文字サイズ:
司法書士の業務と未来

司法書士資格は、年齢・性別に関係なく活躍ができ、業務の幅も、登記の他にも簡易裁判所の訴訟代理権や高齢化社会でニーズの高い成年後見業務などますます活躍の場が広がっております。市民に最も身近な法律家として、大いに活躍することができます。まさに、やりがいのある将来性豊かな資格が司法書士です。

プロフェッションの世界 - 士業の新たなる可能性を探る!

登記業務 〜仕事の8割を占める王道メイン道業務!〜

柏戸茂先生 前東京司法書士会会長

  • 不動産登記
  • 商業登記・会社設立

柏戸茂先生

司法書士の仕事の8割強を占める業務

不動産は一般に高額財産であり、特に不動産をめぐる権利関係は、円滑な取引やその安全性を図る目的から、所有者は誰か、担保になっていないか等、それらの情報公開が必要です。
土地や建物の所在・面積の他、所有者の住所・氏名等を公の登記記録というものに記録し、一般公開する法制度が「登記」です。
登記しておかなければ、不動産に関して権利を取得した者(例えば土地の買主)は、折角買った土地を失うケースもあり、不動産取引ではその場で司法書士に登記を依頼するのが通常ですし、融資を行う金融機関や仲介業者等も、法律上問題のない確実な取引をする為に司法書士の関与を求めてきます。
商業登記の必要性も取引安全の為です。目に見えない会社と多額・継続的取引をする場合、通常はその会社(所在・役員構成・資本金の額・事業内容等)を調査します。会社と称する者と取引をしたが、実際その会社が不存在では不測の損害を被ることになるので、商業登記においては法律上定められた事項についての登記が義務付けられています。

登記のプロとして関与の需要が高い

登記申請代理人として登記業務を行う司法書士は、自ら何かを動かすことはなく、景気等の経済の流れ・世の動きには勝てないのです。不動産登記は景気によって左右されるのは仕方がなく、現在、登記件数は景気の回復等とともに増加傾向にあります。
司法書士の関与率が9割を超えていることから見ても、不動産取引のあるところに需要はあるでしょう。
商業登記では、会社は毎年決算期がやってきますので、その時点の状態に応じて役員変更や増資・減資等の登記が発生します。
改正が相次ぎ、経営者はついてこられないというのが現状です。また、コンプライアンスの重要性が高まり、定款一つ変更するにも司法書士への需要は高まっています。

これからの登記業務

不動産の資産価値は失われていませんので、登記の依頼がなくなるということはありませんし、市民の方々も登記への意識が高まってきているのを感じています。
権利保全が重視される時代へと変容しているのです。不動産取引では結果である登記の申請依頼のみに限らず、その前提段階の登記原因となる実体関係への関与、つまり契約当初からの総合的な法的支援です。
商業登記も、登記の申請依頼のみに限らず、前提段階である各種手続についてクライアントが「何をしたいのか」きちんと把握した上で意思疎通を図り、それを実現・登記に表現することが職務です。経営者は会社の維持・発展の為に尽力されますので、その法的支援・予防司法へのコンサルティングまで拡げていくべきです。

リストへ

裁判業務 〜市民に最も身近な法律家として〜

小澤吉徳先生 日本司法書士会連合会常任理事

  • 簡裁訴訟代理業務
  • 法律相談
  • 裁判事務

小澤吉徳先生

法改正で簡易裁判所での訴訟代理業務が可能に!

平成14年の法改正(平成15年4月施行)により、司法書士の従来からの業務である裁判所提出書類作成業務に加え、簡易裁判所の訴訟代理権が与えられ、司法書士も簡易裁判所では、弁護士同様に代理人として弁論したり、当事者の代理人として裁判外の和解交渉ができるようになりました。
「貸したお金を返してもらいたい。」「売買代金を払ってもらいたい。」「敷金を返してもらいたい。」という金銭の支払いを請求する訴訟はもとより、アパートの住人との賃貸借契約を解除してアパートから出て行って欲しいという場合には、契約の解除及び建物の明渡しの請求。他にも雇用関係のトラブル、比較的軽微な交通事故等の損害賠償請求訴訟など、挙げるとキリがありません。
数多くの問題を抱える現代においては、法律トラブルに巻き込まれる可能性は誰にでもあります。しかし、いざそうなったときに、法律知識がなかったり、地域に弁護士がいない(いても、問題となっている額が少額だからといって依頼を臆してしまう)などの理由で、泣き寝入りせざるを得ない人々が大勢います。
このような方々を救うため、司法書士は、従来より、裁判所への提出書類作成を通じて、本人訴訟を支援してきました。
現在は、本人訴訟支援に加え、代理人としてトラブル解決を図ることも可能になり、市民に最も身近な法律家として、活躍の場が広がっています。

多重債務問題の解決へ

平成14年の法改正により、法廷での訴訟活動以外にもさまざまな分野で活躍することができるようになりました。
そのひとつが社会問題化したクレサラ問題。これは、クレジットや消費者金融(いわゆるサラ金)等からの過剰な借り入れにより多重債務に陥り困っている方に対し、人生の再スタートのサポートを行うものです。
「任意整理」「自己破産」「特定調停」「個人再生」などの法的債務整理手段から、その方にあったメニューを選択し、手続きを行います。取り立てに対しては、認定司法書士が金融業者に対して介入通知を出せば、債務者には直接請求できなくなります。

今後の裁判業務は?

弁護士もこの分野の業務はできますが、どちらの士業に依頼するかは市民が選ぶことになります。市民に最も身近な法律家として、司法書士が市民に選ばれるためには、敷居の低さだけではない、リーガルサービスの質も重要になります。
多重債務の問題以外にも、悪徳商法や訪問販売などの消費者問題、サービス残業代や未払い賃金の請求、敷金返還などの不動産賃貸借に関するトラブルといった身近な法律問題で困っている人々が多数います。市民に最も身近な法律家として、より一層幅広い取り組みが期待されます。

リストへ

成年後見業務 〜超高齢社会でますます需要が拡大〜

大貫正男先生 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート相談役/
日本成年後見法学会副理事長

  • 成年後見業務

大貫正男先生

成年後見業務とは

少子高齢社会といわれる現代においては、認知症や知的障害、精神障害などの理由で、自ら不動産や預貯金などの財産管理ができなくなってしまう方が増えているという現実があります。
またこのような場合、財産管理だけでなく、介護サービスや施設の入所契約の締結、遺産分割協議など自ら行うのが難しい場合もあるでしょう。もしくは判断能力の低下により、住宅リフォーム詐欺にみられるような悪徳商法により、自己に不利益な契約を結んでしまうケースもみられます。
こういった判断能力の不十分な方を保護する制度として、2000年4月に「成年後見制度」がスタートしました。介護が必要であれば介護サービス契約の締結や施設への入所契約、そのための資金として所有不動産の売却等が必要であればそれらの売買契約、不当な契約の取消し、要介護認定の申請行為など、本人に代わって財産管理のみならず身上監護に関する様々な法律事務を行うのが成年後見業務です。

第三者成年後見人としてリード!

成年後見人は、親族より第三者が選任される割合が多く、司法書士をはじめとする専門職が選任されるケースが増加しており、そのうち、担い手として司法書士が一番関与している士業になっています。
司法書士は高齢者・障害者の権利擁護を目的として、リーガルサポートを設立し、後見人としての倫理や法律・医療・福祉等幅広い後見に関する知識・技能を身につける為の研修、後見業務の指導・監督、成年後見制度の調査・研究、普及活動を行い、助成制度もでき、環境をバックアップしています。
いろいろな苦労もありますが、社会から期待されている魅力ある業務です。

成年後見業務から更にフィールドは拡大!

成年後見は、判断能力が低下した方への財産管理支援になりますが、判断能力のある方々には適用できないのが実状です。しかし、判断能力のある方でも、例えば浪費者や身体障害をお持ちの方等、何らかの事情で財産管理が必要な方が大勢いらっしゃいます。
そこで登場するのが、「民事信託」という財産管理制度です。
法改正も必要ですが、そのような場合に信託という制度を活用することで、司法書士が側面から支援できるフィールドがあると考えています。
成年後見業務は司法書士に進化をもたらし、施設・病院・役所との交流も深まり、家族・地域のアクセスも強化されました。遺言執行者や相続財産管理人の依頼増加もあり、家事事件への取組みも期待されます。

リストへ

組織内司法書士 〜未開のターゲットを狙え!〜

早川将和先生 日本組織内司法書士協会幹事/司法書士/リスクモンスター株式会社 人事総務部 部長代理/与信管理士

  • 企業法務
  • 組織内司法書士

早川将和先生

組織内司法書士と活躍できるフィールドとは?

「組織内司法書士」とは、組織に所属する司法書士を指す言葉ですが、現行の制度上はまだこのような司法書士は認められていません。私のような司法書士は、あくまで兼業の一つと整理されています。私たちは、弁護士や会計士と同様に、組織内司法書士を制度として認める活動をしている任意団体です。
私のような司法書士資格者が組織内で活躍するフィールドは、やはり法務関連の職種になると思います。とはいえ、企業法務では、登記は業務のほんの一部に過ぎず、受験勉強では学べない分野のことに挑戦しなければなりません。しかし、協会のメンバーの話を聞いてみると、はじめての分野の法律でも読みこなすのにさほど苦労することはないようです。
それは、試験で基本法を徹底的に勉強してきたことで、法律の読み方を体感的に知っていることが大きいのだと思います。司法書士はそういう点で大きなアドバンテージがあると思っています。

組織内司法書士の優位制

企業等に所属してサラリーマンとなるなら、最初から司法書士資格を取る必要はない、と思われる方もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。たとえば私の場合、司法書士会の会務や登記六法の編集委員をさせていただいていますが、そのほかに、司法書士として書籍や雑誌への執筆を行っています。このような活動により、会社としてではなく、個人として社会に発信していくことができるというのは、私は司法書士という資格の持つ力だと思っています。
企業等に所属している方々にとって、司法書士の資格は、自分の持つ力を大きくする梃であり、所属企業から転職等の形で外に出る場合には、難関国家資格ホルダーの法務職として、どこにでも通用するスキルを証明するものにもなります。
司法書士は、企業の中にいても外でも十分に活用できる素晴らしい資格だと思います。

組織内司法書士の今後

すでに内部に司法書士資格者を有する企業等は、一定数存在していますが、残念ながら司法書士会はこのことを把握できていません。経営法友会の調査においても、調査に回答したたった1,000社の中でも56名の司法書士有資格者が存在することがわかっています。日本組織内司法書士協会においても、現在46名の司法書士有資格者が企業等に所属していますが、これらの方のほとんどが法務関連職であり、半数以上は管理職であることからも、司法書士有資格者が法務のプロフェッションとして一定の評価を受けていることがわかります。
これらの有資格者の方々が現在第一線で活躍している状況を司法書士会がきちんと把握して発信し、社会的な認知が広がっていけば、組織内での司法書士有資格者の活用に企業側ももっと目を向けていきますし、司法書士業界自体の底上げにつながっていくと思っています。

リストへ

まだある司法書士の仕事

財産管理

財産管理

相続が発生した場合、亡くなられた方の名義になっている預貯金や株式などの有価証券を相続人が解約したり、名義を書き換える必要があります。しかしそれらの手続きは、煩雑でとても手間がかかります。

◆またはアパート経営をしている方が、自分では多様な財産を管理できないので専門家に手伝ってもらいたい場合など、相続財産や債権整理、不動産などの多様な財産管理・処分をするためのサポートを行います。

◆法令により、こうした管理業務を行うことができるのは、弁護士と司法書士のみです。

相続業務

相続業務

少子高齢化時代を向かえ相続に関わる業務が今後増加することが推定されます。

◆相続が発生した場合に、さまざまな手続きが必要になります。死亡届や遺族年金、公共料金や銀行、カードの解約、名義変更の手続き、不動産があれば名義変更など、多種多様な手続きが発生します。これらすべてを相続人が行うには負担が多く、専門知識が必要になる場合も少なくありません。

◆税理士や行政書士、社会保険労務士や弁護士とともに司法書士も関わり相続人のサポートをしています。

企業法務

企業法務

会社は事業を行うために取引先と売買契約を締結したり、賃貸借契約を行ったりと法律に関わることが多く発生します。

◆そこで司法書士は法律を使いこうした取引のトラブルを事前に防ぐためにコンサルティング業務を行います。たとえば取引先と契約を締結する前に契約内容をチェックし、相談を受けた会社に不利益が生じないような内容に修正します。

◆法的知識を使い企業に助言したり、ときには書面の作成をしています。

供託

供託

供託とは、供託所といわれる公の機関に金銭などの財産を一旦預ける制度です。供託所に金銭などを預けることで、法律的に取引相手に支払ったのと同じ効果が生じます。

◆例えば、借りているアパートの大家さんが、何かの理由で家賃を受け取ってもらえない場合、供託所に家賃を預けることで、法的には大家さんに家賃を支払ったと同じ効果があり、家賃の未納の状態を回避することができます。

◆供託所に金銭などを預ける書類は、手続きが複雑なため、多くは司法書士に依頼されます。

渉外業務

渉外業務

渉外業務とは、日本における法律問題について、外国人・外国企業との関連においてその法律問題を処理することです。その過程で外国法の知識を必要とします。

◆経済取引の国際化が進み、多くの外国人、外国企業が日本に進出、また日本人が海外で活躍する場も増えている現在、法律事務も国際化し、渉外業務も増加しています。

◆そこでこうした海外企業や、海外に進出する企業に対するさまざまな法的助言を行う、渉外司法書士事務所があり、案件も増加しています。

リストへ

ページTOPへ

資料請求・無料体験のお申込お問合せはお気軽にどうぞ

  • 資料請求
  • オンラインから受講お申込
  • 資格説明会
  • 無料体験
  • 無料試聴
  • お問合せよくある質問