↑What's New ←目次 ←カテーテル・・
0 1 2 3 4 5 6 2000.vol.1
カテーテル特許訴訟の逆転劇 米国特許弁護士 服部健一
米国特許弁護士 服部健一

あいまいな記載
 次に特許の独占範囲を示すクレームでは、カテーテルの形状記憶を起こす温度が「at most about 10℃(最大でも約10℃)」と記載されている。「最大でも(at most)」と「約(about)」とは矛盾する記載だ。これが何度を意味するのか5人の発明者は知らぬ、存ぜぬで決め込んできた。しかし特許の説明があいまいならこれも特許無効の理由にはなる。さらにワグナー弁護士は特許に近い古い技術を発見しているので、これも特許無効の材料にはなる。
 こうした色々な理由で特許が無効であることを公判の前にモーションという形で既に判事に提出してあった。判事がこれらのモーションをどう処理するかは非常に重要なことだった。もし判事がいずれかの理由で特許無効とすれば陪審員の公判を待たずに我々の勝訴となる。
 しかし判事はこれらのモーションに対してなかなか決断は示さなかった。




→Next

↑What's New ←目次 ←カテーテル・・
0 1 2 3 4 5 6 2000.vol.1
Copyright 2000 株式会社東京リーガルマインド
(c)2000 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.