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特集2 司法制度改革3
名実ともに法律家として

--登記事務の分野では、今後、電算化が進むと思われますが、それに関してはどのようにお考えですか?
「電算化しても取引きの最後のツメはやはり司法書士が担うべきだと思います。抵当権の申請、所有権移転などもオンライン化していくでしょう。そうなれば、正確な実体関係をきちんと入力しないと混乱が生じてしまいます。それを防ぐには、司法書士に登記原因証書を公証する権限を与えることです。公証人は今、全国で550人ほどしかいないわけで、とても手が足りないはずです。司法書士に権限を
認めたほうが不動産登記の真正担保機能は充実します。特に、現行の民事訴訟法第181条によれば、担保権の実行としての競売は判決文の債務名義を要せず、担保権の競売であることを証明すれば足りる仕組みになっています。その登記を司法書士が担っているのです。われわれは、それに関してノウハウを蓄積しています。これについては弁護士以上の専門家だという自負もあります。不動産取引の安全のためには、司法書士の更なる活用を考えていくべきです」


--職域がひろがるに際して、国民の付託に十分に応えられるように準備をすることが不可欠だと思われます。その点も含め、これからの司法書士に求められることに関してお聞かせください。
「司法書士の資格試験は年々、難しくなり、ここ数年の合格率は2%くらいになっています。その難関を潜ってくるのですから、合格してくる人は実体法にしても手続法にしても、かなり学習を積んでいます。ただ、今後、簡裁代理が認められる流れになれば、その制度をうまく運営できるよう、資格試験も民事訴訟法、民事執行法などの科目は増やすなどの必要があるかもしれません。試験について
いえば現在は1年に1回、1日で実施されますが、この実施スタイルはいささか過酷ではないでしょうか。
 もちろん、訴訟技術もきちんと訓練していく必要があります。現在も、どの単位会でも裁判事務の研修には力を入れてきています。新入会者に対する裁判事務の研修の時間を年々増やしてきていますし。また、各ブロックの合宿研修においても、裁判事務はかなり時間をかけて行っています。
 東京会でいえば、裁判事務学校を開いて10年余になります。それは半年から1年くらいかけて行っています。毎年、80〜100人くらいの応募者がいて、講師は


東京地方裁判所の判事や弁護士、裁判事務を手掛けている司法書士などにお願いしています。そして、裁判事務学校を卒業する段階で、模擬法廷を行ったりしています。その後、裁判ゼミナールという、ひとクラス上の研修を開催します。さらに日本司法書士連合会は全国研修会を行っています。
 そのようにして、すでにこれまでも、裁判事務の基礎知識はかなり身につけています。簡裁代理や法律相談が可能になる法改正が実現すれば、法律が施行されるまでの期間に、さらに専門的な研修を積むなどの準備をすることによっ
て、新しい職責にも十分対応できると思います。
 税理士や弁理士は専門が特化していますが、司法書士はかなり幅広い法律知識をもつ実務家です。そこにさらに必要な訓練を施せば、すばらしい法律家になれる素質をもつ職能人です。21世紀には名実ともに法律家としての位置づけられる職能人に育ってもらいたいと思いますね」


プロフィール

松永六郎氏 まつなが・ろくろう
昭和3年生まれ。
昭和28年、中央大学法学部卒。昭和36年、司法書士認可。
昭和62年、日本司法書士会連合会職域改善推進委員会医員。
平成元年、東京司法書士会副会長、日本司法書士会連合会司法書士制度審議会委員。
司法書士実務の理論構築に数多くの功績を残している。

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