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中央集権的な国家体制

−坂倉先生は税制改革について具体的な提言をされています。本日はそのお話をうかがいたいと思いますが、本論に入る前に、その提言をされた背景として、現在の日本の税制について、お考えのところをうかがいたいと思います。
「周知のごとく、日本の政治・経済は今、きわめて危ない状態におかれています。バブル崩壊から10年が経とうとしているにもかかわらず、財政問題はいっこうに解決されず、その間、ただ問題を先送りするだけで過ごしてしまいました。その結果、今や負債は945兆円という空前の規模に達しています。実に国民ひとりあたり1500万円もの借金を抱えているのです。この重圧はわれわれの子や孫の代までのしかかっていきます。このような状態を放置すれば、将来、破滅的な事態を迎えることは明白です。

  今後とも日本が国家として成り立っていくかどうかという瀬戸際にきているといえるでしょう。これを、どこかで正しい方向に引き戻さなければなりません。当然ながら、国家財政の問題は税制の在り方に直結することです。税を職業としているわれわれ税理士としては、税の執行面だけを考えるのではなく、その手前にあるもの、税制であるとか、税の使い途について、ここで、考え直して、声をあげていく必要があるのではないかということです」

−税制改革で税理士が役割を果たす時勢であると?
「税理士は、これまでは税の執行面のことばかりを考えて、日常業務にあたっていたのではないかという反省があります。


それが社会的に重要な役目ではあることは間違いありません。しかし、これまでの税理士の業務執行の状況を、納税者の立場から見た場合、果たして正しかったといえるのかということです。著名な法学者、イエーリングの『悪法も法なり』という立場からすれば、現行法を守っていけばいいという考方ができるのかもしれませんが、日本がおかれている危機的な状況を傍観、無視していることは、もはや許されないことです。
  税務職員の立場であれば、そこまで考えなくも良いと思います。しかし、私たち税理士という職業は、納税者から報酬をいただいて、納税者のために仕事をするわけです。その意味においても、今ここで、何らかの反省が必要ではないかということです」



 
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