1. 経済学・経済政策の意義
電車に乗ると、経済新聞を読んでいるビジネスマンをよく見かけます。彼らは暇を潰すために、新聞を眺めているのではありません。自分の会社が将来どのような問題に直面するかを、新聞から読み取っているのです。
経営者やビジネスマン、コンサルタントにとって経済の流れをつかむことは、企業経営の舵取りにとって必要なことです。例えば、金利が上がると、自社にとってどんなチャンスをもたらすのか、それともピンチをもたらすのか。それは自社以外のどんな分野に、どんな効果を、どれ位の時間をかけてもたらすのか等々・・・。
この科目では経済学の主要理論やそれに基づく経済政策についての知識を確認します。
2. 経済学・経済政策で学ぶこと
1、ミクロ経済学
消費者の行動分析(価格が下がればモノを買う人が増える、価格が上がればモノを買わない人が増える)から需要曲線を、企業の行動分析(価格が上がればモノを売る企業が増える、価格が下がればモノを売らない企業が増える)から供給曲線を導き出し、価格をシグナルとして需要と供給が一致する理想的な市場(完全競争、神の見えざる手)の成立条件を学びます。さらに、市場メカニズムが上手く働かないケース(不完全競争)等を学びます。
2、マクロ経済学
消費や投資といった経済変数で国民経済をモデル(数式)化し、国民経済全体が均衡するプロセス(ケインズ型乗数モデル)を学びます。さらに、乗数モデルに金融市場(貨幣市場)を導入する(IS−LMモデル)ことで、財政・金融政策といった経済政策をめぐる学説上の争点(マネタリスト対ケインジアン)等を学びます。
3、経済指標
景気予測や市場調査に役立つ指標に関して、定義、出所、扱い等を学ぶことで、予測に対する理解を深めます。
3. 1次試験の出題例
- 平成21年度 第1問
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次の付加価値に関する文章中の空欄に入る最も適切な数字を下記の解答群から選べ。
- (1) 農家による「オレンジ」の生産が40万円であった。ただし、生産に必要とされる中間生産物などの投入費用はゼロとする。このうち、飲料メーカーに30万円分を卸し、残りの10万円分を消費者に販売した。
- (2) 飲料メーカーは農家から仕入れた30万円分の「オレンジ」で、「オレンジジュース」50万円分を生産した。
- (3) スーパーマーケットは飲料メーカーから50万円分の「オレンジジュース」を仕入れ、消費者への「オレンジジュース」の販売が60万円であった。
- (4) このとき、付加価値の合計は □ 万円に等しい。
- 〔解答群〕
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- ア 60
- イ 70
- ウ 80
- エ 90
- オ 100
経済学・経済政策 平成21年度 第1問の解答:イ