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英貿易産業省のROAME

−政策評価の検討では、海外などの先進的な事例を研究されたと思いますが、とくに参考にされた制度はどのようなものでしょう?
「仕組みを作るとき、最も参考にしたのはイギリスの仕組みです。イギリス政府における、わが国の通 産省に似た組織として貿易産業省(DTI)があります。そのDTIが1980年代から始めているROAME(別 表参照)と呼ばれる制度があります。
 新しい施策を立案するとき、事前の段階で、施策実施部局がROAME説明書を作成します。それが何のために必要なのか、どういうことを達成
しようとしているのか、いつの時点で、その効果 を計測するのかといったことを事前に設定しておくわけです。
 具体的にいえば、『政府関与の必要性、施策の全体的目的(Rationale)』『施策の達成目標(Objectives)』『個別 事業の選択基準(Appraisal)』『実施状況のモニタリング方針(Monitoring)』『事後評価の時期等(Evaluation)』です。
 そのような内容について、施策実施部局と予算統括部局の間で合意をとりつけておいて、それを事後的にチェックするという仕組みです。


 今回の通産省の仕組みはこのDTIの方法を発展させた形です」

−どのようなところを変えたのでしょうか?
「ひとつは事前評価で明らかにしておく項目を拡充したことです。企画立案の段階で何を参照にしたのか、どれくらい詰めて考えたか、どれくらい幅広く意見を聴く努力をしたかという項目を新たに加えました。
 もう一点は情報公開の面で、より積極的に外部の目を取り入れる制度にしたことです。DTIの場合、事後評価だけ公表しますが、通 産省では事前評価書についても立案した段階、国会の審議を

経て予算案としてセットした段階、最後の事後評価結果 としてまとめた段階と、それぞれの段階で内容を公表することにしています。さらに重要なものついては事前段階でパブリックコメント(注1)を求めることもルール化しています」



 
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