マンション管理士試験・管理業務主任者試験の内容とは?出題範囲・合格率・対策を解説
試験概要
| マンション管理士 | 管理業務主任者 | ||
|---|---|---|---|
| 受験資格 | どなたでも受験できます | ||
| 受験料 | 9,400円 | 8,900円 | |
| 願書 | 配布 | 例年 8月初旬〜9月下旬 | |
| 受付 | 例年 8月まで:郵送申込 9月まで:Web申込 | ||
| 試験日時 | 例年 11月の最終日曜日 午後1時〜3時 |
例年 12月の第一日曜日 午後1時〜3時 |
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| 合格発表日 | 例年 1月初旬 | 例年 1月中旬 | |
| 出題形式 | 四肢択一のマークシート式 | ||
| 試験構成 | 50問出題を2時間で解答 | ||
| 免除制度 |
どちらかの試験に合格すると、もう一方を受験する際に「マンション管理適正化法」に関する問題(問46〜問50)5 問が免除される。
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合格率・合格基準点の推移
| マンション管理士 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格点 | 合格率 |
| 2021 | 12,520名 | 1,238名 | 38点 | 9.9% |
| 2022 | 12,209名 | 1,402名 | 40点 | 11.5% |
| 2023 | 11,158名 | 1,125名 | 36点 | 10.1% |
| 2024 | 10,955名 | 1,389名 | 37点 | 12.7% |
| 2025 | 10,984名 | 1,210名 | 42点 | 11.0% |
| 管理業務主任者 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格点 | 合格率 |
| 2021 | 16,538名 | 3,203名 | 35点 | 19.4% |
| 2022 | 16,217名 | 3,065名 | 36点 | 18.9% |
| 2023 | 14,652名 | 3,208名 | 35点 | 21.9% |
| 2024 | 14,850名 | 3,159名 | 38点 | 21.3% |
| 2025 | 14,435名 | 2,832名 | 36点 | 19.6% |
過去5年を見ると、マンション管理士が概ね10%前後、管理業務主任者試験が概ね20%前後の合格率となっています。
マンション管理士試験、管理業務主任者試験は、いずれも相対評価の試験です。合格点が予め定まっておらず、問題の難易度や受験者数等の状況により、合格基準点が変化します。
例えば2025年度のマンション管理士試験は、比較的解きやすい問題が多かったため、合格基準点が42点と例年より高い点数となりました。しかし、合格率は約11%と例年と同程度の水準のため、難易度に応じて合格基準点が変動していることがわかります。
では、合格するためには、どのような問題を正解すべきでしょうか。
LECでは、本試験後に解答オンラインリサーチでLEC独自のデータを集計しています。
そして、受験生の正解率に応じて、難易度を「難」「普」「易」の3段階であらわしています。
難:正解率50%未満
普:正解率50%以上〜70%未満
易:正解率70%以上
2021年〜2025年の本試験問題を、この分類に当てはめたところ、マンション管理士試験、管理業務主任者試験のいずれにおいても、「普」「易」の問題を全て正解すれば、ほとんどが合格基準点を上回る得点となりました※。
つまり、50%以上の受験生が正解している問題を落とさず正解すれば、合格できる可能性が高いといえます。
※2021〜2025年度の本試験において、2021年度のマンション管理士試験のみ、合格基準点が38点となり、「普」「易」の問題の合計数を1点上回る結果でした。
出題内容
マンション管理士試験の想定出題内容
〜マンション管理士試験受験案内より〜
| ①マンションの管理に関する法令及び実務に関すること |
|---|
| 建物の区分所有等に関する法律、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、マンションの再生等の円滑化に関する法律、民法(取引、契約等マンション管理に関するもの)、不動産登記法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、マンションの管理に関するその他の法律(建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律等)等 |
| ②管理組合の運営の円滑化に関すること |
| 管理組合の組織と運営(集会の運営等)、管理組合の業務と役割(役員、理事会の役割等)、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の訴訟と判例、管理組合の会計等 |
| ③マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること |
| マンションの構造・設備、長期修繕計画、建物・設備の診断、大規模修繕等 |
| ④マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること |
| マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針等 |
管理業務主任者試験の想定出題内容
〜管理業務主任者試験受験申込案内書より〜
| ①管理事務の委託契約に関すること |
|---|
| 民法(「契約」及び契約の特別な類型としての「委託契約」を締結する観点から必要なもの)、マンション標準管理委託契約書等 |
| ②管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること |
| 簿記、財務諸表論等 |
| ③建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること |
| 建築物の構造及び概要、建築物に使用されている主な材料の概要、建築物の部位の名称等、建築設備の概要、建築物の維持保全に関する知識及びその関係法令(建築基準法、水道法等)、建築物等の劣化、修繕工事の内容及びその実施の手続に関する事項等 |
| ④マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること |
| マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンション管理適正化指針等 |
| ⑤①から④に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること |
| 建物の区分所有等に関する法律(管理規約、集会に関すること等管理事務の実施を行うにつき必要なもの)等 |
出題内容は広く定められていますが、実際の試験では分野ごとの出題数に偏りがあります。
そのため、過去の出題実績も確認しましょう。
科目別出題数の推移
| マンション管理士 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 本試験年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
| 法令系合計 | 32 | 32 | 33 | 32 | 32 |
| 民法・ その他法令 |
6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
| 区分所有法等 | 12 | 12 | 13 | 12 | 12 |
| 標準管理規約 | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 |
| マンション管理 適正化法 |
5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
| 管理実務・ 会計系合計 |
3 | 3 | 2 | 3 | 3 |
| 管理実務※1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 |
| 会計 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
| 建築・設備系合計 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 |
| 建築・設備 | 10 | 10 | 11 | 10 | 10 |
| 設備系法令※2 | 5 | 5 | 4 | 5 | 5 |
| 合計 | 50 | 50 | 50 | 50 | 50 |
| 管理業務主任者 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 本試験年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
| 法令系合計 | 25 | 26 | 26 | 24 | 26 |
| 民法・ その他法令 |
7 | 8 | 7 | 4 | 7 |
| 区分所有法等 | 6 | 7 | 7 | 6 | 5 |
| 標準管理規約 | 7 | 6 | 7 | 9 | 9 |
| マンション管理 適正化法 |
5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
| 管理実務・ 会計系合計 |
13 | 11 | 12 | 14 | 12 |
| 管理実務※1 | 10 | 8 | 9 | 10 | 8 |
| 会計 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 建築・設備系合計 | 12 | 13 | 12 | 12 | 12 |
| 建築・設備 | 9 | 9 | 10 | 7 | 10 |
| 設備系法令※2 | 3 | 4 | 2 | 5 | 2 |
| 合計 | 50 | 50 | 50 | 50 | 50 |
- ※1 委託契約書・滞納管理費対策を含む
- ※2 建築基準法・都市計画法等を含む
直近5年の出題数を見ると、マンション管理士試験では法令系が約3分の2を占め、特に区分所有法が多く出題されます。一方、管理業務主任者試験では、マンション管理士試験に比べると、管理実務・会計分野の出題数が多い傾向にあります。
マンション管理士と管理業務主任者は仕事内容や立場の違いがあるため、このように多くの出題範囲が重複しているものの、出題傾向に差があります。
それぞれの資格の立場の違い等を詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
マンション管理士試験・管理業務主任者試験に共通する攻略法
両試験に共通する基本方針は、「多くの受験生が知っている知識を確実に押さえること」に尽きるでしょう。
いずれも相対評価の試験であるため、他の受験生の多くが正解している問題を、確実に得点することが重要です。
法令分野は、両試験で重要な位置を占めます。実務系・設備系分野に比べて、対策を立てやすいこともあり、試験対策の中心となる分野です。
民法、区分所有法、標準管理規約、マンション管理適正化法などは、他の分野とも関連しやすい分野のため、横断的な知識が求められることもあります。また、単なる条文の暗記でなく、一定の解釈や判例知識など、理解を問う問題も出題されます。
管理実務・会計分野についても、基本的な問題、つまり得点しなければならない問題をしっかり得点することが鍵といえます。
建築・設備系分野は、多くの受験生が苦手としやすい分野です。
範囲が膨大なだけでなく、その深さ、つまり、「どこまでやればよいのか」ということの見極めが他の分野以上に困難です。特に設備系科目については、非常に細かい知識も出題されています。
ここでも、基本的知識を確実にインプットし、過去に出題された事項をきちんと理解したうえで、問題演習を通じて知識をブラッシュアップしましょう。
マンション管理士試験のポイント
マンション管理士試験は、管理組合の相談に応じ、助言、指導、その他援助を行う専門家として必要な知識・理解が問われます。
特に区分所有法や民法については、条文レベルの単純知識問題のほかに、さらに一定の解釈や判例知識が必要な問題、他の法令との複合問題、事例問題等、深い理解と現場思考力が要求される問題が中心を占めています。こうした問題に対応するためには、日頃から具体的なイメージを伴った学習を心がけ、また問題を解く中で、自己の知識を「実戦力を伴った理解」へと高めていく必要があります。
管理実務・会計における、標準管理委託契約書は、かつては出題がありましたが、近年はあまり出題がありません。時間を割くのは得策ではありませんが、条文についての正確な知識を身につけていれば得点できるため、条文等について理解をしておくことが望ましいです。
近年のマンション管理士試験は、高い合格点となる年もあります。そのため、これまで以上に得点しなければならない問題を確実に得点していく必要があります。 もっとも、多くの受験生が正解できない問題にいたずらに時間をかけすぎないことは重要です。
管理業務主任者試験のポイント
管理業務主任者試験はマンション管理業者側の立場で必要となる知識が問われるため、標準管理委託契約書など、マンション管理の実務で使う知識に関する問題が多く出題されます。
法令分野は、近年は各種法令を1つの問いの中で複合的に問う複合形式の出題が増えていることが特徴です。
また、個数問題や組合せ問題、穴埋め問題など、単純な四肢選択式以外の出題も年度によっては多く出題されています。ただ、こういった形式の出題の問題も決していたずらに細かい知識を問うものではなく、基本的な知識の範囲又は常識的な判断で正解できる問題が出題されています。そのため、基本的知識の正確な理解と暗記が合格のポイントとなっています。
管理実務・会計分野は、若干難化してきているとはいえ、基本的な問題も多く存在しており、しっかりと学習すれば、こうした問題は得点することができます。応用的な問題も含まれますが、このような問題まで得点できれば、合格が近づきます。
会計分野では、例年、「仕訳」に関する問題が2問程度出題されていますが、これについても、捨て問にするのではなく、得点できるところは得点しなければなりません。会計に苦手意識を持っている方でも、簿記のイロハを理解すれば十分で、少しの知識でも、効率よく得点することは可能です。
このように、マンション管理士試験と管理業務主任者試験は、共通する点が多い一方で、重視する視点が異なります。
両試験を併願する場合は、出題範囲を体系的に整理しながら、メリハリのあるインプットを行いましょう。
「出る順 マンション管理士・管理業務主任者 合格テキスト」や「出る順 管理業務主任者 速習テキスト」は、豊富な図表とわかりやすい文章で内容を理解しやすいテキストとなっています。また、章ごとに出題実績が掲載されているうえ、各ページも過去問の出題実績が掲載されているため、メリハリのあるインプットが可能です。改正にも対応しているため、改正点の学習にも利用できます。
つぎに、過去問学習のポイントについて解説します。
過去問学習のポイント
過去問で学習する際のポイントは「出題頻度」及び「重要度」、「正解率」、「肢別解答率」です。
「出題頻度」は、通常は掲載数が多い問題が、出題頻度が高い論点となります。ただし、時間が限られるなどの理由で演習量を調整する場合、各問題の「重要度」を確認しましょう。重要な問題に絞って学習することで、頻出論点を効率的に押さえることが可能になります。
「正解率」も確認しましょう。相対試験において他の受験生が正解できた問題は、落とせない問題です。一般的に正解率が高い問題は、合格するために必要な知識の基準となります。
「肢別解答率」は注意が必要です。問題の「正解率」とは別に、肢ごとに見ると、多くの受験生が迷った肢、そうでない肢が分かれることがあります。
例えば、以下の問題の「肢別解答率」を見てください。
(出る順マンション管理士分野別過去問題集解説ページより)
本問は「正解率」が低い問題のため、全体としては難易度が高い問題です。ただ、肢別に見ると、肢1と肢3は解答率が高い一方、肢2と肢4は解答率が低いことがわかります。つまり、肢別に見ると、肢2と肢4は多くの受験生が誤答と判断できました。
もし、学習中に肢1と肢3を選択したのであれば、他の受験生とそれほど大きな差はありません。しかし、肢2や肢4を選択してしまった場合、対策が必要でしょう。
このように、過去問を解くときは、問題全体の「出題頻度」及び「重要度」、「正解率」に加えて、間違えた肢は「肢別解答率」を確認して、落としてはいけない肢か確認しましょう。
「出る順マンション管理士 分野別過去問題集」「出る順 管理業務主任者 分野別過去問題集」は、LEC独自の解答オンラインリサーチに基づき、問題ごとの「重要度」「正解率」に加えて、「肢別解答率」も掲載しています。さらに、3分冊セパレート式で持ち運びやすく、スマホで学習できるアプリも利用できるため、繰り返しアウトプットしやすくなっています。
また、法改正に対応して、過去の問題についても改題しています。
マンション管理士・管理業務主任者を目指すならLECの講座で
マンション管理士・管理業務主任者は、難関資格であり、実際に「多くの受験生が知っている知識を確実に押さえること」を実行するのは、非常に大変です。
LECのコースを利用して学習頂ければ、試験に必要な知識の理解、定着、演習、仕上げの工程が全て含まれていますので、万全を期して試験に挑んでいただけます。



