賃貸住宅管理業者登録制度の施行と改正
国土交通省は、平成23年12月に賃借人、賃貸人の利益の保護を確保するため、賃貸住宅管理業者登録制度(任意登録制度)を施行させました。
賃貸住宅管理を担当する事業者の登録制度を設置し、管理委託契約の締結時、賃貸借契約の更新時や終了時などに説明や書面の交付等を行うよう、
一定のルールを規定しています。登録した賃貸住宅管理業者は、一定のルールを規範とし、適切な管理業務を実施することが義務化されています。
国土交通省は、平成28年9月に賃貸住宅管理業者登録制度を改正し、登録した業者は、事務所毎に1名以上の賃貸不動産経営管理士又は6年以上の実務経験者を配置して、 賃貸人に対して重要事項説明等を賃貸不動産経営管理士等が行うこととしました。
良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図るため、サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化のための措置を講ずるとともに、 賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設け、その業務の適正な運営を確保する「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が、令和2年6月に成立しました。
賃貸不動産経営管理士には、法律において事務所ごとに配置を義務付けられる「業務管理者」となる要件として想定されています。

賃貸不動産経営管理士の役割
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」においては、賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに業務管理者を配置しなければなりません。そして、業務管理者が欠けた状態では管理受託契約を締結することはできません。また、この業務管理者となるための要件としては、賃貸住宅管理業の一定の実務の経験を持った賃貸不動産経営管理士等(国土交通省令で別途定められる予定)であることが必要です。
業務管理者の役割
以下の管理及び監督に関する事務を行います。
- 管理受託契約の内容の明確性
- 賃貸住宅の維持保全の実施方法の妥当性
- 賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保
- 賃貸に係る事業の円滑な実施の確保
賃貸不動産経営管理士の業務領域
賃貸不動産管理業の業務は、家主との賃貸不動産の管理業務を受託する契約から入居者の募集、契約業務により希望者を入居させ、建物の維持管理や不具合の対応、原状回復工事など様々な業務があります(一部媒介業務などを含みます)。また、家主の賃貸経営に関する支援もその業務の一環であると考えると、必要となる知識は多岐に亘るため専門的知識をもった賃貸不動産経営管理士が業務を担うことは、適正な管理業の促進と消費者の安心につながると言えます。

賃貸不動産管理業務
- 管理業務受託契約
- 市場調査
- 賃貸用建物の企画提案
- 管理業務報酬の設定
- 管理業務受託契約の締結
- 入居者募集〜契約
- 入居審査
- (重要事項説明)
- (賃貸借契約締結)
- 鍵の引渡し
- 管理業務(契約期間中)
- 建物維持管理・修繕
- 法定点検
- 建物清掃
- 賃料等収納業務
- クレーム対応
- 契約更新
- 賃料改定
- 管理業務(契約終了)
- 退去立合い
- 原状回復工事
- 敷金の精算
- 入居促進
- 空室維持管理
- 支援業務
- 管理業務報告
- 節税や相続に関する相談・提案への協力業務
- 不動産証券化業務など
(一社)賃貸不動産経営管理士協議会HPより引用
賃貸住宅管理業者に係る登録制度に関する新制度の施行
