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第145回通常国会を統括する

スペシャリストを目指す時代


反町
6月11日には、緊急雇用対策・産業競争力強化策が政府決定となりました。緊急雇用対策の柱として人材資源の活性化があります。教育訓練給付金制度の拡充などモノの公共投資ではなく、人に対する公共投資という形ですね。
    渡辺
    ご承知のように日本の失業率は上昇して、完全失業者は300万人を超えています。この状況において雇用対策は緊急の課題です。中でも教育訓練給付、資格取得の講座への助成など人材資源の活性化は大事なポイントだと思っています。
     アメリカでは、「大学での専門は何ですか?」と訊かれます。私は法学部なのですが、弁護士でもないのに、「法律が専門です」と言うのはどうもおこがましい(笑)。アメリカでは、ロースクールを出ていれば、「専門は法律です」と自信をもって答えられますが、日本の教育制度では、大卒のほとんどの人たちには何の専門能力もないというのが現実ではないでしょうか。リストラの対象となったとき、自分にどんな能力があるのか? 多くの人がそういう不安をもっているはずです。これからの時代は小学校、中学校、高校、大学と各段階で目的意識をもち、自分の生きる道を考える必要があります。「私はこのスペシャリストです」と言えるよう目指してもらいたい。司法試験、司法書士、税理士など公の資格が数多くあるのですから。
反町
世界に通用する専門的な力を身につけた若者が輩出しないと困ります。
    渡辺
    能力が身についているのであれば、失業している方を教育の場で活躍できるようにすればいいと思います。英語が堪能であれば、小学校や中学校の臨時講師として採用する。パソコンが得意な人なら、課外授業でそれを教えてもいい。すべての学習を固定的なカリキュラムで行っていることが今の人間の幅の狭さを現しているのではないでしょうか。
反町
社会で活躍してきた人が、一定期間、臨時の教師として授業を行うようになれば生徒たちも生き生きとしてくるのではないでしょうか。決まりきった教科書の内容の授業ではなく、社会経験を踏まえた内容なのですから。

●今国会で成立した主な法律
  • 所得税・法人税の負担軽減措置法など税制改正関連法
  • ダイオキシン対策特別措置法
  • 学校教育法改正
  • 国立学校設置法改正
  • 労働者派遣法改正
  • 職業安定法改正
  • 道交法改正
  • 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法
  • 日の丸・君が代を国旗・国家とする法
  • 組織犯罪対策三法([1]通信傍受法[2]組織的犯罪処罰・犯罪収益規正法[3]刑事訴訟法改正)
  • 中央省庁改革関連法
  • 地方分権一括法
  • 情報公開法
  • 国会改革関連法
  • 憲法調査会設置法
  • 国家公務員倫理法
  • 産業競争力関連法
  • 商法改正
  • 食料・農業・農村基本法
  • 自衛隊法改正
  • 司法制度改革審議会設置法

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