日商簿記検定は受験しやすく、努力が実る試験です。日商簿記1級を除き「上位○パーセント合格」といった競争試験ではなく、合格点(70点)をクリアしていれば全員が合格となります。努力した分、確実に結果を得られる資格試験です。また、年齢や学歴等の受験資格がなく、誰でもチャレンジできる点も大きな特徴です。
3・2級においては、2020年12月からこれまでペーパー試験(統一試験)に加え、ネット試験(CBT方式以下、ネット試験と表記)も実施されるようになり、受験機会・方法も増えて、ますますチャレンジしやすい試験となりました。
簿記検定試験の問題は、日本商工会議所が定める試験気分に従って出題されますが、試験区分は企業活動・会計実務の実際を反映するように改訂されています。
区分範囲につきましては下記ページよりご確認ください。
級ごとの難易度
3級
- 難易度
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業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。 - 標準学習目安
- 1.5~2.5ヶ月/約90時間
2級
- 難易度
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経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。簿記の学習する方の多くが2級取得目標としています。
2級では3級の商業簿記の知識を前提に、より高度な商業簿記を学ぶほか、新たに工業簿記も学習します。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。 - 標準学習目安
- 3~6ヶ月/約250時間
1級
- 難易度
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極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。
合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。 - 標準学習目安
- 6ヶ月以上/約550時間
受験者データ
第169回 (2025年 2月23日) |
第168回 (2024年 11月17日) |
第167回 (2024年 6月9日) |
第166回 (2024年 2月25日) |
第165回 (2023年 11月19日) |
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3 級 |
実受験者数 | 21,026名 | 19,588名 | 20,927名 | 23,977名 | 25,727名 |
合格者数 | 6,041名 | 5,785名 | 8,520名 | 8,706名 | 8,653名 | |
合格率 | 28.7% | 29.5% | 40.7% | 36.3% | 33.6% | |
2 級 |
実受験者数 | 7,118名 | 7,589名 | 6,310名 | 8,728名 | 9,511名 |
合格者数 | 1,486名 | 2,187名 | 1,442名 | 1,356名 | 1,133名 | |
合格率 | 20.9% | 28.8% | 22.9% | 15.5% | 11.9% | |
1 級 |
実受験者数 | 実施なし | 10,420 | 9,457名 | 実施なし | 10,251名 |
合格者数 | 1,572名 | 992名 | 1,722名 | |||
合格率 | 15.1% | 10.5% | 16.8% |
◎「実受験者数」は検定を申し込まれた方のうち、実際に検定を受験された方の人数です。
2024年4月~2025年3月 | 2023年4月~2024年3月 | 2022年4月~2023年3月 | ||
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3 級 |
受験者数 | 254,433名 | 238,155名 | 207,423名 |
合格者数 | 98,235名 | 88,264名 | 85,378名 | |
合格率 | 38.5% | 37.1% | 41.2% | |
2 級 |
受験者数 | 124,429名 | 119,036名 | 105,289名 |
合格者数 | 44,359名 | 41,912名 | 39,076名 | |
合格率 | 35.7% | 35.2% | 37.1% |
ネット試験実施概要(CBT方式)
試験日 | 各試験センターが定める日時において随時受験可 |
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試験会場 | 日本商工会議所が指定する試験センター |
受験申込み方法 | 「株式会社CBT-Solutionsの日商簿記申込専用ページ」から申込み |
※受験希望日時、希望受験会場、受験者情報を入力し、受験料・申込み手数料を決済 | |
試験時間・出題数※1 | <3級>60分(3題出題) |
<2級>90分(5題出題) | |
出題範囲※1 | 日本商工会議所が定める「簿記検定出題区分表」に則して出題 |
受験料※2 | <3級>3,300円(税込) |
<2級>5,500円(税込) | |
試験実施方法 | ①試験センター設置の端末に、受験者ごとに問題が配信される。※ |
②キーボード・マウスを使用して解答を入力 | |
(プルダウン+入力式) | |
合格発表 | ①試験終了後に自動採点され、パソコン画面に結果が表示される。 |
②QRコード®から<デジタル合格証>が即日取得できる。 | |
計算用紙 | A4計算用紙が2枚配付される。試験終了後に回収。 |
筆記用具 | 試験会場が用意しているボールペンを使用。 |
電卓 | 持ち込み。使用可能電卓については、こちらをご確認ください。 |
※1 試験時間・出題数、出題範囲は、ネット試験・統一試験共通。
※2 受験料の他に、事務手数料550円(税込)が必要です。
CBT試験とは
CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式、1年間を通じて好きな日時で受験ができる。
受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答する。
※問題は公表されていません。また、試験問題の開示・漏洩は禁じられています。詳細は、日本商工会議所のホームページでご確認ください。
※QRコード®は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
統一試験(ペーパー試験)実施概要3級・2級・1級
試験日 | 6月第2週、11月第3週、2月第4週※1級は、6月、11月の年2回。2月は実施なし。 |
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試験会場 | 各商工会議所・指定の会場 |
受験申込み方法 | 各商工会議所の指定する方法で申込み(ネット・窓口・書店など) |
出題範囲※ | 日本商工会議所が定める「簿記検定出題区分表」に則して出題 |
受験料※ | <3級>3,300円 |
<2級>5,500円 | |
<1級>8,800円 | |
解答方法 | 答案用紙に解答を記載。 ネット試験の「プルダウン式」や「入力式」と共通にするため、一覧から選択させる問題もある。 |
合格発表 | 実施後、2~3週間程度必要 |
計算用紙 | 問題冊子に綴じ込まれています。試験終了後、冊子ごと回収。※ |
※受験料、出題範囲は、ネット試験・統一試験共通。統一試験では、別途事務手数料が必要です。手数料は商工会議所により設定されていますので、必ず受験希望地の商工会議所にお問い合わせください。
※問題冊子の持ち帰りはできません。また、問題は公表れていません。試験問題の開示・漏洩は禁じられています。詳細は、日本商工会議所のホームページでご確認ください。
ネット試験のメリット・デメリット
2020年12月から開始されたネット試験は、その受験者数は統一試験の受験者数を大きく上回っています。ネット試験は、自分の都合に合わせて試験日を決められるなどのメリットから、今後も受験者は増えていくものと思われます。
学習区分は、ネット試験・統一試験共通ですので、特別な対策は不要です。
以下、ネット試験のメリットとデメリットをまとめました。
ご自身のライフスタイル、学習環境などを踏まえて都合の良い試験方法を選択してください。
- メリット
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- 試験日が自分で決められるので、学習の進捗・実力に合わせて受験できる。
- 結果がすぐ分かり、「合格証」も即日取得できる。
- 3級・2級の併願者は、試験日時を調整できるので体力的に楽になる。
- 不合格になった場合でも、次の検定を待つことなく、再受験できる。
- デメリット
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- パソコン画面には計算やメモができないので、計算がしづらい。
- ポイントになる箇所にアンダーラインが引けない。
- 普段の学習は紙ベースのため、パソコンでの試験に戸惑うことがある。
- 統一した試験日がないため、学習スケジュール管理がよりシビアになる。