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外国人が国政に参加する国 |
LEC東京リーガルマインド 代表取締役会長 反町勝夫 |
VS | 連邦議会上院予算委員会スタッフ 中林美恵子氏 |
反町 アメリカの議会では中林さんのように外国人が働けるというのはおもしろいですね。 |
中林 外国人は例外的存在ではありますが、オフィス内では国籍をほとんど問題扱いせずに、個人をきちんと見てくれます。新しい同僚たちや、今まで自分たちが考えていなかった ことへの好奇心も強く、ずいぶん気持ちを開いてくれますね。 |
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反町 国の政策をつくるために外国人をどんどん使っていこうというのがすごいですね。 アメリカというのは歴史的に移民を集めて、優秀な人を受け入れて国をつくるようにしてきたから、その延長なんでしょうね。 |
中林 しかも、国家予算を使って、ですから。 |
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反町 アメリカでも議員秘書は公務員ですね? |
中林 公務員です。ただしアメリカでは「秘書」とは言わないですね、「スタッフ」です。 |
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反町 私設のスタッフもいますか? |
中林 ボランティアではいます。インターン、フェロー。これらは基本的にボランティアです。 |
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反町 日本は公設秘書が1人増えて、3人。あとは私設ですから。足らないですね。ところで、中林さんの現在のお仕事は? |
中林 今は予算委員会の委員長が共和党の議員で、私はその委員会のスタッフとして働いています。 |
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反町 各議員につく秘書は委員会と兼務ですか? |
中林 それは分かれています。委員たちは委員会に属するスタッフを持ちません。もちろん委員であれば委員会スタッフが援助の手を差し伸べますが、委員会スタッフは基本的に委員長に忠誠を誓っています。つまり委員会は委員長である上院議員の個人事務所と大変近しく仕事をします。裏返して言えば、委員長になると委員会のスタッフも自分のものですから、大変な知的パワーを所有することになります。 |
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反町 個人事務所の仕事は? |
中林 地元へのサービスを行うことが重要な仕事です。選挙で選出されるということは地元の利益や、要望を中央に伝えるため代表として中央に送られてくるわけです。中央では州を代表して発言しなければならない。そのためには、十分なスタッフが必要で、それが個人事務所の最も大切な役割です。そして議員は国レベルの問題、国家戦略や外交問題などは、委員会で発言します。委員会の役割が日本とは少し違うので、日本のシステムとアメリカのシステムを一概に比較すると混乱してしまうわけです。 |
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反町 日本の場合、立法スタッフとして国会の職員がいますが、職員はすべての党の面倒を見ています。また、内閣、衆議院、参議院の法制局は法案をチェックしてミスがないようにすることが役目で、勝手に法律の中身を決めるわけではありません。 |
中林 アメリカの委員会は法案を書き、政策立案をするわけです。 |
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