併願について
大卒程度の公務員試験は、主に5月〜6月に一次試験が実施されます。
実施日は重なるものもあれば違うものもありますが、一次試験の実施日が違っていれば、併願受験することが可能です。
併願を考える際に、大事なことは「一次試験の出題内容をしっかりと把握すること」です。
例えば「裁判所事務官一般職」と「国税専門官」は、試験日程が違うので、形式上は併願可能です。しかし、前者は法律系科目中心、後者は経済系科目中心の出題なので、学習すべき科目は膨大なものになり、全科目をマスターすることは困難です。
一方「地方上級(全国型)」と「国家一般職」の併願では、出題科目の大部分は重なっています。
こうした場合は、学習すべき科目は少なくて済むので、勉強はかなり効率のよいものとなります。
以上のことから、まずは「どの職種でどのような科目が出題されるのか」をしっかりと把握し、併願を検討する必要があります。

試験科目で選ぶ
専門試験の出題科目は大きく「法律系」「経済系」「行政系」に分けられます。
多くの職種ではこの3つがバランスよく出題されますが、中には(職業との関連上)特徴のある職種もあります。
法律系科目が中心
- 裁判所事務官 総合職・一般職
- 一次試験の専門科目は憲法・民法・刑法(または経済理論)のみ
- 参議院事務局 総合職
- 専門科目に法律部門と経済部門の選択あり
経済系科目が中心
- 国税専門官
- 民法・商法・会計学(簿記含む)が必須解答科目
- 他に経済学・財政学・経営学などが選択科目で出題
- 参議院事務局 総合職
- 専門科目に法律部門と経済部門の選択あり
文学部系科目が中心
- 法務教官
- 心理学・社会学・教育学が中心
- 家庭裁判所調査官補
- 心理学・社会学・社会福祉学・教育学の4つからいずれか選択
語学が得意な人
- 外務省専門職員
- 18カ国語から1つを選択(和訳と外国語訳)
- 防衛省専門職員
- 試験区分に「語学」と「国際関係」がある
教養試験のみ
国立大学法人職員・一部の市役所試験では専門試験がなく教養試験のみ
その他
公務員試験には技術職・心理職・福祉職といった専門職もあり、こうした職種では専門試験は専門知識に関する出題中心です。
他にも、経営・国際関係・語学・情報処理など、専門知識を生かした採用区分を持つ職種もあり、それぞれ専門知識に関して出題されます。

出題レベルで選ぶ
国家総合職
公務員試験の「最難関」であり、試験問題のレベルも非常に高くなっています。
国家一般職・地方上級
国家一般職・地方公務員共に、「上級試験」≒「大卒程度試験」であっても、大学卒業程度の問題が出るだけであって、大学卒業が受験要件ではありません。
高卒程度
専門試験はなく教養試験のみとなっており、全体として試験問題のレベルも易しくなっていますが、年齢制限が低くなっています。
この他に「短大卒程度」である「中級」「 II 種」試験が地方公務員などでいくつか実施されています。これは四年制大学卒業者でも受験可能なものが多く、年齢制限もさほど低くはありません。問題のレベルも大卒程度と比べるとやや易しくなっています。
このため、「地上・国家一般職」を目指す人が併願受験するケースも多くなっています。
