【2026年 あたらしい保育のかたち】
こども誰でも通園制度のまるごとガイド

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2026年度より本格実施されている「こども誰でも通園制度」は、近年の保育士試験で出題頻度が高まっている重要テーマです。
本コラムでは、こども誰でも通園制度の背景や概要、一時預かりとの違いなどについて整理します。
1. こども誰でも通園制度誕生の背景
こども誰でも通園制度とは、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付です。
少子化が進む一方、在宅で育児をする0〜2歳児の約6割が「集団保育の場」にアクセスできず、「孤立した育児」の中で不安や悩みを抱えている保護者が多くいました。こうした中、すべてのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、保護者の多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、「こども誰でも通園制度」は誕生しました。
| 背景データ | |
|---|---|
| 未就園児の割合 | 0〜2歳児の約6割(約146万人)が保育園等に通っていない |
| 家庭の孤立 | 核家族化・地域とのつながりの希薄化により、保護者が孤立しやすい状況 |
| 政策的根拠 | 「こども未来戦略方針」(2023年6月閣議決定)・「こども未来戦略」(2023年12月閣議決定) |
2. 制度の概要
【正式名称と法的根拠】
正式名称:乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)
根拠法:子ども・子育て支援法
所管:こども家庭庁
【スケジュール】
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2023年度 | 全国31自治体50施設でモデル事業開始 |
| 2024年度 | 全国で試行的事業に拡大(2024年11月時点で多数の自治体が参加) |
| 2025年度 | 子ども・子育て支援法に基づく、地域子ども・子育て支援事業として制度化 |
| 2026年4月 | 全国すべての自治体で本格実施(子ども・子育て支援法に基づく、新たな給付「乳児等のための支援給付」として実施) |
【制度の目的と意義】
この制度の目的は、「こどもの成長」の観点から、「全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備する」ことです。
- すべてのこどもの健やかな成長・良質な成育環境の整備
- 集団生活を通じた社会情緒的な発達・コミュニケーション能力の育成
- 保護者の孤立感・育児負担の軽減
【利用要件と利用時間】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 生後6か月〜満3歳未満で、保育所等に通っていないこども |
| 就労要件 | 問わない(専業主婦・育休中も利用可能) |
| 利用上限 | 月10時間 |
| 利用単位 | 時間単位で柔軟に利用可能 |
| 利用料金 | 1時間300円を標準とし、事業所の取組に応じて必要な額を徴収することも可能 |
| 利用方式 | 定期利用または柔軟利用(都度予約) |
- ※「満3歳未満」とは、3歳の誕生日の前々日までを指します。
- ※また、認可外保育施設に通っていいるこどもは対象となりますが、企業主導型保育施設に通っているこどもは対象外です。
【利用できる施設】
- 認可保育所
- 認定こども園
- 幼稚園(預かり保育を実施するもの)
- 地域型保育事業(小規模保育・事業所内保育・家庭的保育等)
- 企業主導型保育施設(一部)
※市町村の認可を受けた事業者が実施します。
3. 一時預かり事業との違い
一時預かりとの最大の違いは「目的」です。一時預かりは「保護者の事情」(リフレッシュ・急用など)への対応であるのに対して、こども誰でも通園制度は「こどもの育ち」のための制度です。
試験では「この制度はどちらの考え方に基づくか」という問われ方をする可能性がありますので、しっかり押さえましょう。
| 比較項目 | こども誰でも通園制度 | 一時預かり事業 |
|---|---|---|
| 主な目的 | こどもの育ち・発達支援 | 保護者の事情・都合への対応 |
| 就労要件 | 問わない | 問わない(原則) |
| 対象年齢 | 生後6か月〜3歳未満 | 概ね0歳〜小学校就学前 |
| 利用上限 | 月10時間 | 制限なし(自治体により異なる) |
| 費用 | 1時間300円程度 | 施設・自治体により異なる |
| 法的位置づけ | 子ども・子育て支援法(新給付) | 地域子ども・子育て支援事業 |
| 多子世帯軽減 | なし | あり(一部自治体) |
4. 保育士(保育者)としての役割と留意点
【受け入れ時の配慮】
- 初めて集団に入るこどもが多いため、安心感を与える環境づくりが必要
- 慣れない環境で不安を感じる子どもへの個別的な配慮
- 通園に慣れるまでは「親子での利用」も可能(制度として認められている)
【情報収集と安全管理】
- アレルギーの有無・緊急連絡先など安全確保に必要な情報の把握
- 把握した情報を全職員で共有する体制の整備
- 重大事故が起こりやすい「睡眠中・食事中・水遊び中」は特に細心の注意が必要
【保護者支援との連携】
- 子育てに関する情報提供・助言・相談支援を行うことが制度上の役割として明記
- 専門家との関わりを通じて保護者が親として成長できる機会を提供する
- 孤立しがちな在宅育児の保護者に対するきめ細やかなサポートを行う
【医療的ケア児・障害児への対応】 制度の原則は「通園」ですが、保育所への通園が難しい医療的ケア児や障害児に対しては、保育者を居宅へ派遣することが運用上認められています。
5. 財源と費用負担
こども誰でも通園制度の財源は「子ども・子育て支援金」が充てられます。
※「子ども・子育て支援金」とは、少子化対策のために、子育て支援の財源として広く社会全体で負担する仕組みです。医療保険などに上乗せする形で国民が少しずつ負担する形をとり、2026年4月より段階的に拠出が開始されています。こども誰でも通園制度のほかに、児童手当や妊婦のための支援給付などの給付拡充を支えています。
| 費用負担 | 内容 |
|---|---|
| 保護者負担 | 1時間300円を標準 |
| 国の補助 | 国:3/4、都道府県:1/8、市町村1/8 |
| 財源 | 子ども・子育て支援金(全ての世代・企業から拠出) |
6. 制度の課題と展望
【現場からの声・課題】
- 保育士の業務負担増加(短時間で施設に慣れない子どもへの対応に高いスキルが必要)
- 人員配置・研修体制の整備(従事者向け研修の内容を検討中)
- 地方での担い手不足(人員確保が難しい事業者も多い)
【今後の展望】
- 2026年度の全国実施に向けて、ICT活用(こども誰でも通園制度総合支援システム)による業務効率化
- 従事者向け研修の整備・拡充
- 全市町村での「子ども・子育て支援事業計画」への量の見込み記載が義務化
7. まとめ
こども誰でも通園制度は、すべての子育て家庭を支える新たな取り組みとして、大きな期待が寄せられています。保育施設にとっては、受け入れ体制の整備や人員確保、運用面での工夫など、実践にあたって多くの課題があるのも事実です。
しかしながら、本制度は「必要なときに誰もが支援を受けられる社会」を実現するための重要な一歩でもあります。現場での試行錯誤を重ねながら、地域や関係機関と連携し、それぞれの実情に応じた形で取り組みを深めていくことが求められます。
保育士試験では、「就労要件を問わない」「月10時間」「生後6か月から満3歳未満」「こどもの育ちを応援することが主な目的」「2026年度から給付制度として全国実施」といったポイントを押さえておきましょう。
監修者情報
- 梶本 睦美
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保育士資格保有。
二児を育てる母として、日々の子育てに奮闘中。自身の学びやリアルな子育て経験を活かしながら、保育士試験合格を目指す方へ向けて、試験情報や勉強のコツ、保育にまつわるあれこれを、楽しくわかりやすくお届けしていきます。

