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Top Interview
求められる法人化


法律事務所の法人化ということについてお聞きします。
    鳥海
    日弁連としても、外国法事務弁護士事務所との特定共同事業の実現についての議論をしたさい、日本では法律事務所が法人化できないことを早急に解決するべきだとの付帯決議をつけたのですが、それがまだ実現していません。同じ土俵で競争するなら、同じルールを適用しなければなりません。日本の法律事務所だけ足枷つきでは勝負になりません。

法人化できないことによる運営上の問題をどのようにして解決されていますか?
    鳥海
     私たちは別組織としてスタッフが所属する会社を作っています。仮にリタイアや事故があっても、業務に永続性がある形を作ろうとしたわけです。個人事務所ではなく、事務所として動かしていこうということで、それに見合う組織にすべきだということです。別会社を作り、そこに弁護士は所属できないが、スタッフは所属する。一人の弁護士に雇われているという形ではなくて、法人組織の雇用契約を結ぶわけです。コンピュータなどのオフィス機器のリースはその会社の名義で行っています。またオフィス・スペースの賃貸者契約もその会社で契約しています。スタッフのモチベーションとしても、秘書も管理部門も一丸となってベターサービスを提供することを標榜しています。スタッフの給与を上げて、事務所内での地位も上げていこうということです。また管理職に向いている人もいるだろうということもありました。会社組織にして、部門長を置き、その中から取締役に就任する人が出てもいいと考えたわけです。経済的な面でいえば、会社組織にすれば、個人ベースでは入れない適格退職年金にも加入できます。

弁護士事務所が法人化できないための問題はありますか?
    鳥海
     残された問題としては税金が大きいですね。弁護士報酬は積み立てて繰り越していくことができず、単年度ごとの処理です。将来、大きなことをやろうと思って、積み立てていくことができません。法人を作っていますから、そちらで借入をすることでほぼクリアできますが、それにしても繰り越すことができないため、あまり積み立てられない。会社の所属といっても、弁護士はその会社と契約し、サービス料を払い、そこからスタッフの人件費を払っています。人件費を払うとき、消費税と源泉費がかかる。昨今、消費税も上がってきていますから、けっして馬鹿になりません(笑い)。

複数事務所の問題については、どうお考えでしょうか?
    鳥海
     法人化と一体の問題だと思います。法人化を認めれば、「ただし支店設置は認めない」という条文は考えにくいですから(笑い)。

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