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特集2 司法制度改革3
弁護士からの反対意見

--司法書士に簡裁代理権を認めることについて、日弁連には慎重論があるようです。弁護士側にはどのような反対意見がありますか?
「反対意見としては『試験内容から見ても、司法書士には憲法的発想がない。よって人権感覚がない。人権を守る裁判手続きに関与する資格はない』というご意見があります。司法書士は法律家としての実務能力に欠けるという疑念もあるでしょう。もうひとつは弁護士会は自治機能をもつが、司法書士会にはそれがない。法務省に監督される職業人が、果たして国民の権利を国家権力に抗して守ることができるのか。そういう反対論が存在します」
--なるほど、自治権は重要な論点かと思いますが、これについてはどのようにお考えですか?
「確かに行政事件や刑事弁護を扱うについては、確立した自治権は不可欠な要素だと思います。しかし司法書士が希望している簡裁代理は単純な民事事件が主であり、自治権がないことをもって、訴訟代理権の完全な行使ができないという理屈は通らないのではないかと思います。正義感と良心があれば、必要な訓練を積むことで、その職務は十分遂行できるはずです」


--日弁連としては、今後、司法書士の簡裁代理権を認める方向になると思われますか?
「簡易裁判所の事件については、認めていいのではないかという意識に変わりつつある弁護士も多くなりつつあるのではないでしょうか。
 そもそも事実を無視することはできません。『司法統計』を見ても、簡裁事件について弁護士の選任率は5%くらいしかない。大半が本人訴訟です。とくに地方の弁護士過疎地域では弁護士がほとんど関与していないという事実があります。
弁護士法第72条によって法律事務を独占しているにも関わらず、独占の権利に付随する義務を完全に果たしているとはいえないわけです。司法書士は約1万8000人いて、全国津々浦々に配置されています。日弁連会員も1万7000人ほどいますが、司法書士に比べて大都市に集中しています。弁護士会も長い間、集中を解消しようと努力されてきましたが、改善されていないのが実情です。その対策として出てきたのが弁護士事務所の法人化であり、支所の設置であり、法律相談センターや公設事務所の設置です


が、私はそれでも問題の抜本的な解決にはならないと思っています。現に地方に張り付いている司法書士を活用しない手はありません。それが利用者の利益につながります。
 少なくとも、理解力や弁論能力が足りない方、高齢や病気などで出廷できない方、そういう方が司法的救済を必要とすることを考えても、司法書士を訴訟代理人として認めるべきです。
 また司法書士も簡裁代理権を付与されたからといって、すべての簡裁事件で代理権を行使するようなことにはならないと思います。司法書士が代理人にならなければ司法救済ができないと判断すればそうするでしょうが、書類作成で十分だと判断する事件であれば従来方式の書類の作成支援をすることになると思います」

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