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会計の知識で広がる可能性

鷲尾 英一郎氏 衆議院議員/民主党青年局次長/公認会計士

聞き手:反町 勝夫 株式会社東京リーガルマインド代表取締役

大学在学中に公認会計士試験に合格し、公認会計士として独立開業も果たしたものの、国会議員になった鷲尾英一郎氏に、衆議院議員というお立場から公認会計士を取り巻く問題や課題についてお話しいただくとともに、ご自身の経験に基づき、会計知識の必要性をお話しいただいた。


■ 企業でも活躍しやすくなるような環境整備を図る

反町

鷲尾先生がその資格を保持されている公認会計士については、「1) 量的な拡大とともに質的な向上も求められている監査証明業務に加えて、2) 拡大・多様化している監査証明業務以外の業務、3) さらには、企業などにおける専門的な実務の担い手として、経済社会における重要な役割が期待されている」という認識のもと、「受験層の多様化と受験者数の増加を図り、質の高い人材を経済社会に多数輩出するため」、平成15年に公認会計士法が改正され、平成18 年に社会人を含めた多様な人材にとっても受験しやすい、新しい試験制度へと移行されました(※)。

鷲尾 英一郎氏 衆議院議員/民主党青年局次長/公認会計士

鷲尾

平成30年頃までに5万人程度の規模となることを見込み、年間2,000 名から3,000 名の合格者を目指すことが、一つの目安として示され、実際、平成18年に公認会計士の新しい試験制度が導入されてからは、それまで最終合格者が約1,300人程度であったのが、2,000〜4,000人に増えました。現状においては、合格者の経済界等への就職は進んでおらず、社会人の受験者・合格者についても十分増加していないなど、現行制度のねらいは道半ばの状況です。このままいけば、公認会計士になるために必要な実務経験を満たすことができないことが懸念されるほか、試験に合格しても公認会計士の資格を取得できないというおそれも高まり、試験制度の魅力を低下させる可能性もあります。こうした状況を踏まえ、公認会計士試験・資格制度等についての検討をしなくてはならないということで、12月10日より金融庁で「公認会計士制度に関する懇談会」が開催されています。

反町

おっしゃる通り、当初の思惑とは異なった事態となっています。企業に入るにしても、合格してすぐに企業に入るのではなく、監査法人で基礎を学んでから企業にいくことを希望する人が多いこともありますが、企業で実務に従事したくとも「資本金5億円以上の会社において、一定の業務等を行うこと」という実務従事の要件が厳しいと思われます。現在、合格者全員がこの要件を満たせるだけの環境があるとはいえません。私は被監査会社に類する大会社(資本金5億円以上)ではない会社への実務従事を許容すべきものと考えます。

鷲尾

現在、監査法人は、無理して、できるだけ多くの合格者を採用しているような状況ですが、限界にきています。もともとは、経済界に会計のプロフェッショナルたる公認会計士を企業に入れたいという要望があって合格者を増やした経緯があるわけで、企業側のもっと積極的な採用が必要ではないかと思います。経済界に対して企業内会計専門家の拡充の必要性等を認識していただき、経済界で活躍しやすくなるような環境整備を図るとともに、合格者には、経済界においても会計専門家に対するニーズがあり、 監査業界以外でも資格取得が出来る職種が相当程度あるといったことを周知し、意識改革を図る必要があるでしょう。

■ 簿記を学べば、将来への備えができ、その力を活かすステージが広がる

鷲尾 英一郎氏、反町 勝夫対談

反町

現在、昨秋のアメリカに端を発した大不況の影響もあって、わが国の企業は生産拠点等を海外に移すなど、企業においても国際化が進んでいることもあり、わが国の企業も国際会計基準を導入するところが増えつつあります。

鷲尾

今、世界は国際会計基準という世界共通のルールで会社の財務状況等を測るようにになってきています。日本はその基準に追従するかたちとなっていますが、私は日本がもっと国際社会での発言力を強め、世界共通のルールづくりに積極的にかかわっていくべきだと思います。

反町

鷲尾先生には、公認会計士資格をお持ちの国会議員としてがんばっていただきたいと思います。

鷲尾 英一郎氏 衆議院議員/民主党青年局次長/公認会計士

鷲尾

現在、国会議員となった私は、会計の世界に直接携わっているわけではありません。しかし、公認会計士として働いていた私が政治の世界に入った大きな理由のひとつとして、日本の政治を変えて、会計制度を健全なものにしていきたい、という想いが挙げられます。国会議員になってからも、簿記をきっかけにして身につけた会計の知識およびその感覚は大変役立っていますので、政策立案などさまざまな面で活かしていきたいと思っています。

反町

先生のご経験を踏まえ、これから会計資格を目指す方へのメッセージをお願いします。

鷲尾

会計関連の資格を取りたいとお考えの方には、「まず簿記を学べば、将来への備えができ、その力を活かすステージが広がる」ということを言いたいです。特にこれから就職を控えた大学生にはお奨めです。簿記を学ぶと財務諸表がある程度読めるようになるため、会社四季報などでその会社の利益や営業状態といった財務状況を知ることができるようになります。したがって、就職活動でその状況を踏まえて、自分がその会社で何をしたいのかなど、じっくり考えることができるようになります。また、簿記を学ぶと、会社のお金の流れ全体がわかるようになり、一つひとつの書類についても意味合いをわかって処理できるので、入社してからも役立ちます。そういう意味で、「簿記」は大学生にとっての基礎科目として取得することを強く勧めたいと思います。

反町

私も鷲尾先生と同じ考えで、学生のうちに取得することを勧めています。就職が厳しい時代ですので、簿記を学び、少しでも即戦力になりえる力をつけて欲しいですね。本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。

≪ご経歴≫

衆議院議員/民主党青年局次長/公認会計士
鷲尾 英一郎(わしお えいいちろう)
東京大学経済学部在学中にLEC 公認会計士講座を受講。卒業後は新日本監査法人にて実務に従事。その後、公認会計士として独立開業。第44回衆議院総選挙にて初当選。現在は民主党青年局次長として活躍するとともに、民主党公認会計士制度推進議員連盟事務局長、議院運営委員会、安全保障委員会委員、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会等の委員としても、精力的に活動を行っている。

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