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土地家屋調査士の仕事

土地家屋調査士の仕事

土地家屋調査士とは、土地や建物の所有者等の依頼を受けて、法務局に不動産の表示に関する登記の申請をし、そのために必要な測量や調査をおこなう国家資格者であり、不動産登記のスペシャリストです。

不動産登記には、何処にどのような不動産が存在するかという情報(表示に関する登記)と当該不動産は誰が所有しており、またどのような権利が設定されているかという情報(権利に関する登記)が公示されています。この表示に関する登記を取り扱うのが土地家屋調査士であり、権利に関する登記を取り扱うのが司法書士ということになります。

では表示に関する登記が必要となる一場面について、具体的にみていきます。

 

土地に関していうと、土地の一部を切り売りした場合には『土地分筆登記』をして、登記上一筆の土地を数筆の土地に分割することができます。また、畑として利用していた土地を建物の敷地として利用することになった場合には『土地地目変更登記』を申請しなくてはなりません。

次に建物に関していうと、建物が新築された場合には『建物表題登記』を申請しなくてはなりません。また、リフォームにより床面積が増加した場合には『建物表題部変更登記』を申請しなくてはなりません。

このように表示に関する登記が必要となる局面は決して稀有ではなく、しかも表示に関する登記を取り扱うことができるのは土地家屋調査士だけなのです。

また近年の法律改正により、土地家屋調査士の業務は更なる広がりをみせました。
すなわち、筆界特定制度と裁判外紛争解決手続(ADR)に関する業務が法定されたことにより、今後、登記申請以外の分野での活躍も行なえるようになりました。

土地家屋調査士がなすべきことはまだまだたくさんある

第1分野のマーケット

  国民の不動産取引の現場において、土地家屋調査士がかかわらないことは無い、と言っても過言ではない。土地を売却する際、隣地との境界が確定していなければ買い手がつかないからである。

都市部においては公法上の境界である筆界を表した不動産登記法第14条の地図の備え付けは、いまだ十分ではない。実際に登記所に備えられ、取引の際の資料とされているものは「地図に準ずる図面」(通称「公図」といわれる)であり、これは明治時代に作成されたものであるから、筆界の位置や土地の面積を正確に表現していると言えない。

そのため、土地家屋調査士が境界のプロとして、現地において売却にかかる土地の境界を調査・発見し、明らかにしていくのである。そして、その結果を受けて、登記された地積に誤りがあればそれを是正すべき登記を申請し、現況と登記を一致させていくのである。

また、一般国民からの依頼で大半を占めるのが相続発生に伴う相続財産についての登記である。売却する際については先述のとおりであるが、遺産分割に基づいて土地を分筆する場合も登記が必要であり、これもまた土地家屋調査士の業務となる。

土地に関する登記のみならず、建物についての表示に関する登記も土地家屋調査士の業務の中心をなす。建物を新築した場合、増築した場合、取壊した場合は、不動産登記法の規定により必ず登記をしなければならない。マンションが新築された場合などは、全戸について一括して登記をする必要があり、戸数が多いものであれば相当な報酬を受け取ることができる。

この分野は土地家屋調査士の業務の中でも中核をなすものである。

第2分野のマーケット

土地家屋調査士の業務のうち、土地の公法上の境界である「筆界」の確認・発見を目的とする事案は相当数に上る。これらの中には紛争性のあるものや紛争手前のものが多数存在し、その解決には困難を極めるが、この紛争の解決手段として「筆界特定制度」や「ADR(裁判外紛争解決手続)」が用いられる。

「筆界特定制度」は土地の所有者などの申請に基づいて筆界特定登記官が、筆界を現地において特定する制度であり、土地家屋調査士はこの申請の代理を業として行うことができる。また、筆界特定登記官が筆界特定をするに際しては、外部の専門家である筆界調査委員の意見を踏まえる必要があるが、この筆界調査委員の多くは、筆界のプロである土地家屋調査士が任命されているのが現状である。

紛争解決手段のもう一つであるADRは、法務大臣より一定の能力を認定された土地家屋調査士が弁護士と共同して土地の筆界について裁判外で紛争を解決していく制度である。

両制度とも運用開始からわずかしか経過していないが、前述の不動産登記業務とも密接に関係している制度であり、土地家屋調査士の高い専門性が求められ、今後事件数も増加していくことが予想されるものである。

第3分野のマーケット

公共事業等、官公署等の嘱託に係る表示に関する登記の事件は全国の登記事件の中でもかなり多くの部分をしめる。登記行政の円滑な運営を図るには、専門家である土地家屋調査士の存在が不可欠である。さらに、従来までは国営や政府出資にかかる公的な法人は表示に関する登記の申請義務が免除されてきたが、昨今の民営化への移行により、これらの法人が所有していた不動産について登記義務が新たに発生し、登記申請が必要な事案が数え切れないほど存在しはじめたのである。

この分野もまた、土地家屋調査士でなければできないものであり、大きなマーケットとして期待できるところである。

第4分野のマーケット

先述のとおり、都市部においては公法上の境界である筆界を表した不動産登記法第14条の地図の備え付けは、いまだ十分ではない。取引が活発である都市部ほどその必要性が叫ばれる中、国土交通省と法務省連携による地籍整備事業が強力に推進されているところである。

事業の過程で筆界が不明であったり、紛争が生じた場合は、土地家屋調査士が、専門家として直接・間接的に関与していくことが期待されている。

以上のように、土地家屋調査士の仕事はやってもやっても終わらないほどあると言ってもよい。

また、権利に関する登記や商業法人登記と比較すると、表示に関する登記については、一般国民が直接登記の申請をするよりも、土地家屋調査士が代理して登記申請をする割合が圧倒的に多いのである。これはやはり高い専門性と技術を国民から期待されていることに他ならないと言えよう。

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