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雇用

高度な専門能力


今後、経済がさらにグローバル化し、企業間の競争が激しさを増していけば、高度な専門能力をもつ人の重要性はいっそう高まる。弁護士などの資格を持つ人、国際法務に長けた人、研究開発のスキルを持つといった人材はその重要性をいっそう増していく。そのような人たちは“取引能力”があり、自らの専門能力によってわたり歩いていくことができる。高度専門能力活用型のうち、真に高度な専門能力をもつ人はむしろ活躍の場が増えるだろう。
 また企業の選別の過程で、高度専門能力活用型と位置づけられた人も、退職することになったとき、十分な専門的スキルを形成していれば、
自ら事業をおこすことも可能だ。 あるいは会社に所属している間に社会保険労務士や中小企業診断士といった資格を取得しておき、自ら事務所を立ちあげ、自立していくというポジティブな方法をとることもできる。いずれにしろ、そのためには高い能力が必要となる。民間を含め、能力開発の教育機関の拡充が求められる。
 これからの企業の従業員は能力形成のための自己研鑽が不可欠となる。その能力が形成しきれないと、リストラ予備軍と位置づけられた場合、退職した後、事実上、年収を下げながら転職していかざるをえないことになる。


 さらに大きな問題がある。それは、転職もかなわず、失業した場合だ。現在、失業期間が1年間を超える人々も多い。彼らが長期の失業により自尊心を傷つけられることなく、職を見つけだせることが必要だ。これは雇用創造の問題だが、それは後で述べるとして、能力形成との関係でいくと、能力開発機関の充実とともに、社会的にそれをサポートしていく体制をつくっていくことが重要だ。
例えば、社会的インターンシップのようなものだ。企業や自治体などが試用期間を設け、その間その適用者が能力を形成し、彼らに本採用への道を開く。その期間、失業期間を延長し、失業手当を給付する。これと同じ仕組みを失業者がボランティアを行う場合にも適用させる。それにより能力を形成し、働く意味を考える機会を与えるのだ。特に、これは若い人たちに必要な対策であろう。


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