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アジア情勢という複雑な多元方程式の解き方

反町 日本をとりまくアジア情勢についてお聞きしたいと思います。まず市場経済を進めている中国の将来はどのようになると思われますか?
岡崎 予算というのは取り合いするものですから、力が強いものが多くを取ります。今の中国の政治構造で、経済成長の成果について、軍の取り分が少ないということはありえません。中国の軍事力は毎年強くなります。そして将来、その力がどちらを向くかは分かりません。
反町 ロシアについてはどのようにご覧になっていますか?
岡崎 ロシア革命は1917年です。それからしばらく国内が混乱したものの、革命から15年目の
1932年には、国際社会から強国として認識されるようになっています。スターリンによる第1次5か年計画が完成した年です。現在、ソ連崩壊からほぼ10年です。今年あたりからロシア経済は上向きになって、今後5年間の国家建設を経れば、2005年には、極東における相当強力な国家となると予測します。
反町 では、北方領土の返還は難しくなるのでしょうか?

岡崎 それは分かりません。強くなったロシアがどのように動くかにかかっています。ロシアが中国の脅威を感じれば、日本になびくでしょうし、逆に中国と組んで、日米に対抗するかもしれない。色々な可能性があります。アジア情勢は複雑で、先が見えにくい。将来の中国の軍事力、統一朝鮮の行方、極東ロシアの動向、すべて不確定要素です。いわば独立変数がきわめて多い多元方程式です。ところが、解く方法さえ知っていれば、これもまた何でもありません。この複雑な多元方程式で、何が一番大きい値かといえば、日米同盟です。両国は軍事力で優位にあり、技術力もあり、 経済力にいたってはほとんど独占状態といっていい。アジア諸国が欲しいのは、資本と技術と市場ですが、日米はそれらすべてをもっています。いかに独立変数が多い複雑な方程式であろうと、ある変数が圧倒的に大きくて、安定していれば、他の変数を重視する必要はありません。ですから、対アジア外交を考えるときは、まず日米同盟の安定を考えることです。中国政策、統一朝鮮政策、ロシア対策にしても、日米同盟を強化することで対応できます。 外交というのは巨視的に見れば、きわめて単純なのです。それを小さなことばかり議論するから、かえって分からなくなるのです。
 
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