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通関士試験の難易度 他資格と比較、その乗り越え方

通関士試験の難易度 他資格と比較、その乗り越え方

私には国家資格(通関士資格)は手が届かないかしら。勉強を始めても合格できそうにないのなら勉強は諦めようかな。そういう悩みをお持ちの方は多くいらっしゃると思います。試験勉強を諦めるのはこのコラムを読んだあとでも遅くはありません。少しの時間、通関士試験の難易度などについて一緒に見ていきましょう!

目次
通関士試験の難易度とハードルについて
通関士試験の概要と出題範囲
試験の構成と問題形式
試験の合格率
通関士試験の受験者層
なぜ通関士試験は難易度が高いとされるのか
通関士と他国家資格難易度ランキング
それぞれの仕事内容
通関士試験対策と心構え
試験の出題傾向と対策、苦難を乗り越え合格するためのモチベーション
通関士としてのスキルとその魅力
通関士の仕事内容と需要
まとめ
監修者・編集者 プロフィール
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よくある質問

通関士試験の難易度とハードルについて

通関士試験の難易度について見ていくその前に、皆さんにお聞きしたいことがあります。それは、「誰もが簡単に取得できるような資格が本当に欲しいですか?」ということです。いきなり「通関士試験の難易度」に対する答えになってしまいそうですが、通関士試験は決して簡単な試験ではありません。しかし、だからこそ通関士資格には価値があり、取得する意義があるのだと考えています。誰もが簡単に取得できる資格ならば、挑戦しようかどうかと悩むことなく挑戦していると思います。いや、誰もが取得できるのであれば、わざわざ忙しい日常の合間を縫って勉強しようとは思わないかもしれませんし、読者の皆さんがあえて取得する必要すらないのかもしれません。誰でもできるのであれば、誰かにやってもらえば良いのです。大切なことなのでもう一度言いますが、通関士試験は決して簡単な試験ではありません。だからこそ通関士資格には価値があり、取得する意義があるのです。

通関士試験の概要と出題範囲

では、皆さんの気持ちを不安にさせる通関士試験の概要と出題範囲を見ていきましょう。まず通関士試験は「国家資格」の一つです。文部科学省によると、「国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い」それが国家資格である、とのことです。通関士資格は国家資格であるので一定の能力や知識を有することを国家から認められると同時に社会的信頼性も高いだろうということになります。やはり通関士資格はそれだけの価値があるということになります。
出題範囲については通関士試験は3科目あり、1科目目は通関士などを規定している「通関業法」、2科目目は輸出入手続きなどを規定している「関税法等」、そして最後の3科目目は実戦力を計る「通関実務」が待っています。通関士試験は全ての科目が「通関」に関することのみで構成されていることが分かりますね。

試験の構成と問題形式

問題形式については全問マークシート方式ではありますが、3科目目の通関実務に関しては電卓などが必要な計算問題もあります。いずれの科目も合格基準点は60点であり、1つの科目でも60点を下回る(59点以下)ことになれば不合格となってしまいますので戦略的に学習する必要があります。なお、合格基準点が60点を下回る可能性もありますが、基本的には期待しないでおきましょう。

試験の合格率

通関士試験の合格率は概ね15%程度(10%〜20%程度の間に収まります)ですが、令和5年度(2023年、第57回試験)の合格率は24.2%ということで、概ね4人に1人が受かる結果になっています。この合格率なら努力次第で何とかなるんじゃないかと思うのではないでしょうか。
過去の通関士試験の合格率の推移は、以下のようになっています。

通関士試験の受験者層

受験者層は確かなデータがないのですが、体感的には社会人の受験者が圧倒的に多いという印象です。また年齢についても確たるデータはないのですが、概ね30〜50代前半くらい?の方が受験している印象です。従って20代で取得すればとても早く(他の方々よりも優位性がある)、50代で取得しても決して遅いということはないだろうと考えています。そもそも資格取得や何らかの目標を持つことに遅いという事はないでしょう。全てはタイミングですから。

なぜ通関士試験は難易度が高いとされるのか

通関士試験の出題範囲は他の国家資格(中小企業診断士や社会保険労務士など)と比べて“狭い”と言えると考えています。しかしその代わりに”深い”のです。その結果、細かい論点が出題されることもあるため、通関士試験の難易度が高い(難しい)と感じるのだと思います。そもそも通関自体に馴染みが薄いというのも難易度が高い(難しい)と感じる理由の一つだと思いますし、聞きなれない専門用語が多いのもこれまた難しく感じさせる理由の一つだろうと思います。
また貿易実務検定(C級やB級)等を勉強する前後に通関士試験の勉強を始める方も多く、相対的に難易度が高い(難しい)と感じるのも理由の一つだと思います。

通関士と他国家資格難易度ランキング

ここまでは通関士試験単体で見てきましたが、ここからは他の国家資格と比較をしながら通関士試験の難易度を確認していきましょう。皆さんは難関資格と聞いてどういった資格を思い浮かべますでしょうか。司法試験(弁護士等)?公認会計士?不動産鑑定士?税理士?中小企業診断士?それとも社労士(社会保険労務士)?・・・。例に挙げた資格はいずれも(超)難関資格です。どのくらい難関なのか、勉強時間という観点から見ていきましょう(下記の時間はいずれも、合格までに概ねこれくらい要するだろうという時間です。もちろんこれ以上の時間を必要とする方もいますし、これ以下の時間で合格する方もいます)。

  • 司法試験(弁護士等):8000時間程度
  • 公認会計士:4000時間程度
  • 不動産鑑定士:3000時間程度
  • 税理士:3000時間程度
  • 中小企業診断士:1000時間程度
  • 社労士:1000時間程度

はい、上記例に挙げた資格の中で最も勉強時間が少ないとされる診断士や社労士試験でさえ1000時間は必要であるということです。1日2時間の勉強をしても500日はかかる計算になります。さらに言うとこれだけの時間を勉強に費やしたからといって確実に受かるという保証はどこにもありません。あくまでも診断士試験や社労士試験の合格者は概ね1000時間程度の勉強を経て合格しているという参考時間なのです。

もし仮に、勉強の意味=資格の取得と考えるのであれば、資格取得を諦めた際のダメージは計り知れません(あくまでも勉強の意味=資格の取得と考える場合です。個人的には資格取得に至らずとも、勉強をしてきたこと自体に本質的な大きな意味があると考えています)。これらの資格はいずれも数年単位で勉強に励む方が多くおられる(超)難関資格ですので、気軽にチャレンジするというわけにはいかないような気がします。それなりの覚悟?根性?気合い?が必要になるだろうと感じます。
では通関士試験についてはどうでしょうか?こちらも勉強時間という観点から見ていきましょう。

通関士試験:500時間程度
例にあげた資格に比べると学習時間がかなり短縮されたように思います。通関士試験は(例に挙げた中で学習時間が最も短い)診断士・社労士試験の約半分程度の勉強時間で合格に到達するだろうということです。グラフによって可視化すれば勉強時間の差がより際立ちます。

それぞれの仕事内容

上記例に挙げた資格について司法試験は法律の、公認会計士は監査や会計の、税理士は税務の、不動産鑑定士は不動産鑑定評価の、中小企業診断士は経営助言の、社会保険労務士は労働・社会保険の専門家であり、通関士は貿易業界唯一の国家資格であり通関のスペシャリストであるとされています。それぞれの専門家がそれぞれの専門・得意分野で活躍している、わが国に無くてはならない希少な存在です。

通関士試験対策と心構え

先ほどもお伝えしましたが、通関士試験は決して簡単な試験ではありません。ですので基本的にはパパっと勉強してサクッと受かるような試験ではないのです。そのため通関士試験には試験対策が必要であり、様々な壁を乗り越えるための心構えが必要となってきます。しかし、通関士試験は簡単ではないという事実を踏まえながらも通関士試験に挑戦すると決心した皆さんには、すでに必要な心構えは備わっているのだと思います。結局のところ一生懸命に勉強をして合格するんだ!!という気持ちと行動が大切であり、合否を左右するものだと考えています。

試験の出題傾向と対策、苦難を乗り越え合格するためのモチベーション

試験の出題傾向については1科目目2科目目は概ね例年変わらないと考えていますが3科目目に関しては少し対策が必要になると考えています。1科目目2科目目は暗記でも対応できますが、3科目目に関しては理解することを中心に学習することをおススメします(理解するためには人に教えてもらうことが有効です)。

そして勉強をする中でどうしてもモチベーションが下がるときがあります。これはある程度は仕方のないことかなと個人的には感じておりますが、そういうときは「何故、通関士になろうと思ったのか」ということを思い出してください。皆さんそれぞれに通関士を目指した理由や想いがあると思います。その理由や想いこそがモチベーションの源泉ではないのかなと思っています。過去にガンバロウと決めた自分を思い返すことで、過去の自分が現在の自分の背中を押してくれ、合格する未来へと連れて行ってくれるのではないかなと感じています。

モチベーションについては、あともう一点。これは人によっては勉強のモチベーションになると思うのですが、通関士の年収は悪くありません。通関士の年収は概ね400万円〜600万円程度とされていますが、体感的にもこのくらいの年収になるのかなと感じます。世の平均年収が450万円前後と言われていますので少なくとも遜色はないと思います。私も地方に住んでいるので分かるのですが、特に地方に住んでいる方にとっては決して悪くない金額だと思います。

試験内容

試験科目 出題形式及び配点
択一式 選択式 計算式
(1)通関業法 10点(10問) 35点(10問) なし
(2)関税法等 15点(15問) 45点(15問)
(3)通関実務 - 申告書20点(2問)
5点(5問) 10点(5問) 10点(5問)

通関士としてのスキルとその魅力

通関士として必要と思われているスキルの一つに英語力(語学力)をあげられる方が多くいらっしゃいます。そしてこの英語力に自信がないために通関士試験を諦めている方も多くいらっしゃいます。こういった方は本当に非常にもったいないことをしていると思います。ハッキリ言いますが、英語力は殆ど不要です。全く不要ということはないですが、必要なのは単語(例えばT-SHIRTSやWATCH)を読み解く程度の英語力です。もっと言うと単語もネット等で翻訳を行えば良いのです。ですので、英語力が無いから通関士はなぁ・・・と諦めておられる方々に対しては、大丈夫!英語力は殆ど不要だよ!!とお伝えしたいと思います。

英語力がそこまで必要ではないというのは分かった。では、通関士としてはどんなスキルが必要なのかと問われると、それは「本質を問う(調べる)スキル」であり、「モノを知っているかどうか」でもあります。これはどういう意味かというと例えばプラスチック製の化粧用ポンプボトルがあったとしましょう。この化粧用ポンプボトルは大きく分けてポンプ部分とボトル部分に分けることができます。HS CODE(税番)を決定する際には、このポンプボトルのどの要素(ポンプかボトルか)が重要なのかを判断する必要があるのです。すなわちこの商品の本当に重要(大切)な要素はどこかを考える力が必要ということです。そして重要な要素を知るスキルの土台が、モノを知っているかどうかということになるのです。この「本質を問うスキル」に比べたら英語力は殆ど必要ありませんので、どうかご安心いただければと思います。試験対策的にも英語力はほとんど必要ありませんので、試験対策という意味でもご安心ください。もちろん商社やメーカー等で勤務し、貿易をメインに行うのであれば英語力は必要というか現時点では必須だと思います。あくまでも通関士として通関業務を行う場合や試験対策上では英語力はそこまで必要ないということです。

通関士の仕事内容と需要

通関士は主に港や空港の近辺で働く方が多いと思われます。仕事内容としては海外から到着した貨物や海外へ向けて発送する貨物を「税関」と呼ばれる機関に対して、商品内容や金額、他法令(関税関係法令以外の法令のこと。例えば食品衛生法や植物防疫法等)の該非、そして通関士が決定したHS CODE等を申告するということがメインの仕事内容です。通関士の仕事は様々な知識や技能が必要であり、非常に職務特性モデル(モチベーション理論の一つ)に当てはまるお仕事です。そのため「ハマりやすい」仕事であると感じています。実際、結構楽しいですよ。

通関士の需要については、我が国は貿易が盛んに行われている貿易大国であり、貿易が滞ってしまうととても困ることになるため、貿易に関する唯一の国家資格である通関士の需要は今後も高まるだろうとは考えています。通関士の将来性については、AIに代替されないか不安に思う方もおられると思いますが、現時点ではさほど心配する必要は無いのかなと考えています。もちろん日々努力し通関士としての能力を高めていく必要はありますが。

まとめ

皆さんいかがでしたでしょうか。
通関士試験は国家資格の中では難易度の高い(難しい)資格ではないですが、資格自体の価値や取得する意義は大いにある資格だと考えています。通関士は日本の貿易を税関職員とともに支える、とても価値ある重要なお仕事だと確信しています(「国家」資格保有者という素晴らしい響きもついでに手に入ります)。
個人的には狙い目ナンバーワンの国家資格、それが通関士資格だと思っています。
通関士試験の勉強をしてみようかな?チャレンジしてみようかな?と思う方は是非チャレンジしてみてください。どうしようかなぁ、と悩む時間を勉強する時間に充てるほうが、人生が前進し心が躍るのではないかなぁというような気がします。
特に目先の目標や趣味がないなー、という方はチャレンジすることをおススメします。そういう方のほうが合格率は高くなると思っています(使える時間の多くを勉強に向けやすいため)。また適度なチャレンジは人生を豊かにしてくれるだろうとも思っています。まずは資料請求から始めてみるのも良いかもしれません。

なお、言うまでもないですが、我々LEC講師陣は共にチャレンジしてくれる方を全力で応援し、お支えします。大切なことなのでもう一度。我々LEC講師陣は共にチャレンジしてくれる方を全力で応援し、お支えします。
それでは、今回見てきた「通関士試験の難易度」は、「簡単ではないが難しくもない(普通〜ちょっと難しいかも…)レベルであり、一発合格は十分可能!」という結論をお伝えしたところで今回のコラムは終了とさせていただきます。
ではまたお会いしましょう。チャレンジされる方、一緒に頑張りましょうね!

監修者・編集者 プロフィール

前山 翔平 講師 Maeyama Syohei

ブハハコンサルティング合同会社 代表社員

【保有資格】
通関士
中小企業診断士
【経歴】
2009年通関士試験に合格。以降、中堅・大手通関業者にて主に輸入通関業務に従事。主たる申告税関は航空貨物をメインとして取り扱う関空税関や成田税関であるが、南港税関(大阪)や大井税関(東京)への申告経験も有する。管理職としては支店長職等を歴任し、2021年中小企業診断士試験合格、2022年に経済産業大臣登録を行い、2023年独立。現在はマーケティング支援、人的資源管理支援、そして通関・貿易助言支援等を行っている。

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