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「有権者が選べるのは政治家だけ」

−そのような立法府と行政府の関係を変えなければならないということですね。
「これは私の持論ですが、日本は明治維新で近代国家になって以来、官僚制国家なのです。厳密に言えば、それ以前の武士の仕切っていた社会も官僚制国家です。そのような官僚制国家の伝統、仕組み、慣習が尾を引いて、今日まで来ています。そのために議会制民主主義が十分に機能しない面 が多々あるわけです。
 私はよく『有権者が選べるのは政治家だけ』と言っています。 国民は行政府にいる
役人は選べないし、辞めさせることができません。私も役人だったことがあるから余計にそう思うのですが、役人というのはいったん任官させたら、あとは簡単に動かすことができない存在です。とんでもない人物が官庁の重要なポストに就いてしまって、そのことによって、国民生活がどれだけ迷惑を受けたとしても、余程の不祥事でも起こらない限り、その役人が定期異動するまでは泣って泣き寝入りしていなければならないわけです。


 その点、『けしからん』と思えば、有権者は選挙で政治家を落とすことができます。絶えず社会的監視の目が光っているといえます。国民の意思を反映する存在は国民の代弁者たる政治家であって、その政治家が役所をコントロールしなかったら、結局、民意を反映した行政にはできないのです」



 
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