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企業法務
アメリカの司法制度に学ぶべき点

外資系企業で働かれているということで、アメリカの企業文化に触れる機会も多いのではないかと思いますが、企業法務の面について、アメリカの司法制度に学ぶべき点といいますと、どのような点でしょうか?
    小島
    本社がある関係上、アメリカの企業の法務についても話を聞く機会があるのですが、やはり法曹一元の制度が日本よりうまく機能しているように感じられます。
ただ、アメリカの陪審制度についていえば、ハイテクの技術を巡る裁判に適しているかどうかは議論が別れるところではないかと思われますが。
    小島
    おっしゃる通りです。一般的に企業レベルから見れば、とくにハイテクの技術的な部分を争う裁判については、正直なところ、陪審制度の導入を避けたいという気持ちがあるのではないでしょうか。ハテイクの裁判では、一般の方が陪審員に選任されても、判断の拠り所とするものがないわけです。民事の相続や婚姻といった紛争では陪審制度は十分、機能するのではないかと思いますが、そこは切り離して、企業関係には適用しないというような工夫が必要ではないかと考えます。
人材の養成ということでいいますと、日本では、法曹界を目指す人は徹底して法律の勉強に集中するわけですが、アメリカでは、他の学部、例えば工学部からでもロースクールを経て、弁護士になるケースがあります。日本でもルートを複線化して、さまざまな人材を登用できるようにしたほうが良いという意見があります。それを望ましいとお考えになりますか?
    小島
    私もそう思います。個人的な意見ですが、現在、一部の大学では、大学院を取り込んだ法律教育を検討されているようですが、それは非常にいいことだと思います。私も法学部出身ですが、自分の経験からいっても、学部の4年間の勉強だけで法律のすべてはとても分かるものではありません。狭い世界に身を置いて本で知識を身につけて法曹の道に進んでいるわけです。そして、その世界で優秀な人ほど裁判官になっていく。本当は4年間学部をやらせておいて、その後に学ぶロースクールがあり、そこにはどの学部からでも入っていくことができるシステムにしたほうが良いのではないかと思いますね。

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