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司法書士の歴史

司法書士は、市民が法律的な相談をする際の身近な相手であることから「街の法律家」と呼ばれています。同じく深い法律知識を活かして活躍している専門職に、弁護士(法曹と呼ぶ)があります。ともに、市民の権利を守る法律専門職ですが、弁護士が現実として起こった訴訟・問題を解決することを主な業務とするのに対し、司法書士は、登記を通じて紛争を予防し、また、実際に起こった問題については、裁判所への提出書類作成を通じて、本人とともに二人三脚で解決することを主な業務としてきました。身近な法律問題である相続・不動産売買・不動産賃貸借・金銭消費貸借などは、すべて司法書士の業務に深く関係しています。これらの法律上の相談を受け、さらに登記などの法律上の手続を代理するのが司法書士の役割なのです。

司法書士の業務は、ここ約10年で大きく様変わりしました。従来、司法書士の業務は登記業務を主として、裁判所への提出書類作成などの業務が中心でしたが、現在では判断能力の低下した高齢者や障害者の権利を守る成年後見業務、簡易裁判所における裁判業務、企業法務など、業務の幅が大きく広がり、市民に最も身近な法律家としてますます活躍が期待されています。

では、どのようにして現在の法律家たる司法書士へと進化発展してきたのでしょうか。まずは、その歩みを見てみましょう。

プロフェッションの世界

1.司法書士が誕生したのは明治5年8月3日

日本が鎖国を解いて近代国家として出発する黎明期、不平等条約の改正を急ぐ明治政府にとって、近代的な司法制度を構築することが至上命題でありました。初代司法卿となった江藤新平は、フランスの制度にならって近代的な日本の司法制度をつくり上げました。明治5年8月3日に布告された太政官無号達「司法職務定制」(裁判所構成法)によって近代日本の司法制度がスタートしたのです。その「司法職務定制」の中の「代書人職制」により司法書士制度が誕生したのです。
現在に至るまで140年近い歴史を持つ職業でありますが、呼び名や仕事の内容は社会の状況や市民の要求に合わせて変化してきているのです。

2.明治5年に誕生したときの名称は「代書人」

同時に「代言人」(後の弁護士)、「証書人」(後の公証人)も誕生しました。実は、弁護士・公証人とは、一緒に生まれた兄弟のような関係だったのです。このときの「代書人」の業務は、裁判所に提出する訴状の作成が主な仕事でした。
その後、明治9年2月22日に「代言人規則」が公布されます。この法律は、後の「弁護士法」(明治26年制定)へとつながり、「代言人」が弁護士としての地位を確立することになるのです。

※なぜかこのとき、「代書人規則」は制定されませんでした。そのため、司法書士としての地位確立はだいぶ遅れることになるのです。

3.登記法の制定

大日本帝国憲法の制定(明治22年)、民法典の制定(明治23年)より先んじて、明治19年8月13日、司法書士に関係の深い法律が制定されました。それは、法律第1号「登記法」(明治20年2月1日施行)です。明治政府にとって収税目的からも重要な法律であり、いち早く公布されました。これにより、不動産登記制度が創設され、現在の司法書士のメイン業務である登記業務に至ります。しかし、法律ができた当時は、法律上登記の担い手が不明確でした。当時の代書人は、裁判所に提出する訴状の作成が主な仕事であったため、裁判所周辺に多数居を構えていたこと、また、登記事務が治安裁判所で扱われることになっていたことから、代書人が登記申請書の代書及び申請手続の代理を行うことになったのです(のちの司法代書人へ)。
この時期、代書人として、もう一種類存在していました。それは、市町村役場、警察署等に提出する書類の作成者を行う代書人です(いわゆる行政代書人・のちの行政書士へ)。

4.「代書人」から「司法代書人」へ

明治末ごろからの「司法代書人法」制定を目指す国会への働きかけにより、大正8年4月9日に「司法代書人法」が公布されます(同年9月15日施行)。ここで「代書人」から「司法代書人」へ名称が変更され、「単一の職業法として成文化」されることになったのです。しかしながら、職務内容には変更は無く、“書類の作成”が職務とされていました。職務内容には変化はありませんでしたが、“司法”と冠することにより、実よりも名をとったといわれています。

参考)司法書士法
第1条「他人の嘱託を受け裁判所および検事局に提出すべき書類の作製を為すを業とするものを謂う」

5.日本司法代書人連合会の結成(「司法代書人」から「司法書士」へ)

昭和2年に日本司法代書人連合会が結成されました。連合会は、「非訟事件申請代理」「考試制度」「名称変更」などを法改正の目標に活動しましたが、様々な反対に会い、昭和10年4月2日公布の「司法書士法」では、結果としては「名称変更」しか実現しませんでした。
「司法代書人」から現在の名称である「司法書士」へと変更されることになります。職務内容は変更無く、もっぱら“書類の作成”のままとなりました。

参考)司法書士法
第1条「他人の嘱託を受け裁判所および検事局に提出すべき書類の作製を為すを業とするものを謂う」

6.戦後の司法書士

戦争が終結し、昭和21年11月3日日本国憲法が公布(昭和22年5月3日施行)され、日本が敗戦から徐々に立ち直りを見せる中、昭和25年に司法書士法が全面改正されることになります。
改正された内容としては、現代語化、法務局長の監督廃止、司法書士会および連合会の法制化などがありますが、結果的には、現憲法の施行とともに形式的に改正されたものの、本質的には大きな変更は無く、職務内容も“書類の作成”のままとなりました。
戦後の混乱期の中のことであり、GHQ・政府・日本弁護士会などとの調整はかなり厳しかったのではないかと思われます。

参考)改正司法書士法
第1条「他人の嘱託を受けて、その者が裁判所、検事庁又は法務局及若しくは地方法務局に提出する書類を代って作成することを業とする」
2  「前項の書類であっても他の法律において制限されているものについては、その業務を行うことができない」

7.日本司法書士会連合会の設立

その後、司法書士連合会の運動により、昭和31年に司法書士法が一部改正されます。選考試験制度による資格認定(「選考認可制度」)の導入や全国組織である日本司法書士会連合会を設立することが定められました。これまでの司法書士は、法務局登記官・裁判所書記官・検察事務官などが中心でしたが、試験による資格認定制度がスタートし、試験合格者による「司法書士」が中心へと変わっていくことになります。

8.法律家としての地位確立へ

昭和53年の司法書士法改正(昭和54年1月1日施行)により、法律の目的規定、司法書士の職責規定が新設され、司法書士の法律家としての地位が確立します。「国民の権利の保全に寄与」し、「業務に関する法令及び実務に精通」して業務を行う職務と明確になったのです。 また、国家試験が導入され、資格制度も現在のものへと整えられました。

参考)改正司法書士法

第1条 この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保全に寄与することを目的とする。
第1条の2 司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
第2条

他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。

  • (1)登記又は供託に関する手続について代理すること。
  • (2)裁判所、検察庁又は法務局若しくは地方法務局に提出する書類を作成すること。
  • (3)法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。
2 前項に規定する業務であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、これを行うことができない」

9.歴史的な平成14年司法書士法改正

法曹人口不足による裁判の長期化問題、地方における弁護士不在地域の問題などから、国民の権利擁護に不十分な状況を改善し、より多くの国民が利用しやすい法律サービスの提供を行うため、司法制度改革審議会で様々な検討がなされました。

平成13年の司法制度改革審議会意見書では、「国民の権利擁護に不十分な現状を直ちに解消する必要性にかんがみ、利用者の視点から、当面の法的需要を充足させるための措置を講じる必要がある」とし、「訴訟手続において、隣接法律専門職種などの有する専門性を活用する見地から、司法書士への簡易裁判所での訴訟代理権については、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与すべきである。また、簡易裁判所の事物管轄を基準として、調停・即決和解事件の代理権についても、同様に付与すべきである」とされました。
司法制度改革審議会の最終意見を踏まえ、平成14年に司法書士法が改正されました(平成14年5月7日公布/平成15年4月1日施行)。

主な改正点
所定の研修を受け、法務大臣の認定を受ければ、簡易裁判所における訴訟代理人になれること
所定の研修を受け、法務大臣の認定を受ければ、一定の金額以内の民事紛争について相談に応じ、または裁判外の和解代理人になれること
司法書士法人の設立を可能にしたこと
裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成事務において法律相談に応じる権限を明記したこと
業務範囲を超える行為の禁止規定の削除したこと
試験科目に「憲法」を追加したこと
目的中の「国民の権利の保全」を「国民の権利の保護」に改めたこと

司法職務制定(明治5年)により「代書人」として誕生して以来、司法書士は、不動産登記・商業登記、供託の手続代理、裁判書類の作成およびこれらにかかわる法律相談業務を行う専門家として、重要な役割を果たしてきました。
今回の司法書士法改正は、弁護士不足による国民の権利擁護に不十分な状況を改善し、より多くの国民が利用しやすい法律サービスの提供を行うため、司法サービスの規制緩和(弁護士の法律業務独占を緩和する)の一環で行われました。全国遍く存在し、従前より裁判書類作成を通じて法的なアドバイス・支援を行ってきた実績が認められ、司法書士にさまざまな権限が付与されることになったのです。司法書士制度誕生から130年という永き時を超えて、晴れて成文法上実務法律家として認められたのです。
これまで、訴訟代理権は、弁護士にしか認められていませんでしたが、司法書士にも簡裁訴訟代理等関係業務(司法書士法3条1項6号・7号)が認められたのです。簡裁訴訟代理等関係業務とは、訴訟額が140万円を超えない民事上の紛争について、「簡易裁判所における民事訴訟、訴え提起前の和解、支払催告、証拠保全、民事保全および民事調停の手続について代理すること」と定義されます。簡易裁判所では、日常生活で頻繁に起こる争いごとが取り扱われています。従来司法書士は、これらの紛争について本人訴訟のサポート、すなわち当事者にアドバイスを与えるなど、間接的な関与しかできませんでした。しかし、この改正により、当事者の法的利益を代理する立場に立って、積極的に問題の解決に当たることができるようになったのです。
国民にとって身近な法律専門職である司法書士が訴訟代理権を持つことにより、国民が紛争解決手段として訴訟を利用しやすくなり、弁護士が不足しているような地域においても泣き寝入りすることなく、法律サービスを受けやすくなったのです。司法書士は、市民に最も身近な法律家として、ますます活躍が期待されています。

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