん授業やサークル、バイトもしており、それぞれについて参加する意義を強く感じていたため、司法試験合格を目指す際もこれらを捨てるのではなく続けながら司法試験の勉強もする選択をしました。ですので、特に大学生の方には大学でしか経験できないことを経験しながら司法試験の勉強をすることをお勧めします。
司法試験合格はエスカレーターの進行方向と逆向きに進んでいって違う階に行くようなものであると形容されることがあります。これの意味するところは、8科目という膨大な科目について、忘却してしまうという前提のもとに何度もインプットし直してようやく合格することができるということです。私は仕事や学業、家庭と両立しつつこのような試験を受けるうえで意識すべきは、①高速でインプットし、アウトプットには時間をかけ、アウトプットでわからないと思ったところでインプットに戻ることを繰り返すこと、②1年ごとに具体的目標を立てて、それに向かって突き進むことだと考えています。①はインプットの段階でこれが大事だと講師が言ったことも、具体的な事案の中でその論点などを適用して初めて強固な理解と納得が得られると思います。論文でどう書くべきかが分からないままやみくもに知識をインプットしてもそれは使える知識になりません。そのため、インプットは早めに終わらせて早期に論文対策に移るべきです。②については予備試験の受験をおすすめします。大学生は法科大学院に行くことを目標とするのではなく予備試験に合格することを目標にした方が具体的な目標が間近に迫ってくるというプレッシャーで真剣に勉強できますし、予備試験と司法試験は科目がかぶっているため仮に法科大学院に入学することになっても予備試験を目指すうえで勉強したことは一切無駄にならないからです。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
成功したことは判例学習を重視したことです。私は判例百選に掲載されている情報は知識の外延を画するうえで非常に有益であると考えています。今年であれば行政法、刑訴法は特に判例学習の成果が出るような問題でした。行政法は年々判例知識を問う傾向が強まってきていると感じており、こんな細かい判例出すなんて、という人もいます。しかし、司法試験では細かい判例集やケースブックにしか載っていない判例が出題されるのではなく、しっかりと判例百選に掲載されている判例が出題されています。そのため、判例百選に乗っている判例は、しっかりと学習することが重要です。
失敗したことは学習が進むにつれて論述の機会を減らしてしまったことです。特に予備試験合格後から司法試験受験まではほとんど論文を書きませんでした。そのため、自分が1頁書くのに何分かかるのかわからないまま司法試験を受験することになりました。あまり回数は多くなくてもいいと思いますが、少なくとも週に1通はしっかりと起案するべきだと思います。
LECの講座の良かった点
入門講座&論文基礎力養成答練
入門講座の良さはその分かりやすさだと思います。法律学習の最初でつまずくとすれば法律学の独特の分かりにくさであると思います。もちろん、人によっては最初から基本書を読んで理解していくという方法もあると思いますが、普通は分厚い基本書を前にしてどこが入門段階で重要で、どこが司法試験合格レベルを超えた範囲なのかの峻別はできませんし、その内容を論文で書くことを前提に理解するのは難しいと思います。その点、LECの入門講座は分かりやすく、またどこが重要でどこが重要でないかをコンパクトなテキストでしっかり解説してくれるので、無理なく入門段階から司法試験合格レベルにまで高めていけると思います。論文基礎力養成答練は、入門段階の初学者が初めて論文を書くことを想定して作成されており、「問題提起→規範定立→あてはめ」という流れで論文を初めて書くという人にも無理なく論文の型を学ぶことができるようになっています。この段階では論文の内容というよりも科目特性に応じた論文の型がどうあるべきなのかを強く意識して学ぶと実りの多いものになると思います。
矢島の速修インプット講座
矢島先生の速修インプット講座は、各科目につき短時間でインプットを完成させることをコンセプトとした講座になっています。その内容は非常に分かりやすく、私は一度テキストを開きながら学習した後はiPodに音声を入れて繰り返し聞くようにしていました。講義時間もそれほど長くないので、各科目につき短時間で一周することができ、何度も繰り返し聞くことがおすすめです。
全国公開模試
全国公開模試は出題蓋然性の高い論点を出題してくれるため、非常に学習効果の高い模試であると思います。例えば令和3年の全国公開模試では、刑訴法の包括的差押えの論点につき、平成10年最決の規範を使うとあてはめでやや苦しくなり、学説(関連性変動説)を押さえていると書きやすい問題が出題されました。私はこの模試で出題された包括的差押えにつき理解を含めておく必要があると考え、基本書及び演習書で関連性変動説について深く理解したうえでそれを答案に書ける形でインプットし直しました。その結果、令和3年の司法試験の刑訴法で包括的差押えの論点が出題され、私は判例の射程を論じたうえで関連性変動説に言及して高評価を得ることができたのではないかと思っています。このようにドンピシャで論点を当ててくれる模試というのはなかなかありませんので、ぜひ受講して本番前の予想に使うのがおすすめです。
今後の抱負
司法試験の合格は法曹の出発点に立ったにすぎません。本当の勝負はこれからだと思っています。そのため、多くの法分野に精通した依頼者の信頼を得られるような弁護士になりたいと思います。