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企業を活性化させる人事労務コンサルタント

矢萩 大輔氏 有限会社人事・労務代表取締役/日本ES開発協会会長

聞き手:反町勝夫 株式会社東京リーガルマインド代表取締役

1995年に都内最年少の26歳で社会保険労務士として開業。1998年には有限会社人事・労務を立ち上げ、「人を大切にする経営」を目指す経営者のための日本ES開発協会を主催して、ES(従業員満足)トレーナー制度や社内ルールクリエイターなど組織活性化のための新しい施策の普及活動に取り組むなど、社労士業務最先端に身を置く矢萩氏に、その実情をうかがった。


■ ES(従業員満足)を中心とした企業の組織づくり

反町

矢萩先生著書『儲けを生み出す人事制度7つのしくみ』(共著/ナナ・コーポレート・コミュニケーション・2006)拝読しました。実務に基づいているので、非常に分かりやすいですね。ESという従業員の立場から満足度を見るというのは、画期的なものだったのではないでしょうか。

矢萩

その著書を出した当時は、どこでもやっていなかったことかもしれません。最近は増えてきているようですが、社労士の中で実践している方はまだ少ないと思います。

反町

普通のコンサルタントはいっぱいいますけど、社労士はなかなかいらっしゃいませんね。矢萩先生の会社は、やはりコンサルティングが得意分野なのですか。

矢萩 大輔氏(有限会社人事・労務代表取締役/日本ES開発協会会長)

矢萩

そうですね。会社を立ち上げ今年で10年目になりますが、人事・労務・賃金制度を中心としたコンサルティングの分野をメインにしており、ES(従業員満足)を中心とした企業の組織づくりに取り組んでいます。つまり、仕事を通して自己の成長・人生の成功を実現するための人事制度づくりです。人事考課の点数が良かったとか、売り上げが上がったと満足をして完結するのではなく、それが自分にとってのより良い人生に繋がっていくという制度を目指しています。その中心となるのが「クレド」です。仕事の目標と目的の両面から会社を元気にしていく取り組みですが、ポスト成果主義として、今後、必要とされる分野であると確信しています。

反町

積極的かつ前進的ですね。となると、コンサルティング以外にもいろいろ取り組まれているのですか。

矢萩

最近は社員教育に力を入れる企業が多く、人材アセスメントという手法での社員研修の依頼も増えてきています。また、外資系企業や会社設立を考えている外国人の方、また、外国人を雇いたいと考えている方にも対応できるようにしています。就業規則については、型通りの提案はしません。それぞれの条文に加えて、何故このような条文ができたのかという成り立ちまで記載しています。これをフェイスモラルコードと言いますが、条文の中に隠れている経営者の信念を理解することに役立っていると自負しています。就業規則を作成する理由は、労働基準監督署に提出することが一段階目で、トラブル発生時に裁判で勝つための内容であることが二段階目。これについては、特定社労士の資格を保有するスタッフが取り組んでいます。最後の三段階目が社員のモチベーションを高めることです。この三段階目のために必要となってくるのがフェイスモラルコードです。

反町

社労士の通常業務でも、ニーズを汲み取って、きめ細かいサービスを提供されているのですね。多様化が進む時代において必要なことですよね。どのくらいの規模の企業の顧問をされているのでしょうか。

矢萩

顧問先の規模は1,000名を超える企業もありますが、300名未満の会社が中心です。関東が中心ですが、併設する法人には東京本社以外に横浜・新潟にも支社がありますので、幅広く対応できるようになっています。

反町

法律専門職の方々がこういうことを開拓されていくのはよいことだと思います。
私どもも、それぞれ法律専門職の中で新境地を切り開いていかれる方にご講演いただいて、受講生に「そういう分野があるんだ、じゃあやってみようかな。」と、合格後の働き方にさまざまな選択があることをご紹介しています。働いている方は、資格取得後のことを気にされていますから。

■ 吸収合併においては調整をして対応

反町

近年、会社の吸収合併等がよくありますが、そういった場合、吸収される側の会社の就業規則はどうなるのでしょうか。

矢萩

その点は私どものスタッフの方が詳しいのですが、急激に変えるのは難しいので、調整しながら、という感じですね。既存の会社のものは残しつつ、大きい会社の基準が高ければ、そちらに合わせる、ということになってきますね。

矢萩 大輔氏、反町勝夫対談

反町

吸収される側の会社が労働者に有利な就業規則で、吸収する側の会社の就業規則が労働者に不利な場合はどうなるのでしょうか。

矢萩

その場合は、吸収される側の基準が良いので、そちらを優先させます。

反町

吸収される会社は消滅するわけなので、いったん就業規則も失効するわけですよね。それでも吸収される会社側のものが優先されることはあるのでしょうか。

矢萩

吸収される側の会社の就業規則に関する既得権などの問題があるため、調整をつける必要はあります。そのほか、給与の問題など徐々に調整をしながら近づいていくというのはあるようです。

反町

100年に一度の大不況で倒産も多いですが、そうなる前に黒字のうちにうまくたたむのがベストです。ソフトランディングで、だんだんマーケットが縮小していく訳ですから、ものづくりの分野などは特に検討が必要かと思います。矢萩先生の周りで、敷地を駐車場に変えたりマンションを建てたりと、うまくたたむような動きは見受けられますか。

矢萩

株価が安いので、いろいろと、代譲りといった動きは見受けられます。

■ 増えるビジネスチャンス

反町

最近は少し沈静化している感がありますが、年金問題は社労士にとってどのような影響があるのでしょうか。

矢萩

来年度は新しい制度がかなり出てくるようですので、社労士に期待される役割は高まるかと見ております。

反町

お忙しくなりそうですね。会社のスタッフを育てて、社労士をどんどん増やさないとならないでしょう。

矢萩 大輔氏(有限会社人事・労務代表取締役/日本ES開発協会会長)

矢萩

スタッフの中には社労士目指している者がおりますので、とにかく早く受かってほしいと思っています。

反町

社労士試験は、今年度合格点は上がりましたが、合格率は前年が10.6%に対して、7.5%に下がり、選抜試験としては難しくなりました。かなり難しい試験になっていますね。

矢萩

来年か再来年には試験科目に民法が入るとか。

反町

法律を改正しないと試験科目を変更できないので、来年までは大きくは変わらないですが、来年中には、試験をこう変える、というのが出ると思います。

矢萩

スタッフは何としても来年に受かってもらわないとならないですね。

反町

旧制度の下での合格者は特定社労士にならないとADRができませんが、新しい試験制度になったら、民法を試験科目に入れた上で、特定社労士の資格はなくてもADRを出来るような方向にするのではないでしょうか。近年、司法書士試験で民事訴訟の出題が多々出ており、ADRを見据えているように見受けられます。そういう潮流なのだと思います。
これから人が余るわけで、社労士はその一番資源が余るところに焦点を当てている訳ですから、ビジネスチャンスがますます増えることと思います。矢萩先生にはぜひそのような中で、ぜひご活躍いただきたいと思っております。本日は、ありがとうございました。

≪ご経歴≫

有限会社人事・労務 代表取締役/日本ES開発協会会長
矢萩 大輔氏(やはぎ だいすけ)
明治学院大学卒業後、大手ゼネコン勤務を経て、1995年、都内最年少の26歳で社会保険労務士として開業。現在、350社以上の顧問先を抱えるリーディングオフィスとして注目を集める。「組織のワクワクをコンサルティングする」をサービスコンセプトに有限会社人事・労務を立ち上げ、「人を大切にする経営」を目指す経営者のための日本ES開発協会を主催。ES(従業員満足)トレーナー制度や社内ルールクリエイターなど組織活性化のための新しい施策の普及活動を目指し高く評価されている。全国の青年会議所や商工会議所、独立行政法人での講師も多数務める。現在は、分かりやすい語り口と斬新な考え方でUSENビジネス・ステーションにてナビゲーターを務める他、商工会議所が 運営するネット配信セミナーにレギュラー出演し、日経BizPlus をはじめ多数の連載を持つ。

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