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税に関するシンクタンク

−政府税調などの税制に関する提言はどのようにとらえられていますか?
  「学識経験者にしても、外国の税はこうだとか、抽象論で議論するのではなく、実務を知っていなければなりません。現実には、そのような方は少ないのではないかと思います。政策の議論の際、やはり実務を知っている税理士の力を借りるべきではないでしょうか」

−税制の抜本的な改革のためには、政治家にリーダーシップが求められるとともに、実務に精通した税理士との連携・協力が不可欠ですね。
  「現在のように、官僚が法案を作って、国会がそれを承認する形ではなく、国会主導による租税立法に転換すべきです。税の専門家である税理士
はそのためのシンクタンクとなる必要があります。具体的には、私は税理士会に、常設の税制審議会を作ることを主張しています。所得税審議会、法人税審議会など、それぞれ専門の審議会を税理士会に置いて、つねに政治家に情報や案などを提供するようにすべきだと言っています。
  租税正義を実現するうえで、外形標準課税、租税特別措置法の問題、消費税、サラリーマンの自己申告、課税最低限など、問題が山積しています。今まで、それらの問題がほとんど議論されなかった理由のひとつとして、税理士の地位がロイヤーとしてみなされなかったことがあるのではないかと思います。だからこそ私は、税理士よ法律家たれ、税制において、社会をリードしていくのは税理士であれと訴えているのです。


  税理士は税務の専門家かつロイヤーとして、税法を正しい方向にもっていくために役割を果たすべきです。それには、税理士が租税立法について意見を述べることがなければなりません。その点、TKC全国会は勉強する者が集まっていて、学者はだしの勉強家の税理士がたくさんいます。私としてはTKC全国会で会員1万人を狙って集団化しています。それが実現すれば、シンクタンクも容易にできるでしょう。同時に、TKC会計人は税理士会の一員ですから、黒子として税理士会の発展に寄与したいと考えています。税理士会を発展させて、その総力を挙げて、法改正に関するシンクタンクになる方向を目指しています。
  そして、大きな改革のためには柱が必要です。その柱となるのが租税正義なのです。私は租税正義こそが、税法という法律の目的である納税義務者に適正な納税義務を実現させる鍵であると見ています。税理士会がそういう方向に向かっていくとき、TKC会計人はその原動力になりたい。そういう大きな理想を掲げています」



 
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