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特集2 司法制度改革3
ドイツの裁判官の政治的発言

--司法制度改革が行われようとする中、片桐監督が手がけられた『日独裁判官物語』が大きな反響を呼んでいます。ドイツと日本の司法制度を比較するという興味深い内容の記録映画ですが、この映画をお作りになったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
「私はドイツの記録映画映画祭で入賞したことがあり(1974年、『自衛隊』でライプチッヒ国際映画祭銀鳩賞受賞)、その後、その映画祭の審査員になったこともあって、1970年代からドイツに行く機会が多かったのです。とくにベルリンの壁が壊れる80年代後半からは、毎年のよ
うに訪れていて、何か日本とドイツを比較するような作品を作れないかと思っていたのです」
--初めは、とくに司法分野の比較という企画ではなかったのですか?
「はい。司法に目を向けることになったのは、ある弁護士の話を聞いてからです。彼がドイツの全国的な環境保護団体の大会に視察に行ったところ、そこで、日本の最高裁にあたる連邦憲法裁判所の判事が発言していることに驚いたというのです。ドイツの裁判官は自由に市民活動をして、政治的発言も積極的に行っている。日本では考えられない光景だと。


 折しも日本で、司法改革の必要性が叫ばれるようになったこともあり、ヨーロッパと日本の司法制度の比較を映像化したらどうかという企画が生まれました。
 しかし私自身、司法の世界がよく分からない。学生時代に一般教養科目で法学概論だか習いましたが、チンプンカンプンでしたから(笑い)。北海道大学の木佐茂男教授に『こういう映画がを作りたい』とご説明して、監修をお願いすることにしました。
 費用は4000〜5000万円ぐらいかかることが予想されましたから、それを調達するために、委員会を作ることにして(記
録映画『日独裁判官物語』製作・普及100人委員会)、その代表を日弁連元会長の鬼追明夫さんにお願いしました。最終的には3000人もの方々から制作費のカンパの協力をいただきました。また文化庁に映画を補助する制度(芸術文化振興基金助成事業)があり、そこにシナリオを提出して審査してもらい、500万円の資金を出してもらうことになったのです。が、結局製作費は5,000万円かかり、まだ赤字の状態です。一人でも多くの方々に観て頂いて、回収したいと思います。」

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