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雇用
反町勝夫 産業構造の変革が進む今、求められる労働政策とは

“心”がなくなるとしんどい
森 英介氏
LEC東京リーガルマインド
代表取締役会長
反町勝夫
VS 衆議院議員
森 英介氏


反町
 森先生の今後の方針、方向は?


 党の労働部会長・労働委員会の理事という立場から言えば、労働者派遣法(注5)と職業安定法(注6)改正の2法案を審議して、つつがなく、良い形で通すことが当面の職務です。  労働政策は重要な柱ですが、与党の政治家として言いますと、日本の今の長引く不景気を脱却して、長期的に言えば子孫の代に赤字国債による借金を残さないという二律背反的な課題を今後、何年間で解決しなければならない。橋本総理が打ち出した六大改革(注7)は打ち出すタイミングが悪かったのだと思います。各論では反対の部分もありますが、全体としてねらいは正しく、いずれやらなければならないのは確か です。その手綱さばきは難しいのですが、自分自身しっかり勉強して、自民党の一員として間違いのない方向にもっていく一助になりたいと思います。

反町
 21世紀に向かって、活力ある、働く人が豊かな生活ができることは非常に大切なことですから。
 最後に、これから雇用される立場の若い人たちに向けたアドバイスをいただけますか。


 今後、日本の雇用がアメリカ型に近づいていくことは否定できないでしょうから、自分自身の能力を磨いて、技術や専門知識などをもっていないと働きづらい世の中になっていくはずです。今、国会議員もかなり専門分化されてきています。私は一方でゼネラリストも必要だと思っているのですが、情報過多といっていいような時代になり、専門分野をかなり勉強していかないとやっていけませんから、ゼネラリストが次第にいなくなっています。民間企業も同じ状況があるのではないですか?

反町
 そうですね。さまざまな情報があふれている中から必要なものを選択しなければならない。その選球眼をもたないと情報そのものに溺れてしまう。


 すべてを受け入れていると完全に消化不良を起こしてしまうほど情報過多の世の中です。それをどうやって選別して、咀嚼するか。情報を制する者は世界を制する時代ですから、情報に対する感性が本当に求められますね。

反町
 膨大な情報を前にしたとき、哲学、理念、原理原則をもたないと選別ができなくなってしまいます。


 それとはまた別な話ですが、一つ私が気になっているのは、「公」のことを考えない風潮が世の中に蔓延していることです。私などは旧世代に片足がかかっている世代ですから、振り返ってみると、15年間の会社勤めのときは、不必要なくらいの愛社精神を持っていました(笑い)。今、企業で当時のような求心力が薄らいでいる ように思われます。そんな精神はこれからは必要ない時代だと言えばそれまでですが、日本のように天然資源も無く、人間だけを資源としてなんとかやっていこうという国で、そのような“心”がなくなるとしんどいことになるのではないでしょうか。

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