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Top Interview
第九章 改正

第九八条 [最高法規、条約及び国際法規の遵守] (1)この憲法は、国の最高法規であつて、その条項に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
(2)日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第九九条 [憲法尊重擁護の義務] 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


反町
憲法改正については、手続きに関する議論もありますね。
    西村
    私の持論は、無効宣言という方法があるということです。
反町
東京都知事の石原慎太郎さんも、破棄の決議であれば国会議員過半数の賛成でできるということをおっしゃっていますね。
    西村
    現行の憲法は占領中にできた憲法です。あるいはハーグ陸戦条約(注4)に、占領中には現地の法律を尊重するという規範があります。国際法から判断しても有効性がない。
注4) 「ハーグ陸戦法規」
「陸戦ノ規則慣例ニ関する条約」(1907年)第四三条 「国ノ権力カ事実上占領者ノ手ニ移リタル上ハ、占領者ハ、絶対的ノ支障ナキ限り、占領地ノ現行法ヲ尊重シテ、ナルベク公共ノ秩序及ビ生活ヲ回復確保スルタメ施シ得ベキ一切ノ手段ヲ尽スベシ」

反町
第九八条第二項にも「確立された国際法規は、これを誠実に遵守する」とあります。国際社会で常識となっている条約の条項は日本国も当然拘束されるのです。また、憲法の改正は第九九条の「憲法尊重擁護の義務」と抵触するわけではありません。憲法を現実に合わせ、生きた規範にするため、積極的に解釈権を行使する。問題があるなら、何度でも改正する。それが第九九条の理念です。後ろ向きに憲法を解釈することが擁護ではありません。国の根本規範である憲法を国民が守るのは当たり前のことで、守ろうとする以上、積極的に改善、改良を加えるべきです。
    西村
    改正すべきときには、改正しなければならないという意味で、われわれ国民は憲法擁護義務を負っています。しかし、これまでの憲法に関する論議は車を運転するのに、バックミラーだけを見て、フロントガラスを見ずに運転していたようなものです(笑い)。反町 本日は忌憚ないご意見をたまわり、ありがとうございました。




にしむら・しんご

昭和23年、大阪府出身。京都大学法学部卒。公務員を経て、弁護士登録。平成5年、衆議院議員に初当選。平成6年、民社党中央執行委員、国際局長。同年12月、民社党解散に伴い新進党結成に参加。衆議院外務委員、内閣委員理事、議員運営委員、安全保障委員会理事、新進党安全保障政策補佐官、同党党首補佐役等を歴任する。平成10年1月、自由党結成に参加。平成11年10月、防衛政務次官に就任。同月辞任。現在、自由党国防部会長代理。


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