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地方分権は始まったばかり

--近年、地方分権ということが叫ばれており、この4月には大きな法改正も行われました。高橋区長は長く区政の場でご活躍され、現在は区長として次々に新しい施策を打ち出されていますが、まず区長のお立場から、地方分権推進の現況をどのようにご覧になっておられるかお聞きしたいと思います。
「確かに地方分権一括法(「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」・注1)は施行されましたが、これをもってゴールとは言えません。地方分権はまだ端緒についたばかりととらえています。
 今回の法改正によって、どれだけ地方分権が推進されるか、どれだけ国から地方に権限が委譲されるかといいますと、極端にいえば、実態としてはそれほど大きな変化が無いのではないかという気さえしています。
 そう言いますのは、本当の意味で権限を委譲するのであれば、財政権が伴なわなければならないと考えるからです。依然として財政権は国が握っているわけです。補助金制度の抜本的改革抜きには真の権限委譲にはなりえないのではないかと思います」
--都と区の関係では、これまで23区は東


京都の内部的組織と位置づけられていましたが、4月から独立した基礎的自治体となって、清掃などの事業が東京都から23区に移管されました。これについてはどのように評価されていますか?
「法律的には、23区は東京都から独立して基礎的自治体という位置づけになり、多くの事業が移管(別表参照)されましたが、これについても、国から都道府県への権限委譲と同じようなことがいえるのではないかと思います。
 財政については、固定資産税、法人住民税、土地保有税の三つの財源が区に52%、都に48%と分けられることになり
ました。都と区で財政調整の仕組みを作り、互いが平等な立場で協議をして、決定していくことになっています。制度上は対等になったかに見えますが、問題は財政の配分に関わる人の意識がどれだけ変わったかということです。
 今回、石原都知事が銀行の外形標準課税を実施しますが、同時に固定資産税の軽減措置を発表しました。家を新築した場合、5年間は固定資産税を免除するという内容でした。ところが、これについて事前に区に対して話がなかったわけです」
--都と区の共通の財源であり、本来な


ら、区の意向を聞くべきだと?
「都が決定したわけですが、52%は区の財源です。しかし、今回、都の担当との協議もないまま、税の軽減が発表されました。それを見て、従来からの考え方が変わっていないのではないかと気になりました。地方分権ということが喧伝されていますが、まだまだ名のみではないのか、率直に言って、そういう気がしました。
 地方分権を推進していくためには、これから区と都、あるいは都と国の間で、さらなる努力を積み重ねていかなければならないと思います。
 今回の一連の法改正は、スタートラインに立ったという意味では、もちろん高く評価しますが、どのような成果が得られるかは関係者の努力にかかっていると思います」


注1 「地方分権一括法」
475本の法律改正案からなる。昨年の国会で可決成立、今年4月、施行された。

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