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世の中の複雑化伴い、求められる行政書士

工藤 康博氏 東京都行政書士会理事/行政書士ADRセンター東京センター長

聞き手:反町勝夫 株式会社東京リーガルマインド代表取締役

平成20年1月9日(水)、「行政書士法の一部を改正する法律」が成立し、行政書士業務に関する聴聞・弁明手続の代理が明確に位置付けられた。近年、行政の処分に対する問題が増加しており、聴聞・弁明手続の代理が明確に条文に記されたことで、行政書士の活躍する場がますます広がっている。そのような中、行政書士ADRセンター東京センター長として行政書士のADR業務確立に向けてご活動されている工藤康博氏に、行政書士のADR業務の展望についてお話いただいた。


■ 身近な問題を解決する行政書士

反町

工藤先生は、日本行政書士会連合会の広報誌「日本行政」で行政書士のADR確立のための論文を掲載されたそうですが。

工藤

日本行政書士会連合会では、ADRへの関心が結構高く、このたび行政書士ADRセンター東京センター長として、ADRセンター立ち上げについての論文を掲載させていただきました。

反町

これだけしっかりとした実務に基づいた原稿は、勉強した方でないと書くことはできません。
法律専門職の中でも行政書士は法律の原則、法律実務のベースを押さえていますから、扱う業務も分野が一番幅広いのではないでしょうか。世の中の動きが激しい中、法律サービスへのニーズもどんどん生まれて来ていますが、新しいものはまず行政書士が受け皿になりますよね。現在、行政書士は主にどのようなADRを扱われているのでしょうか。

工藤 康博氏(東京都行政書士会理事/行政書士ADRセンター東京センター長)

工藤

現在、法務大臣に対する行政書士ADR機関認証申請の準備をしていますが、その業務として想定しているのは、ペット、自転車事故、賃貸住宅の敷金の返還・原状回復の問題、外国人の就労・就学の問題という、4つの分野です。

反町

身近かつ頻発する問題ばかりですね。賃貸住宅の原状回復については、床や壁の取替えも賃借人負担になることもあってよく問題になっています。どの程度の原状回復が求められるのでしょうか。民法の考え方に照らし合わせても、傷つけたり壊したりしたのであればともかく、借りた期間が長くて老朽化したというものまで原状回復を求められることはないはずです。老朽化によるものまで原状回復を求められるのでは、賃料払う必要ないと思います。

工藤

確かに、おっしゃるような考え方が定着しています。しかし、民法の考え方では、債務不履行の場合は賃借人が責任を負うということなどは明らかになりますが、いろいろな場面で「グレーゾーン」の部分があまりにも広いことも事実です。この点で、国土交通省から「ガイドライン」が出ており、ここまでやったらどちらの責任というように、一応の解決の目安が示されているのですが、あくまでガイドラインであって、実際、紛争になったときは、それをどうやって取り入れ、話し合いをして解決するかというところまでは示されてはいません。また、そもそも敷金は大体少額で、裁判によって解決するのは負担が大きいため、何とかADRで解決できないかとなるわけです。

工藤 康博氏、反町勝夫対談

反町

ペット、自転車、賃貸住宅の原状回復と身近な問題のADRによる解決のニーズは昔からあったわけですし、10年前からやって欲しかったですよね。また、そのような問題をADRで解決できるのは、全国にたくさんいる行政書士でしょう。全国にたくさんいますし。とはいえ、行政書士がADRを扱うためには、研修など一定の条件があるのですよね。

工藤

全国各地にある行政書会のADR センターなどでトレーニングを受けたうえ、そのADRセンターの中のいわゆる調停委員として活躍することになります。
各行政書士会のADRセンターにおいて、ADR法に規定されている機関認証が取れたら、本格的にやっていただくことになるでしょう。認証をとってADRセンターをスタートして業務が発足いたしますと、さまざまな案件が行政書士会、個人の事務所ないし会員に持ち込まれてくることが考えられますので、それら相談案件のうち紛争性のあるものをセンターに持ち込んでいただくことになります。
国民のニーズにあった最先端のADR機関とすべく、法律の知識以外にも、法律の知識だけではまかないきれない解決を促進する能力、調整能力というものをしっかりと身に付けられるよう準備しているところです。

■ 公務員から行政書士になるには

反町

行政事務をやっていた公務員の方は、行政書士の資格もらえるそうですが。

工藤 康博氏(東京都行政書士会理事/行政書士ADRセンター東京センター長)

工藤

国、地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間、および特定独立行政法人、日本郵政公社の役員または職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算20年以上(高校卒業者などは17年以上)になる方に行政書士の資格が与えられます。「行政事務」というのも、行政機関の権限に属する事務のみならず、立法ないし司法機関の権限に属する事務であるほか、文書の立案作成、審査等に関連する事務であり、ある程度の責任ある立場において事務を処理していることが必要とされます。

反町

20年、17年も必要なのですね。

工藤

2%から8%という合格率の国家資格に代わるものですから、それなりに経験、技術が必要です。

反町

世の中が複雑化するに伴い、行政書士に期待される役割も、ADRを中心にどんどん増えていくことと思います。工藤先生には、行政書士のADRの第一人者として、今後ますますご活躍いただき、行政書士業界を盛り上げていただきたいと思っております。本日はありがとうございました。

≪ご経歴≫

東京都行政書士会理事/行政書士ADRセンター東京センター長
工藤 康博(くどう やすひろ)
1984年3月行政書士事務所開業。1997年5月東京都行政書士会理事(現職)。2007年9月日本行政書士会連合会裁判外紛争解決機関推進本部(ADR本部)委員(現職)。 2008年1月行政書士ADRセンター東京センター長(現職)。

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