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今求められる国会の機能強化
反町勝夫 アメリカと日本の政治システムを考える

予算の決定方法
中林美枝子氏
LEC東京リーガルマインド
代表取締役会長
反町勝夫
VS 連邦議会上院予算委員会スタッフ
中林美恵子氏


反町
 アメリカの歳出法と予算案との違いは?

中林
 歳出法は各省庁にいくらという配分を決めます。またはもっと細かく、どのプログラムにいくらと決めることができる。さらに議員によっては、その金は私の地元のこの橋に、この道路にということを決めることができます。

反町
 日本は予算案を決めますが、その後は省の中で裁量でやっている。

中林
 アメリカの予算の場合も省の中で裁量でやりなさいということもあります。ただ日本と違い、予算に関してもやはり国民に分かりやすいですね。まず1月に入ると、予算委員会が公聴会を開き、これからの予算の見通しについて大議論をする。民主党の人たちも自分たちの政策をぶつけてくる。2月の第1月曜日には大統領が予算教書を出す。すると4月に予算決議。それに従って大まかな方向を決める。そして歳出委員会で、歳出を決めていく。そういうサイクルで1年間やっていきます。下院に先議権があって、それが上院に送付される。で、先議権があるほうが、自分の言いたいことを言いやすいという感覚があります。反対に上院には大使の承認や大統領のポリティカル・アポインティの承認があります。多くの場合、委員会が公聴会を開き、適性を公開で審議・議論します。これは上院だけにある役割の一つです。ただ下院には、副大統領に次ぐ第三の大統領継承権がある下院議長がいますし、歳出法の先議権がある。

反町
 上院のほうが大局的、国際的な問題に関係するようなことが多いわけですね。

中林
 任期も長いですしね。
 下院は2年ですべて、上院は6年で3年ごとに半数変わるのでほとんど年中,選挙です。それも小選挙区制ですから、地元への利益誘導が欠かせません。

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