宅建士の5問免除とは何か、免除される5問の出題範囲と学習ポイントを解説。登録講習を受けられない受験者向けに、効率的な対策も紹介します。
1.宅建試験の「5問免除」とは??
宅建試験の「5問免除」は、宅地建物取引業に従事しており、所定の登録講習を修了した方が対象です。登録講習を修了すると、修了試験に合格した日から3年以内に実施される宅建試験で、一定の範囲の5問が免除されます。
一方、宅建業に従事していない方は登録講習を受講できないため、この5問も自分で解答する必要があります。5問免除を利用できる方は、受講申込から修了まで一定の期間が必要になるため、受験する年度が決まったら、早めに受講条件や日程を確認しておきましょう。
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2.宅建試験の「5問免除」の対象範囲と出題内訳
宅建試験の「登録講習修了者」は、以下の範囲から出題される5問が免除されます。
【免除対象の範囲と出題内訳】
1.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること(3問)
・問46:住宅金融支援機構法
・問47:不当景品類及び不当表示防止法
・問48:不動産の需給・統計
2.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること(2問)
・問49:土地
・問50:建物
例年、このように固定されたテーマで計5問が出題されています。
ここからは、免除対象以外の人へそれぞれの科目における学習のポイントについて解説していきます。
3. 住宅金融支援機構法の学習ポイント
「住宅金融支援機構法」の分野から、毎年1問の出題があります。
住宅金融支援機構法の主要業務は、証券化支援業務となっています。この証券化支援業務は、「貸付金債権の譲受け」や「債権の証券化」といった難解かつ高度に専門的な知識を元にした業務であり、深入りすべきではありません。
時間をかけすぎないように、基本的な枠組みを押さえることを心がけましょう。
4.不当景品類及び不当表示防止法の学習ポイント
「不当景品類及び不当表示防止法」の分野は、毎年1問出題されています。
この不当景品類及び不当表示防止法の規定を受けて、景品規約と表示規約が定められています。
本試験では、大部分の問題がこの規約から出題されています。
宅建試験では、表示規約の広告内容の規制に関する出題が圧倒的に多いので、出題内容としては多くは常識でも判断できるものです。そのため、多くの問題を解いたうえで、常識では判断できなかった知識を補っておけば得点が容易な分野です。
景品規約では景品類の提供について、表示規約では広告内容について具体的な規制がかけられています。景品規約については、提供が許される場合について押さえておきましょう。
5.不動産の需要・統計の学習ポイント
不動産に関する統計問題は、近年毎年出題されています。不動産に関する統計には、非常に多種多様なものがありますが、本試験で出題されているのは、主に次の統計資料からです。
① 地価公示(国土交通省)
② 住宅着工統計(国土交通省)
③ 住宅・土地統計調査(総務省)
④ 法人企業統計(財務省)
⑤ 国土交通白書(国土交通省)
⑥ 土地白書(国土交通省)
これらで発表されている統計資料から、不動産の動向を確認する必要があります。
なお、統計の問題は、その年の最新の統計資料を入手して準備しておく必要があります。
宅建試験当日には、資格スクールなど各社が統計資料をまとめたチラシを配布していることがあります。試験会場周辺などで配布されている場合には、試験直前の最終確認に活用することもできます。
LECでは、宅建試験に役立つ最新情報を発信しています。最新の出題関連情報を網羅した「統計対策」は、試験直前の最終チェックに最適です。ぜひご活用ください。
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6.土地の学習ポイント
「土地」の分野は、毎年1問出題されています。
出題内容としては、宅地としての適否と造成工事に関する理解を問うものが中心です。
まず、宅地としての適否については、どのような土地が災害に強く、またどのような土地が災害に弱いのかという点について理解しておく必要があります。つまり、地盤が安定している土地であれば一般的に災害による被害を受けにくいですが、地盤が軟弱であったり、低湿であれば地震や洪水による被害を受けやすいことになります。
次に、造成工事に関しては、安全な宅地として利用できるようにするためにはどのような点に注意して造成工事を行う必要があるかという点に注意する必要があります。
「土地」の問題では、専門用語を使った問題文の表現がされるものの、内容としては、よく読むと常識的に判断できる問題が多く出題されています。そのため、「土地」については、基本的な知識を整理して押さえておきましょう。
7.建物の学習ポイント
「建物」の分野は、毎年1問出題があります。
建築物の構造には、主に木造、組積造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造があります。このうち、宅建試験では、木造建築物の構造、鉄筋コンクリート造建築物の構造に関する理解を問う問題が多く出題されています。
近年の本試験では、常識的なことで判断できる問題が出題されることもありますが、一方で細かな知識がないと得点しにくい問題も多く出題されています。そのうえ、出題範囲が広いため、確実に得点するのは、建築の勉強の経験がある人を除いて、なかなか困難です。
そこで、建物の分野を勉強するにあたっては、建築物の構造に関する用語などの基本的な内容について一通り押さえておきましょう。
8.宅建本試験データから見る、5問免除分野の正解率比較
5問免除の分野は、毎年出題テーマがある程度決まっているため、学習の進め方を考えやすい分野です。ただし、科目によっては合格者でも対策が手薄になりやすく、本試験では難しい問題と基本的な問題の差が大きいことがあります。そこで、宅建本試験の正解率データを参考に、各分野の特徴を確認してみましょう。どの科目に時間をかけるべきか、どの科目は要点を絞るべきかを考えるヒントになります。
図:宅建本試験の正答率データから見る、5問免除分野の正解率比較
表:宅建本試験の正答率データから見る、5問免除分野の正解率比較
| 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
|---|---|---|---|
| 問46 | 88.6% | 93.8% | 83.1% |
| 問47 | 74.3% | 94.0% | 95.8% |
| 問48 | 36.5% | 87.9% | 95.8% |
| 問49 | 92.7% | 98.3% | 92.6% |
| 問50 | 78.6% | 85.2% | 74.0% |
※出典:LEC宅建本試験無料成績診断
正解率の高い分野であっても、出題のされ方によって得点しやすさは変わります。
そのため、過去問で繰り返し問われている項目を中心に、重要ポイントを整理することが大切です。
9.よくある質問
Q. 5問免除の対象となるのはどのような人ですか?
宅地建物取引業に従事しており、所定の登録講習を修了した方が対象です。
宅建業に従事していない方は登録講習を受講できません。
Q. 5問免除を利用すると、何問解答することになりますか?
通常の宅建試験は50問ですが、登録講習修了者は5問が免除され、45問を解答します。
なお、登録講習修了者の試験時間は1時間50分です。
Q. 5問免除を利用しない場合、この5問は捨ててもよいですか?
5問免除を利用しない場合、この5問も本試験で解答する必要があります。
ただし、出題テーマは比較的絞りやすいため、頻出テーマを中心に対策すれば得点源にすることができます。「5問免除がないから不利」と考えるのではなく、短時間で得点を上積みできる分野として活用していきましょう。
まとめ
宅建士の5問免除は、対象者にとっては受験負担を軽減できる制度ですが、非対象者にとっては自力で対策が必要な分野です。
この分野は、難しい問題と基本問題の差が激しく、合格者でも手薄になりやすいため、過去の本試験で出題された内容を中心に整理するのが効果的です。
限られた時間で効率よく学習したい方は、重要項目を絞って対策しましょう。
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監修者・編集者 プロフィール
- 監修者:林 秀行 LEC専任講師
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1986年より不動産業界に身を置き、売買・賃貸仲介、不動産コンサルティングなど24年以上にわたり不動産取引の実務経験を蓄積。その豊富な実務経験を活かし、2004年よりLECの宅建士講座の講師に就任。講師業の傍らで行政書士やマンション管理士、不動産コンサルティング技能登録など多数の難関国家資格を取得。
20年以上の講師キャリアに裏打ちされた高い指導力と、今なお不動産コンサルティング業を経営する現役実務家としての深い知見を併せ持つのが強み。難解な法律条文を具体的なビジネス・生活の事例に置き換えた、イメージしやすい図解講義は受講生から支持を得ている。・主な担当講座
LECにおける不動産・法律系資格のベテラン実務派講師として、宅建士の主要講座(再チャレンジ合格フルコース)を担当するほか、宅建試験合格者向けの登録実務講習や5点免除の登録講習、大手賃貸仲介会社をはじめとする各種企業内宅建研修も幅広く手掛ける。また、直前対策として毎年多くの受験生を逆転合格へと導き、講師オリジナル企画「18時間で総まとめ・ブラッシュアップ講座/試験直前・ベスト30チェックアップ講座」も開講している。
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