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難関国家資格・不動産鑑定士の業務と試験

横須賀 博氏(前社団法人日本不動産鑑定協会会長/日本不動産鑑定士政治連盟会長/不動産鑑定士/いばらき大使)

聞き手:反町勝夫 株式会社東京リーガルマインド代表取締役

不動産鑑定士とは、土地の適正な価格を判定するとともに、地域の環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定する専門家である。近年「難しくなった」と言われる不動産鑑定士試験だが、その背景にある環境の変化や、試験の実態についてお話いただいた。


■ 不動産の鑑定評価は極めて重い責任が伴う仕事

反町

不動産鑑定士試験は、司法試験・公認会計士試験と並んで3大難関国家試験と言われていますが、その不動産鑑定士の資格を取るメリットについてお聞かせください。

横須賀

「不動産の鑑定評価に関する法律」で、不動産の経済価値を評価する業務を、対価を得て行うことは、われわれ不動産鑑定士の独占業務とされているわけですが、それが大きなメリットでしょう。不動産の鑑定評価は、不動産という貴重な財産を評価する、極めて重い責任が伴う仕事で、独特の基礎知識が必要であるため、誰にでもできる業務ではありません。不動産の価格について意見を述べることはできても、鑑定評価書として証拠をもとに説明責任を全うする書類にすることは、素人には怖くてできないでしょう。私自身、不動産鑑定士になったばかりのころは、鑑定評価書をつくるとき、何度もやり直して、慎重には慎重を期したものです。

横須賀 博氏(前社団法人日本不動産鑑定協会会長)

反町

資格を取っても、実務の経験をそこそこ積まないとなかなか大変ですね。先生が会長を務められた日本不動産鑑定協会では、近年、レベルアップを図る研修を頻繁に実施されているようですが。

横須賀

おっしゃる通りで、体系的な研修システムを導入するとともに、その時々でテーマを絞った研修会を開いていますし、その情報を開示しようということで、当協会のホームページ上で「会員研修履歴情報」として、各不動産鑑定士が、どのような内容の研修を何時間受けたのか、その履歴をすべて公開して、依頼者などが参考にできる体制をとっています。 バブルを境に収益重視への転換という大きな変化が訪れ、収益のとらえ方はシビアになり、単に、収益を直接還元して求めるだけでなく、長期にわたる収益を予測し、その中から収益価格を求めていくという、収益性を重視した鑑定評価としてDCF法(Discounted Cash Flow)(※) が適用されるようになり、より精密さが求められるようになるなど、世の中が厳しさを要求しているので、それも流れです。

■ 45歳以上になると、実務を経験していないと勉強が間に合わない

反町

不動産鑑定士試験は、合格するためには相当な勉強をしないとなりません。社会人には厳しい試験かもしれませんね。

横須賀

不動産鑑定士試験の最終的な合格率は2%ですから、確かに厳しい試験であると思います。

反町

しかし、新試験制度になり、短答式試験に1回合格すると、その後2年以内にある短答式試験は免除となりました。したがって、まず短答式試験に合格して、翌年に論文試験に合格するといったように、勉強しやすくなったかと思います。

横須賀 博氏(前社団法人日本不動産鑑定協会会長)

横須賀

おっしゃる通りです。短答式試験の今年の合格率は22.6%と、結果に表れています。

反町

会社に勤めている方については、たとえ試験に受からずとも、不動産鑑定士の勉強は仕事で役に立つように思います。

横須賀

そうですね。合格することだけが目的ではないと思いますが、不動産鑑定士試験は、合格が難しい試験だと言わざるを得ないと思っています。年齢を重ねるとさらに難しいと思います。例えば、今年の不動産鑑定士試験では、45歳以上の方が656人受験されました。その656人中、短答式試験に合格して次の論文式試験を受験した方は239人で、その中で最終合格した方は3人でした。そのうちの1人の方は、最初、宅建ぐらいのレベルの試験だろうと思って受験されたそうですが、落ちてしまい、これはいけないということで、資格予備校に通われたそうですが2年間通われたようです。独学の時期とあわせると都合3年とのことです。

反町

それでも資格予備校への通学が2年で受かれば早い方ですよ。平均未満だと思います。

横須賀 博氏(前社団法人日本不動産鑑定協会会長)

横須賀

最終合格の3人のうちの1人ですから、確かにすごい方ですが。

反町

それにしても、45歳以上の方が3人しか受かっていないというのが驚きます。

横須賀

45歳以上になると、実務を経験していないと勉強が間に合わないと思います。論文は実務ですから。しかも論文試験は、3日間やらないといけないですし、体力の面でも厳しいかもしれません。

反町

これから不動産鑑定士を取ろうと考えている方は、すぐにでも勉強に取り組んだ方が良いということですね。横須賀先生には、今後も不動産鑑定士業界活性化のため、ご活躍いただきたいと思います。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※ DCF法(Discounted Cash Flow法):不動産鑑定評価の手法のひとつ。将来生み出すであろうキャッシュフローの現在の価値と、将来の売却価格の現在価値の和をもって収益価格とする。

≪ご経歴≫

前社団法人日本不動産鑑定協会会長/日本不動産鑑定士政治連盟会長/不動産鑑定士/いばらき大使
横須賀 博(よこすかひろし)
1953年中央大学商学部卒業。1967年不動産鑑定士登録。1983年社団法人日本不動産鑑定協会副会長就任。1990年国土庁土地鑑定委員会委員就任。1996年同退任。1997年社団法人日本不動産鑑定協会副会長退任。同年同相談役就任。2003年同相談役退任。同年同会長就任。2007年同会長退任。同年日本不動産鑑定政治連盟会長に就任。2008年日本不動産鑑定協会法務鑑定委員会の特別顧問を委嘱される。

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