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資料調達で予見

−−日本では新会計基準(注1)が次々に導入され、「会計ビッグバン」とも言われる状況です。そもそも国際会計基準が必要になったのはどのような背景があったのでしょうか? 「会計の問題を扱う国際機関にIASC(International Accounting Standard Committee 国際会計基準委員会/注2)という組織がありますが、それと別に、IOSCO(International Organization for Securities Commissions証券監督者国際機構/注3)という 組織があります。これは1986年に発足した国際機関で、先進国を中心とした各国の証券監督者から構成されています。1988年頃から、IOSCOが国際会計基準委員会の作成した国際会計基準を承認するという動きが出てきまして、今や正式採用の見込みになっているわけです。それが国際会計基準を導入する最大の理由といえます。」
−−IASCの基準がIOSCOに承認されることは、どのような意味があるのでしょうか? 「企業にとっ


ては、他の先進国の証券市場で資金調達をする際、IASCの基準で作成した財務諸表を用いれば、受け入れられるということです。裏返していえば、その基準で作っていない財務諸表は今後、受け入れられない可能性が多分に出てくるということです。」
−−日本企業が海外で資金調達する際、国際会計基準をクリアすることが不可欠になるということですね。 「そうです。これまでもアメリカにはFAS


B(Financial Accounting Standards Board 米国財務会計基準審議会)が作成した独自の米国会計基準があって、日本の企業がアメリカで資金調達する場合、それを通すことが必要でしたが、それ以外の国で資金調達しようとすれば、IASCの基準に則った財務諸表を作成する必要がありますから、資金調達の多様化を目指す企業には必須といえます。」

注1 「新会計基準」
主な内容は以下の通り。
1 連結決算中心主義
「(改訂)連結財務諸表原則」(平成9年6月6日企業会計審議会公表)
2 税効果会計
「税効果会計係る会計規準」(平成10年10月30日企業会計審議会公表)
3 時価会計
「金融商品に係る会計規準」(平成11年1月22日企業会計審議会公表)
4 年金会計
「退職給付に係る会計規準」(平成10年6月16日企業会計審議会公表)

注2 「IASC(International Accounting Standard Committee 国際会計基準委員会)」 1973年に設立された民間の国際団体。現在、100か国以上が参加している。IAS(国際会計基準)を世界各国で通用する統一基準に発展させることを目的とする。世界各国の会計士団体がメンバーとなっている。

注3 「IOSCO(International Organization for Securities Commissions証券監督者国際機構)」 各国の証券市場を監督している組織による国際機関。日本では大蔵省金融企画局が窓口。1988年にIASの活動の支持を表明したことで、IASCの権威が一気に高まった。

 
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